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日本語教師の国家資格「登録日本語教員」の資格取得ルート、経過措置の最新情報を解説!

日本語教師の国家資格について解説

日本語教師の新しい国家資格「登録日本語教員」について知りたいです。

どうすれば資格が取れるのでしょうか。

2023年5月に日本語教育機関認定法が成立し、2024年4月に同法が施行されたことに伴い、日本語教師の新しい国家資格「登録日本語教員」が創設されました。

この記事では、この「登録日本語教員」の資格取得ルートや費用、現職者向けの経過措置等について、詳しく解説します。

こんな人にオススメ!

✓登録日本語教員の資格や制度はいつから始まるの?
✓登録日本語教員になるには何が必要なの?
✓どんな資格取得ルートがあるか知りたい!
✓現職日本語教師の経過措置について知りたい!

0. 現行の日本語教師資格を確認

新しい国家資格について見る前に、まずは現行の日本語教師資格を確認しておきましょう。

とは言っても、現行制度では、日本語教師であることを証明する公的な資格はありません。

オンラインで教えたり、個人で教えたりする場合は、「私は日本語教師です」と名乗ったその日から日本語教師として働けます。

ただし、法務省が管轄し、一定の質が確認された日本語教育機関、通称「法務省告示校」(以下「告示校」)で働くためには、以下の3つのうちいずれかの資格が必要です。

①4年制大学卒業(学士学位)+文化庁届出受理の日本語教師養成課程(420時間)修了
②大学で日本語教育に関する教育課程を修了(主専攻を修了、または副専攻科目を26単位以上取得)
③公益財団法人日本国際教育支援協会が2023年までに実施した日本語教育能力検定試験に合格

現行の日本語教師資格と言えば、通常はこの3つの資格を指します。

また、告示校以外でも、同様の資格が求められることもあります。

ただ、いずれにしても、現行制度では、このどれか1つを満たしていればOKであることがほとんどです。

なお、大学等の高等教育機関で働く場合は、修士以上の学位や、研究業績が求められることが多くなっています。

1. 登録日本語教員ってどんな資格?

登録日本語教員とは、「認定日本語教育機関」で日本語教師として働く人は取らなければならない国家資格です。

日本語教育が適切に行われ、外国人が日本での生活を円滑に行えるようにすることなどを目的とし、2023年5月に日本語教育機関認定法が可決されました。

この法律は、2024年4月1日に施行されています。

それに伴い、これまで法務省が担当していた日本語教育機関の審査・認定業務は文科省に移っています。

文科省は、日本語教育機関に対する審査を新たに行い、一定の要件を満たす機関に「認定日本語教育機関」としての認可を出します。

日本語教育機関が認定を取ることは必須ではありませんが、これまで告示校として行ってきた留学生の受け入れを続けるためには、認定日本語教育機関として認定を受ける必要があります

そして、認定日本語教育機関で働く日本語教師は、登録日本語教員でなければならないという規定があります(日本語教育機関認定法の第七条)。

つまり、告示校での勤務を維持するため、また留学生を受け入れる日本語学校等で日本語教師として働くためには、登録日本語教員の資格が必須ということになります。

ただし、認定日本語教育機関の審査・認定は、2024年から行われるため、実際に認可された認定日本語教育機関が開講するのは、2025年4月以降です。

また、後で解説する経過措置期間は5年間設けられているため、現行資格がある人は、2029年3月までは、この資格を取らなくても告示校や認定日本語教育機関で働けます

それと、この資格は、あくまで「認定日本語教育機関で日本語教師として働く人に必要な」資格です。

したがって、オンライン日本語教師や、企業で日本語を教える人などの場合は、この資格の取得は特に必要ありません。

2. 登録日本語教員になるには、何が必要?

登録日本語教員になるためには、以下の2つのハードルをクリアする必要があります。

①日本語教員試験(基礎試験、応用試験)の合格
②実践研修の修了

日本語教員試験とは、登録日本語教員の資格のために創設される新しい試験です。

日本語教育能力検定試験とは全くの別物として扱われます。

この試験は、基礎試験と応用試験の2つの試験で構成されています。
登録日本語教員になるには、この2つの試験にそれぞれ合格する必要があります。

第1回の日本語教員試験は、11月17日(日)に行われます

日本語教員試験について詳しく知りたい方はこちら↓

実践研修とは、これまでの日本語教師養成課程の中で行われてきた「教育実習」の内容を踏襲した研修です。

実際に外国人を相手に日本語を教える実習が含まれます。

この2つの課題をクリアした人は、登録日本語教員の登録を受けられます

実践研修について詳しく知りたい方はこちら↓

3. 登録日本語教員の資格取得ルート

(文科省HPより引用)

登録日本語教員の資格を取得するには、大きく分けて以下の2つのルートがあります。

①試験ルート
②養成機関ルート

それぞれのルートについて解説します。

(1)試験ルート

試験ルートは、何も免除を受けずに資格取得を目指すルートです。

上のセクションで述べた通り、2つの日本語教員試験の合格と、実践研修の修了が必要になります。

(2)養成機関ルート

もう1つは、日本語教員試験を受ける前に、まず「登録日本語教員養成機関」の課程を受講する「養成機関ルート」です。

登録日本語教員養成機関とは、これまでの日本語教師養成課程のうち、教育実習を除いた部分を担う機関です。

こちらも、2024年から、文科省による審査・認可が始まります。

登録日本語教員養成機関について詳しく知りたい方はこちら↓

認可を受けた機関の課程を修了すると、日本語教員試験の基礎試験が免除になります。

これが試験ルートとの最大の違いです。

登録日本語教員養成機関の課程を修了した人は、日本語教員試験の応用試験に合格し、実践研修を修了すれば、登録日本語教員への道が開けます。

なお、養成機関ルートは2つのパターンがあります。

1つは、実践研修を、日本語教員試験の受験前に、登録日本語教員養成機関の課程と一体的に受講するパターン(左側)です。

これまでの日本語教師養成課程と近い形で受講できます。

もう1つは、実践研修を日本語教員試験の合格後に受講するパターンです(真ん中)。

つまり、2つのルートの違いは、実践研修を受ける時期の違いです。

なお、現行制度(法務省告示校で働く資格、詳しくはこちら)の場合、保有する資格が「日本語教師養成課程の修了」のみの人は学士以上の学位が必要でした。

しかし、新制度ではこの学歴条項が撤廃され、国籍・母語・年齢等による制限もないので、より幅広い層が資格取得にチャレンジできるようになります。

4. 現職日本語教師向けの経過措置はある?

ここまでを読んで、

「え、待って。じゃあ現役の人も、この試験と研修を受けないと日本語教師として働けなくなるの?」

と思った方もいると思いますが、この制度には、現職の日本語教師や、日本語教師養成講座を受講中の人のための経過措置(移行期間)も用意されています。

(1)経過措置が認められる期間

告示校の現行資格を持つ人は、法律の施行から5年間(2029年3月31日まで)は、登録日本語教員の資格を取らなくても、告示校や認定日本語教育機関で働けます(例外や条件あり)。

そのため、すぐに資格を取得しなければ日本語教師として働けなくなるということはありません。

(2)現職者向けの経過措置ルート

経過措置期間中であれば、現職者や日本語教師養成講座を受講中の人は、特別なルートで登録日本語教員の資格が取得できます。

経過措置には、CからFまで、6つのルートがあります。

各ルートを通れる人を簡単にまとめると、以下のようになります。

Cルート… 新しい日本語教師養成課程の修了者(経験不問)
Dルート … ちょっと古い日本語教師養成課程の修了者(現職者のみ)
Eルート… 日本語教育能力検定試験の合格者(現職者のみ)
Fルート… それ以外の現職者

なお、ここで言う現職者とは、文科省の「登録日本語教員の登録申請の手引き(以下「手引き」)」に記載されている以下の条件に該当する人のことを指します。

現職者(現職日本語教師)とは…

①平成31(2019)年4月1日〜令和11(2029)年3月31日の間に法務省告示機関、国内の大学、認定日本語教育機関、文部科学大臣が指定する機関で日本語教員として1年以上勤務した者
②1年以上の勤務とは、当該機関において1年以上雇用期間があり、平均して週1回以上、日本語教育課程の授業を担当していた場合を指す(無報酬でも可)
③ただし、主任教員として日本語教育課程の編成や管理の業務を主たる業務としていた場合には、それ以下でも経験に含めることができる
④複数の機関での経験を合計して1年以上となる場合でもOK

これを理解した上で経過措置ルートを見ていきましょう。

(文科省HPより引用)

Cルート(必須50項目対応済の養成課程修了)

このルートは、日本語教師養成における最新の教育内容の基準である「必須50項目」に対応済の課程を修了した人が通れるルートです。

対象となる課程は、文化庁により発表されているこちらの資料を確認してください。

このリストにある機関の課程を、記載されている期間中に修了した人は、このルートが通れます。

Cルートは、現職者かどうかが問われません。

他のルートとの大きな違いはここです。

ただし、このルートを通るためには、学士以上の学位が必須となります。

Cルートは、正規の養成機関ルート(左)と同様、日本語教員試験の基礎試験が免除になり、実践研修(教育実習)は元々養成課程の中に含まれています。

そのため、修了後は、応用試験に合格すれば、登録日本語教員の登録申請の要件が満たせます。

なお、このCルートのみ、経過措置は2033年3月までの9年間となっています。

D1ルート(平成12年報告対応済の養成課程修了)

このルートは、「平成12年報告」と呼ばれる、2番目に新しい日本語教師養成の教育内容の基準に対応した養成課程の修了者が通れます。

文化庁から発表されているこちらのリストに記載の課程が対象となります。

このルートは、現職者しか通れません。また、学士以上の学位も必要です。

D1ルートは、基本的にCルートと同様の免除が受けられます。

ただし、そのためには経験者講習を受ける必要があります。

経験者講習(現職者向け講習)とは…

経過措置D、Eルートを通る現職者は、免除等を受けるために「経験者講習」を受講し、修了する必要があります。
講習には、ⅠとⅡの2種類があります。

・D1、またはE2ルートを通る場合… 講習Ⅱのみ
・D2、またはE1ルートを通る場合… 講習Ⅰ・Ⅱ

の受講が必要です。

■講習Ⅰ…
・平成12年報告(必須50項目の前身)から追加された「社会・文化・地域」と「言語と心理」の2区分の内容が中心
・90分の5コマ+講習修了認定試験(50問)

■講習Ⅱ…
・必須50項目から追加されたICTや著作権、また、入管法改正や「日本語教育の参照枠」など最近の状況変化に関する知識が中心
・90分の10コマ+講習修了認定試験(100問)

この研修はどちらもオンデマンド形式で行われ、経過措置期間中は、任意のタイミングで受講できます(修了に関する条件あり。手引き、よくある質問集参照)。

試験合格者には修了証明書が発行されます。

講習修了認定試験は、おそらく講習の内容を確認する程度の試験で、あまり難易度は高くないことが予想されます。

講習の受講料は、以下の通りとなっています。
講習Ⅰ… 8,800円
講習Ⅱ… 17,600円

両方受講する場合は、26,400円です。
講習は2024年の夏頃から受講可能になる予定です。

D2ルート(C、D1対象外の養成課程修了)

CやD1ルートに該当しない日本語教師養成課程の修了者は、D2ルートが通れます。

このルートは、D1と同様、現職者条件と学士以上の学位が必要です。

D2ルートも、CやD1と同様、基礎試験と実践研修が免除になります。

ただし、経験者講習のⅠとⅡを両方受講する必要があります。

E1ルート(2002年までの検定合格)

このルートは、1987年~2002年の間に行われた日本語教育能力検定試験の合格者が通れるルートです。

現職者条件は必須ですが、学士以上の学位は不要です。

このルートの選択者は、経験者講習のⅠとⅡを修了することによって、日本語教員試験の基礎試験、応用試験、そして実践研修の全てが免除されます

E2ルート(2003~2023年の検定合格)

2003年~2023年の間に行われた日本語教育能力検定試験の合格者が通れるのがこのE2ルートです。

E1と同様、現職者条件は必須で、学士以上の学位は不要です。

E2ルートの場合、講習Ⅱを修了するだけで全ての免除が受けられます。

検定に合格した年度の違いによって、受講が必要な講習の数が変わってくるということですね。

なお、2024年以降の日本語教育能力検定試験は、この対象とならないので注意してください。

Fルート(その他の現職日本語教師)

C~Eルートのいずれにも該当しない現職者は、このFルートが通れます。

Fルートを通るために満たす必要があるのは現職者条件だけで、学士以上の学位は不要です。

このルートは実践研修のみ免除となり、2つの日本語教員試験は受験・合格が必須となっています。

5. 登録日本語教員になるために必要な費用

登録日本語教員になるために必要な試験や研修は有料です。

また、登録日本語教員として登録を受けるためには、4,400円の登録料が必要です。

以下にルートごとに必要な費用をまとめたので、参考にしてみてください。

正規養成機関ルート… 21,700円+養成課程受講料
正規試験ルート  … 74,200円
経過措置ルート  … 20,000~50,000円程度

養成課程の受講料は、現行の講座と同程度であれば、40万~70万位が相場です。

ただし、教育実習部分が抜けることになるので、その分少し安くなる可能性はあります。

一体的に受講する場合は、現行講座と大差ないでしょう。

なお、実践研修の50,900円というのは、国が実施した場合です。

今後認可されることになる「登録実践研修機関」が実施する場合、機関によって料金が変わってくるので、注意が必要です。

日本語教員試験の受験料について詳しく知りたい方はこちら↓

6. 登録日本語教員の資格取得に係るスケジュールは?

登録日本語教員に係る今後のスケジュールを確認しておきましょう。

手引きに掲載されている以下の図をご覧ください。

(文科省HPより引用)

まず、2024年3月に、経過措置C及びD1ルートの対象となる日本語教師養成課程が、こちらのページで発表されています。
なお、現在追加募集が行われているため、今後対象課程が増える可能性が高そうです。

4月には日本語教育機関認定法ポータルがオープンしています。
登録日本語教員の登録申請は、こちらのサイトから行うことになります。

このサイトは、日本語教師を目指す人、日本語学習者、日本への留学予定者などに、日本語教育に関するあらゆる情報を発信する多言語情報サイトです。
認定日本語教育機関や登録日本語教員養成機関などの一覧、登録日本語教員の情報、日本語教師や日本語学習者向けのコンテンツなどが盛り込まれる予定です。

夏ごろには日本語教員試験の受験申し込みと、経験者講習(現職者向け講習)が始まります。

11月17日(日)には、第1回の日本語教員試験が行われる予定です。
冬頃に合格発表とありますが、日本語教員試験は試験が2つあるため、その辺りのスケジュールがどうなるのか、注視しておく必要があります。

そして2024年末~2025年はじめ頃には、第1期の登録日本語教員の登録申請の受付が始まります。
最も早いグループは、2024年度中には、登録日本語教員の登録を受けられる予定です。

7. 登録日本語教員の登録申請の方法は?

登録日本語教員の登録申請の方法は、同じく手引きから図を引用します。

(文科省HPより引用)

この図を簡単にまとめると、以下のような流れになります。

①ポータルサイトでアカウントを作成
②申請ページで情報を入力
③登録手数料(4,400円)を支払い
④印刷した申請書と、必要な証明書類を郵送
⑤文科省による提出書類の確認
⑥登録日本語教員の登録証の交付

必要書類は、登録日本語教員の要件を満たしたルート、経過措置の利用の有無などによって異なります。

具体的には、日本語教員試験や日本語教育能力検定試験の合格証、日本語教育機関の在職証明書、養成課程の修了証などです。

詳しくは手引きをご確認ください。

8. 登録日本語教員になるメリットは?給料は上がる?

先に述べたとおり、国内の認定日本語教育機関で日本語教師として働きたい人は、いずれこの国家資格が必要になるので、メリットがあってもなくてもこの資格を取らなければなりません。

では認定日本語教育機関で働けること以外にメリットがあるのかというと、それは正直微妙なところです。

強いてメリットを挙げるなら、この登録日本語教員は国家資格となるため、従来の日本語教師よりも資格の専門性等が認められやすくなり、その結果として社会的地位が向上したり、認知度が上がったりすることが挙げられるでしょう。

ただ、今のところ、それによって日本語教師の待遇(給料)が大きく改善する未来は(僕には)あまり見えません。

日本語教師になるためのハードルが上がるだけで、現行資格との差別化が図れるかどうかと言えば、疑問が残ります。

制度が始まり、登録日本語教員の認知度が上がれば、認定日本語教育機関以外でもこの資格を持つ人が求められたり、従来の日本語教師資格を持つ人と給料等の面で差別化が図られたりする可能性もあります。

ただ、この制度によって日本語教師になる人が減ってしまい、現役日本語教師は給料が上がらないのに、更なる負担を強いられる結果になってしまう可能性もあると思います。

日本の公教育や企業、海外で日本語教師経験を積んできた人たちが、経過措置の恩恵を何一つ受けられないというのも、イマイチ理解できないところです。

9. いつから登録日本語教員を目指すのがベスト?

「じゃあ、いつから日本語教師を目指すのがベストなの?」

という疑問を持つ人も多いと思います。

結論から言えば、これは「いつでもいい」というのが答えです。

経過措置等が用意されているおかげで、現行の日本語教師養成講座の受講が無駄になることはありません

また、養成講座の受講時期や、日本語教員試験の受験時期によって難易度が変わる可能性も考えにくいです。

しかも経過措置(移行期間)は5年間あります(Cルートの場合9年間)。

だから、自分のタイミングに合わせて、登録日本語教員になるための準備を始めれば特に問題はありません。

なお、ゼロから始めて最速で登録日本語教員になる方法は、以下の2つです。

①2024年に正規の試験ルートで日本語教員試験に合格して実践研修を修了する
②2025年3月までに現行の養成課程(Cルート対象)を修了し、2024年の応用試験に合格する

この2つのルートであれば、2024年度内に登録日本語教員の登録が受けられます。

なお、登録日本語教員を目指すのは「いつでもいい」と言いましたが、「どんな人が」「いつから」行動を始めるかによって、いくつか注意点があるので、以下を参考にしてみてください。

(1)未経験者がこれから養成課程の受講を始める場合

これから養成課程の受講を始める人は、必ず経過措置Cルートの対象になっている講座を受講するようにしてください。

もし受講した講座がCルートの対象でなければ、D1やD2ルートを通ることになるため「現職者」の要件も必要になるからです。

そうなると、講座の修了後、さらに1年間日本語教育機関で働かなければ、登録日本語教員の資格が取れなくなります

なお、日本語教員試験は、一定の条件はあるものの、養成課程を「修了見込み」でも受験できることは覚えておきましょう(諸条件あり、手引き、よくある質問集参照)。

(2)未経験者ですでに養成課程を修了した場合

すでに養成課程を修了したが、まだ日本語教師の経験がないという人は、経過措置のCルートを通れるかどうかで判断しましょう。

Cルートが通れる場合は、必要なのは日本語教員試験の応用試験の合格だけなので、それに向けて準備を進めることをお勧めします。

その間に日本語教師経験を積めればさらに◎です。

修了した課程がCルートの対象でない場合は、告示校や国内の大学等で1年の経験を積んでから登録日本語教員を目指すことをお勧めします。

そうすることによって、養成課程の修了を無駄にせず、経過措置ルート(D1またはD2)が通れるようになります。

スピードを重視するなら、2024年の試験ルートを目指しましょう。

なお、現職者として認められるためには「法務省告示校、国内の大学(条件あり、手引き参照)、認定日本語教育機関、文部科学大臣が指定する機関」で、平均週1回以上、1年間働いた経験が必要です。 対象外とならないよう注意しましょう。

(3)未経験で既に日本語教育能力検定試験に合格している場合

この場合も、(2)のD1,D2ルート対象者と同様に、というか寧ろさらに強く、対象となる機関で1年間の日本語教師経験を積むことをお勧めします。

すでに検定に合格していて、日本語教師経験がない人は、平成15年(2003年)以降に合格した人がほとんどだと思います。

そのため、1年間、週1回の日本語教師経験を積むだけでE2ルートを通ることが可能になり、実質的に全フローの免除が受けられるので、これを活かさない手はないと思います。

ただし、経過措置E2ルートの対象となるのは、2023年の日本語教育能力検定試験までです。

2024年以降の日本語教育能力検定試験は経過措置の対象とならないので注意してください。

(4)現職者の要件を満たす場合

これは5年間の経過措置の間に考えれば良いと思います。

現職者で2023年の日本語教育能力検定試験を受けた人は、最も簡単なE2ルートが開けるので、素晴らしい判断だったと思います。

ただ、2024年以降の検定を受けても経過措置対象にはならないし、それ以外の経過措置条件はすぐに満たせるものではありません。

だから、5年の間に自分の今後の生活やキャリアプランを考えた上で、「なりたいときになる」のがベストだと個人的には思います。

資格取得時期によって給料が大きく変わるということも想定しにくいです。

5年間働いたら告示校や認定日本語教育機関でのキャリアは終えるという人も少なくないでしょう。

10. まとめ、参考資料

いかがでしたか。

2024年4月に始まった日本語教師の国家資格「登録日本語教員」や、それに係る制度について、最新情報を解説しました。

日本語教師を目指す人や、現役日本語教師の皆さまの参考になれば幸いです。

このブログでは、今後もこの制度の最新情報を追っていきます。

更新があれば随時X(Twitter)でお知らせしていくので、まだの方はぜひフォローしてお待ちください。

登録日本語教員に関するその他の情報はこちら↓

なお、この記事の内容は、下記の政府発表資料に基づいて作成した、更新日時点での最新情報です。

より詳しい情報が必要な方は、参考にしてみてください。

【法律関係】
日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律
日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律施行令
日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律施行規則
認定日本語教育機関認定基準

【その他資料】
登録日本語教員の登録申請の手引き
日本語教育機関認定法よくある質問集
日本語教育機関認定法今後のスケジュール(予定)

【文化庁HP】
日本語教育|文化庁
文化審議会国語分科会|文化庁
日本語教育小委員会|文化庁

【文科省HP】
日本語教育|文科省

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コメント

  1. 葛西順子 より:

    E1,E2ルートを通る場合、日本語教員試験が免除であるにもかかわらず、5900円の費用がかかるのはどうしてですか?

    • 両方免除ではあるものの、一応受験して(両方免除になって)合格するというプロセスが必要なようです。
      そのために、受験料として5,900円が必要みたいです。

      • 葛西順子 より:

        情報のご提供、ありがとうございました。よくわかりました。今後ともよろしくお願いいたします。

  2. 大山 美宏 より:

    情報提供ありがとうございます。告示校で現職1年以上で、必須の50項目に対応した養成課程を修了し、日本語教育能力検定試験にも合格した人は講習Ⅰ、講習Ⅱおよび認定試験の全てが免除されると考えてよいでしょうか?

    • コメントありがとうございます。これについては文化庁に確認したところ、CかEルートのどちらかを選んでくださいとのことでした。
      よって講習も含めた全てが免除されるルートはないと思います。ご参考まで。

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