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【日本語教員試験】新試験の日程、出題範囲、難易度等の最新情報を徹底解説!

国家資格「登録日本語教員」になるための日本語教員試験

日本語教師の国家資格化に伴い、新しい試験が始まると聞きました。

詳しい内容を教えてください。

日本語教師の新たな国家資格「登録日本語教員」が2024年4月に創設されることになりました。

それに伴い、国家資格取得のための新試験「日本語教員試験」が始まります。

この記事では、この試験に関する最新情報をお届けします。

※この記事の内容は、下記の資料に基づいて作成した、2023年7月時点の最新情報です。

・「日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律」(日本語教育機関認定法)
・その他文化庁文化審議会国語分科会日本語教育小委員会、ワーキンググループの各資料
「日本語教育機関認定法 今後のスケジュール案(令和5年6月時点)」
「認定日本語教育機関に関する省令等の案について」
「登録実践研修機関・登録日本語教員養成機関に関する省令等の案について」
「令和5年度日本語教員試験試行試験実施概要(案)」など

こんな人にオススメ!

✔️登録日本語教員の国家資格が取りたい!
✔️日本語教員試験を受験したい!
✔️日本語教師の新試験について詳しく知りたい!

1. 日本語教員試験の概要

日本語教員試験とは、日本語教師の新資格「登録日本語教員」を取得するために必須となる試験です。

2024年4月から、日本語教師や日本語教育機関を認定する新たな制度が始まることになっています。

この新制度が始まると、留学生を受け入れる「認定日本語教育機関」で働くためには、「登録日本語教員」の資格が必須となります。

その資格取得のためには、ほとんどの場合この「日本語教員試験」の合格が必要になります。

「登録日本語教員」の資格取得フローや条件等を詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

日本語教員試験は、筆記試験①(基礎試験、以下「試験①」)と筆記試験②(応用試験、以下「試験②」)の2部構成です。

・試験①は、日本語教育を行うために必要な基礎的な知識や技能の有無を確認する試験
・試験②は、その知識や技能を応用する力(課題解決や現場対応力)の有無を確認する試験

となっています。

日本語教師として、合格者が一定の専門性を持っていることを証明するための試験と位置付けられています。

2. 試験の日程、会場、試験時間

日本語教員試験は、1年に1回以上、全国各地で実施されることになっています。

現時点では、1年に何回行われるかは未定ですが、2023年の12月10日(日)に仙台、東京、名古屋、大阪、福岡の5か所で試行試験が行われ2024年の秋ごろに第1回の本試験が行われる予定になっています。

ちなみに、法務省告示校で日本語教師として働くための現行資格の1つである「日本語教育能力検定試験」は、1年に1回、毎年10月に行われています。

新試験は、より多くの人に日本語教師(登録日本語教員)になる機会を提供するため、複数回の実施が検討されています。

ただ、試験の実施回数や開催場所は段階的に増やすという方針が出されているため、最初のうちは1年に1回しか実施されない可能性もあります。

ここに関しては現在も協議が行われており、委員会のメンバーからも、複数回の実施が望ましいという意見が多く出されています。

なお、文科省が指定する要件を満たした機関は「指定試験機関」となり、文科省の代わりに試験を行うことができるとされています。指定試験機関の指定は、2024年春ごろの予定です。

また、今後の検討課題としてCBT化(パソコンで試験を受ける形)も挙げられています。

試験の時間や日程については、2023年6月時点では未定です。

ちなみに、12/10(日)に行われる試行試験は、下記の内容が決定しています。

試験の種類試験時間問題数配点・満点
試験①(基礎試験)120分100問1問1点・100点
試験②(応用試験)音声45分
文章題120分
音声50問
文章題60問
1問2点・220点
※試験②は間に45分の休憩あり

本試験もこの試行試験を参考に作られるとのことなので、これに近い形になる可能性が高そうです。

3. 受験料、申込方法、受験資格

この試験の受験資格は、特段設けられないことになっています。

学歴や年齢、国籍等の要件も規定されない可能性が高く、外国人も含め、幅広い層がチャレンジできることになりそうです。

受験料は、現時点では未定です。

ただし、2023年5月に成立した日本語教育機関認定法では

「日本語教員試験を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を国に納付しなければならない」(第25条)

と明記されているので、有料となることは決定しています。

申し込みの方法やフローは、現時点では未定ですが、来年の5月以降になりそうです。

オンライン申し込みができるようにしてほしいですね。

4. 試験の形式、出題範囲

試験の出題範囲は、平成31年の「日本語教育人材の養成・研修の在り方について(報告)改定版」で規定されている50項目の「必須の教育内容」(以下「必須の教育内容50項目」)に基づくとされています(下記画像)。

文化庁HPより

日本語教育に関わる分野からその周辺知識まで広範囲となっているので、独学で合格するにはかなりの努力が必要となるでしょう。

ただし、分野別、対象者別(留学生・生活者・就労者など)に必要な細かな知識や、より高度な知識については出題される可能性が低そうです。

出題形式は、試験①、試験②とも、多肢選択式です。

恐らくマーク式になるでしょう。

現時点では記述式問題の出題は明記されていませんが、「問題解決能力を測る記述式問題」については今後検討していくとされているので、応用知識を問う試験②の方には、今後記述式問題が設定される可能性があります。

ただ、登録日本語教員になるためには試験とは別に教育実習(実践研修)を受ける必要があること、日本語教師不足の現状があること等、記述問題の導入に対してやや後ろ向きな内容が報告されているため、その可能性はあまり高くなさそうです。

そのほかには、

・質を維持するために継続的に問題を検証、蓄積すること
・指定された日本語教師養成機関を適切に修了した者が合格できる内容にすること

などが試験作成・運営における必要事項として挙げられています。

5. 試験に出題される内容

このセクションでは、日本語教員試験に出題される内容について解説します。

(1)試験①(基礎試験)の試験内容

必須の教育内容50項目に基づいて、日本語教育を行うための基礎的な知識・技能を問う問題が出題されます。

試験①は原則として、出題範囲の5区分ごとの設問により、日本語教育の実践につながる基礎的な知識及び技能を測定するもの、となっています。

5区分というのはセクション4で引用した画像にある

①「社会・文化・地域」
②「言語と社会」
③「言語と心理」
④「言語と教育」
⑤「言語」

のことです。

試行試験の試験①では、その項目から、以下のような割合で出題されることが公表されています。

区分出題割合
社会・文化・地域 約1割 
言語と社会 約1割 
言語と心理 約1割 
言語と教育
(教育実習除く)
 約4割 
言語 約3割 

概ね上記必須の教育内容50項目の量に沿った出題割合となっています。本試験もこれに近い形になることはほぼ間違い無いでしょう。

(2)試験②(応用試験)の試験内容

必須の教育内容50項目に基づいて、日本語教育を行うための基礎的な知識・技能を応用する力を問う問題が出題されます。

以前の報告では、「現場対応や問題解決能力を測る」旨の記述がありました。

試験②では、出題範囲が必須の教育内容50項目の複数の領域にまたがる問題が出題されます。

また、基礎的な知識及び技能を活用した問題解決能力(応用)について、音声を媒体とした問題も出題されると書かれています。

試行試験の試験②では、日本語学習者の発話や教室での教師とのやりとりなどの音声を用いて、より実際の教育実践に即した問題が出題されるとのことです。

恐らく現行の日本語教育能力検定試験と同様の、日本語の音声、発音、学習者の誤用等に関する問題が含まれると思います。

6. 試験が免除される条件は?

最初に述べたとおり、登録日本語教員になるためには、基本的にこの日本語教員試験の受験と合格が必須です。

ただし、以下の条件を満たす人は、この試験の一部免除を受けることができます。

(1)文科省が指定する日本語教師養成機関の課程を修了した人

文科省が指定する日本語教師養成機関の所定の課程を修了した人は、試験①が免除されます。

大学の主専攻や副専攻、民間の日本語教師養成講座がこれに当たります。

ただし、状況によって免除の条件が異なるので注意が必要です。

【A】文科省に(新制度開始後)新たに指定される養成機関を修了
→無条件で免除
【B】必須の教育内容50項目を踏まえた現行課程を修了
→経過措置期間中(制度開始の2024年4月から5年間の予定)のみ、無条件で免除
【C】必須の教育内容50項目を踏まえていない講座を修了
→経過措置期間中のみ、講習の受講及び講習修了認定試験の合格を以って免除

特に【C】の場合は無条件で免除されるわけではなく、講習の受講と、その講習の修了を認定する試験の合格が必要になるので、覚えておきましょう。

試験②(応用試験)については、どの場合も受験が必須となります。

(2)現職日本語教師で、一定の条件を満たす民間試験に合格している人

現職日本語教師で、一定の条件を満たす民間試験に合格している人は、上記【C】と同様に講習を受けることで試験①が免除され、さらに試験②は講習等なしで免除されます

この「一定の条件を満たす民間試験」は、昭和62年~令和5年の間に行われた日本語教育能力検定試験になることが濃厚です。

なお、この(2)の場合に関しても、試験の免除が認められるのは経過措置期間中のみになります。

この経過措置の内容や条件について詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。

7. 試験の結果発表、合格基準、合格率は?

結果発表の日程は、現時点で未定ですが、試験が2024年秋ごろ、登録日本語教員の登録が2024年度内と文化庁より案が示されています。

ちなみに現行の日本語教育能力検定試験は、10月に試験が行われ、結果は12月に発表されます。

新試験の合否判定は、試験①、試験②のそれぞれで行われます

試験①の合格者(と免除者)のみが試験②を受けられる形式になることが濃厚です。

なお、試験①の合格は、次年度以降(いつまでかは不明)に持ち越せる可能性が高く、つまり、今年試験①に合格して、試験②に落ちても、来年試験②だけ受験する、ということが可能になるのではないかと思います。

合格基準や点数に関しても、現時点では決まっていません

ただし、2023年12月に行われる試行試験では、以下のような参考の合格基準が設けられることになっています。

試験区分条件①条件②
試験①
(基礎試験)
出題範囲5区分で
それぞれ7割程度以上
総合得点が
8割程度以上
試験②
(応用試験)
総合得点が
6割程度以上

本試験の基準は、この試行試験の結果を参考に、専門家の意見等を交えながら新たに検討されます。

8. おすすめの問題集、過去問は?

現時点では正直言って分かりませんが、基本的には必須の教育内容50項目に対応後の日本語教育能力検定試験の過去問や問題集が参考になると思います(最新のものはほとんどが対応しています)。

今すぐにでも勉強を始めたいという方には、日本語教育能力検定試験の過去問や問題集を使うことを(とりあえずは)オススメします。

必須の教育内容50項目を踏まえたものを使えば、この勉強が無駄になる可能性は低いでしょう。

まとめ

いかがでしたか。

日本語教員試験について、2023年6月時点で明らかになっている情報をまとめて紹介しました。

まだまだ本試験については詳細が不明瞭といったところです。

また、今後の協議で変わっていく部分もあると思います。

この試験については、今後も最新情報をこのページでお知らせしていきます

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