日本語学習者からの”Badコメント”トップ10!

前回の記事↓では学習者からのGoodコメントを紹介しました。

今回は反対に

学習者から寄せられたBad評価のコメント

を紹介したいと思います。

もしGood部門をまだ読んでいない方は、そちらも併せて読んでもらえたら嬉しいです。

前回の記事の最後にも書きましたが、学習者による教師評価の主たる目的の1つは、学習者からの評価が低い部分に対する気づきを得て、授業を改善することです。だからこそ、学習者からのBadコメントは、Goodコメントより何倍も価値があると私は思っています。

前回と同様、このコメントは、某日本語学校で行われた学習者による授業評価の中で、各教師に対する「自由記入欄」の部分によく書かれていたものです。

内容は、様々な教師に対して書かれたコメントをまとめたもので、私に対するコメントではありません。また、個人を特定するような内容は、除外しています。

✔️様々な教師に対して書かれたコメントを集約
✔️「可愛い」「カッコいい」「大好き」などあまり意味のないコメントは除外
✔️個人を特定するような情報は除外
✔️無記名で行われた調査の「自由記入欄」に書かれたコメントを集約
✔️教師に対するマイナス評価のコメントをランキング形式で紹介(コメント数に基づく)

それではBad部門、スタートです。

第10位

「偏った思想を持っている、国と国の問題について話す」

時々見られるコメントです。国や地域同士の問題のこと、また戦争等の歴史に関することはとてもデリケートな問題で、場合によっては学習者を深く傷つけたり、クレームに発展したりしてしまうこともあります。

授業でそのようなテーマを扱う必要があるときは、①学習者との信頼関係を築き、②しっかり下調べを行い、③慎重に言葉や内容を選び、④中立的な立場で話すことが必要です。

それができていない状態で、このような話題を自ら持ち出すとトラブルになることがあります。

留学生、外国人について知りたい方はこちら↓

第9位

「授業中、他の言語を多用する」

日本の日本語学校では、多くの場合複数の国籍の学習者が在籍していて、授業は基本的に直接法で行われます。そのようなクラスで、説明の際に媒介語を多用していると、学習者からの評価が下がることがあります。

例えばベトナムや中国の学習者がいるクラスで英語を多用するとか、ある学習者の言語だけで説明するとか。

他の学習者は放置されているように感じるし、説明も分からないので、不満を持つのは当然です。

また、たとえクラスメイト全員が同じ国出身のクラスでも、「せっかくわざわざ日本に留学して日本語を学んでいるんだから、日本語で教えてほしい」という考えの学習者もいます。

効率よく教えるために必要な部分に絞って母語を使うのは全然問題ありませんが、その際、多国籍クラスの場合は必ず全員の母語を準備すること、そして多用しすぎないことが大切です。

第8位

「コミュニケーションが少ない」

自分が喋るだけの講義のような授業をしている、授業の合間の休憩時間に学習者との会話や交流がないなどの場合によく見られるコメントです。

休憩時間のコミュニケーションについては、性格的なことなので何とも言えませんが、学習者とのコミュニケーションは、信頼関係を築くうえでも必要なことなので、適度なコミュニケーションによって授業がやりやすくなり、学習者もついてきやすくなるのは間違いありません。

学習者とのコミュニケーションのコツはこちら↓

第7位

「教科書の内容しかやらない、つまらない」

真面目な性格の、「ザ・先生」みたいな教師と、準備不足の教師によく見られるコメントです。

真面目なのはもちろん悪いことではありません…が、教科書の内容をやるだけならそもそも高い学費を払って日本語学校の授業を受ける価値はないですし、適度なユーモアや、横道に逸れた雑談、面白い導入や例文、練習などは学習者の集中力を維持するためにも、興味を惹きつけるためにも、信頼関係を築くためにも必要ということだと思います。

また、教科書を読むだけ、教科書の情報以外は教えてくれない、などは準備不足が原因の場合もありますね。

第6位

「説明が詳しすぎる/長すぎる」

熱心すぎる、教えたいという気持ちが強すぎる教師によく寄せられるコメントという印象があります。

たくさん情報を把握しておくのは授業をする上で大切なことですが、

「せっかく準備したから全部説明したい」「これも知ってほしい」という気持ちが強すぎると、学習者も疲れてしまいます。

また、説明がうまくいかず、同じような説明を何回も繰り返しているようなタイプの教師にもこのようなコメントが来ることがあります。

説明は短く、ルール化して、簡潔にすること、そして学習者の日本語レベルに応じて、説明することとしないことを取捨選択していくことが大切です。

簡潔なルール説明のコツはこちら↓

第5位

「優しすぎる、クラスのコントロールができない」

優しいだけでは学習者はついてこないということを示すコメントかと思います。

特に真面目な学習者は、同じクラスにいる、不真面目な学習者の指導を教師がしっかりしているかをよく見ています。

たとえば授業中にスマホでゲームをしている人や、私語が多い人を注意し、授業がスムーズに進むようにコントロールできているか、などです。

そういう学習者のせいで授業が止まってしまったり、説明が聞こえなかったり、授業に集中できなかったりすることを、真面目な学習者は嫌うからです。

授業中は特に、ある程度の厳しさは必要ですし、厳しい教師には、「厳しいけどいい先生」、「授業中にちゃんと学習者に注意している」などの良いコメントがよく書かれています。

第4位

「分かりにくい」

これは、授業を改善するしかありません。

Goodコメントの方でも書きましたが、「説明が分かりやすい」というのは教師として授業というサービスを提供するなら大前提として備えておくべき力です。

多くの場合は説明に未習語彙が多く含まれていたり、導入の場面設定がよく分からなかったり、文法や語彙の分析とルール化が不十分だったりすることが原因でしょう。

頻出度では4位になりましたが、経験をある程度積んでいるなら、書かれるのは最も避けたいコメントです。教師として前提となる力が不足しているということなので、すぐに改善が必要です。

反対に経験が浅いうちは、これを書かれるのはそれほど珍しいことではないです。
なぜ分かりにくいか、どこが分かりにくいのかを自己分析して、早めに改善していけば問題ないと思います。

分かりやすい説明のポイントはこちら↓

第3位

「授業時間を守ってほしい」

自分が学生だったときのことを思い出してみてほしいのですが、授業の終わりのチャイムが鳴っても、授業を続ける先生っていましたよね。

大学生、高校生の方は今通っている学校にもそういう先生はいるでしょう。

私も学生時代、授業の時間を守らない先生は嫌いでした。

授業時間を考えながら時間配分をしていくのも、教師の仕事です。

特にその日の最後のコマは、学習者は余計に敏感になる傾向があるので、注意が必要です。

それ以外のコマの場合は、2分以内ぐらいに終われば、特に問題はないと思います。

毎回のように頻繁にやっていたらダメですが。

そしていつも基本的に時間通りで、分かりやすくしっかりとした授業をしていれば、大事なことを伝えるためにやむを得ず時間を少し延ばしても、このようなコメントを書くほど不満を持たれることはほぼありません。

第2位

「ちゃんと授業の準備していない」

授業に慣れてくると、甘えとおごりが出てくる人は結構多いです。

2~4年目ぐらいにこの状態に陥ってしまった人は、その後もずっと授業準備(文法や語彙の分析・予習、オリジナルの活動の準備など)をちゃんとやらなくなる人が多い印象です。

でもこれって、学習者には必ず伝わります。

ちゃんと準備をしている教師とそうでない教師では、導入や練習、説明の質、量、濃度が全く異なるからです。

授業準備は日本語教師にとって最も時間がかかる部分ではありますが、ここを怠ると授業はうまくならないし、学習者からの信頼を得ることはできません

これはどんな教科書を使っていても同じです。

また、教卓の前でガサゴソとプリントを探したり、見せる写真や絵を間違えたり、配布プリントをコピーし忘れていたりする場合も、何度もそれを繰り返してしまうと、学習者は「この先生大丈夫かな」と思うようです。

知識もモノも、授業準備はしっかりやりましょう。

授業準備の短縮のコツはこちら↓

第1位

「話すスピードが速い/遅い」

(コメントの出現頻度)第1位は話すスピードについてのコメントでした。

「話すスピードが速い」というのは、初級~上級まで、全てのレベルでよく目にするコメントです。

できるだけ未習語彙を使わずに話す、というのは日本語授業の基本ですが、それだけではなく、レベルに合ったスピードで話すことは大切ですね。

初級では、短い文で話すこと、また、重要な部分や指示は2回繰り返して言うなどのテクニックも併せて使うことで、このようなコメントは減らせると思います。

もともと(性格的に)話すスピードが留学生向けではない人や、上級→初級など、上のレベルを教えていて、そのあとで下のレベルの授業を初めて担当した人などによく見られます。

反対に「話すスピードが遅い」というのは、「速い」というコメントよりは少ないです。

「遅い」コメントは中・上級のクラスで見られるコメントで、初級の授業を担当してきた人などが初めて中・上級クラスを担当するときに、初級の学習者向けのスピードで話してしまい、「そんなに遅くなくても分かる…」と思われてしまう場合が多いようです。

いかがでしたか。

学習者からの授業評価を既に受けている人は、ご自身がもらったコメントと同じものはありましたか?

まだ受けたことがないという人は、自分に当てはまりそうなものがあれば、このようなコメントを実際にもらわないように、授業の改善に役立ててもらえれば嬉しいです。

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