もうすぐ日本語教師デビューする予定なんですが、授業が不安です。
日本語教師の授業中の失敗って、どんなものがあるんでしょうか。 事前に対策をしておきたいです。
私も日本語教師になって数か月は、1日の授業をしっかりこなせるのかとても不安で、「授業中に失敗したらどうしよう…」という心配は尽きませんでした。
そこで今回は、日本語教師が授業中にやってしまいがちな失敗をまとめて紹介します。
併せて対処法とオススメの記事も紹介しているので、良ければ参考にしてみてください。
✓もうすぐ日本語教師デビューする!
✓授業中に失敗してしまうのが不安…
✓授業中の失敗を未然に防ぎたい!
1. 誰もが経験済み?思わずやってしまう授業中の失敗
まずは授業中に「やってしまった!」と思わず焦ってしまう失敗を紹介します。
とはいえ、これらの失敗は新人の頃は(或いは経験を積んだ後でも)、誰もがやってしまうものです。
だから、(8)(9)以外はあまり気にすることはないと思います。
(1)必要な教材やコピーを忘れる
教室に行ってから、或いは授業が始まってから「あれ!?〇〇を準備していなかった!」「〇〇を持ってくるのを忘れた!」と気づくと、余裕がないときは焦ってしまいますよね。
「自分の分は準備したけど、学習者に配布する分のコピーを忘れた」
「授業中の配布物は準備していたけど、宿題を準備するのを忘れてしまった」
など…。
ちなみに私は新人非常勤の頃、常勤の先生が授業見学に入る日に、授業の教案を家に忘れてきたことがあります。
幸い他の準備物は持って来ていたので、教案に書いた流れを思い出しながら何とか乗り切りましたが、前日までに準備物をしっかり整理しておくことの大切さを学びました。
(2)次に使う教材を見失う
「教材がぐちゃぐちゃになってしまい、次に使うイラストがどこにあるか分からなくなった」
という失敗も、新人の頃はやってしまいがちです。
特に使い終わった教材をそのまま教卓の上に置いてしまうと、次に使う教材と混ざってしまい、どれをどの順番で出すかが分からなくなってしまいます。
私はこの失敗をしてしまうのが嫌だったので、準備物には事前に使う順番に裏に番号を振り、授業準備完了時にその順に並べてクリップで留めておく、という作業を初期からしていました。
使い終わったものは、離れた机の上とか、教卓の中とか、次に使うものと混ざらない場所に置く癖をつけることも、とても大切です。
✓配布物は授業の前日までに準備する
✓準備物に番号を振り、使う順番に並べる
✓データ教材を使う(これもファイル名に番号を振ると◎)
✓授業の予定表に✓を入れて準備物の漏れを防ぐ
✓使い終わったものは次に使うものと混ざらない場所に置く
(3)学習者の名前を間違える
外国人の名前を覚えるのって、なかなか大変ですよね。
特にクラスに色々な国の人が20人もいると、すぐには覚えられない人も多いと思います。
クラスに同じような名前の人がいて、「どっちがどっちだっけ…」と迷ったり、「この名前の漢字、何て読むんだっけ…」となったりしてしまうことはよくあります。
私は覚えるのは速い方ですが、新学期の際は「クラスの殆どの人の顔と名前は一致したけど、どうしてもあの2人だけどっちだったか覚えられない…」という状態によく陥ります。
この失敗をしてしまいそうな人には、以下の対処法を提案します。
✓名簿や座席表を準備する
✓名前の読み方や教室での呼び方を事前に確認する
✓名札を机に置いておいてもらう
(4)板書がぐちゃぐちゃになる
「板書が苦手」という日本語教師の人、結構多いと思います。
僕は字は比較的綺麗な方だと思いますが、学習者から質問があったときはホワイトボード(以下「WB」)を使って説明したくなるので、板書にメモ書きみたいなものがどんどん増えていって、その結果メインの説明や例文の部分まで侵食してしまってごちゃごちゃすることが良くありました。
オススメの対処法は、WBや黒板を2分割して、
【A】授業の本筋で使う部分と
【B】質問対応や補足、雑談で使う部分
に分けて使うことです。
そうすることによって、本筋とは違う流れでWBを使っても、【A】の部分がごちゃごちゃすることはなく、大事なところは綺麗な状態をキープできるようになります。
【B】についても、問題が解決したり、話が終わったりしたときにすぐ消してしまえば、また次に本筋から逸れたときに綺麗な状態で使えます。
今はプロジェクター等が使える学校も増えたと思うので、そういう環境があるなら、本筋はスクリーンにPPT等で映して、横道はWBを広く使って対応するのがオススメです。
字が汚いから板書したくないという悩みも解決できるし、学習者が板書を待つ無駄な時間も短縮できます。
✓WBや黒板を分割して使う
✓データ教材やスクリーンを使う
(5)冗談や雑談がスベる
これは冗談のセンスに依存するところもありますが、実はそれ以外にも原因はいくつかあります。
1つは冗談や雑談の中で出した人物や出来事、場所、物などを学習者が知らなかったとき。
例えば高卒の留学生を相手に、昭和の芸能人の話をしても共感は得られません(これは日本人でも同じ)。
また、中国の学習者相手にベトナムのマイナーな観光地の話をしても、事情を知らないので伝わりにくいですよね。
逆にベトナムの学習者だけであれば、そのような話は盛り上がりやすいです。
冗談や雑談を通じやすくするためには、学習者の年齢や国籍、文化や習慣、もっと言えば「知っているものや興味があること」をしっかり理解しておくことです。
もう1つは、そもそも日本語が難しくて学習者に内容や言いたいことが伝わっていないときです。
冗談や雑談は教師が自分の話したいことを話しているときが多いので、学習者への配慮が少なくなりがちです。
文型シラバスの教科書の導入ではないですが、場面や状況、人物の関係、出来事の経緯などがしっかり伝わるように、シンプルで明確な表現で伝えることがウケるコツです。
✓難易度や学習者への身近さ、興味、日常との関連度を意識する
✓学習者の文化背景や習慣を理解する
✓状況や出来事が伝わりやすいようにシンプルな日本語で話す
✓クラスの雰囲気をつかんでおく(冗談や雑談への反応の良し悪し等)
(6)オンライン授業で共有やミュート解除を忘れる
コロナ禍で一気に日本語教育業界にも浸透し、当たり前のものになったオンライン授業ですが、各学校がオンライン授業を始めたばかりの頃は、zoomなどの操作ミスで焦ってしまった人も多いのではないでしょうか。
特に先生方からよく聞いたのは、以下の2つの失敗でした。
・ミュート解除を忘れたまま喋ってしまい、学習者から「聞こえません…」と言われた
・ファイルや音声の共有操作を忘れてしまい、学習者が置いてけぼりになってしまった
私の学校では、当時はオンライン授業が初めての先生が大半でした。
「私、機械があまり得意じゃないから…」という先生は授業を進めるだけで精一杯で、この2つの部分に意識を向ける余裕がないことも多かったようです。
(7)教室でPCの操作に手間取り、学習者を待たせてしまう
上で述べたように、最近では教室にICT環境が整った学校が増え、教室でPCやタブレットを使う先生も多くなりました。その影響もあり、「教室でPC関連の操作で詰まってしまい、学習者を待たせてしまった」という失敗も良く聞かれるようになりました。
・スクリーンに出力できない
・音声が出ない
・PPTの発表者ツールが使えない
このような失敗は、主に操作方法を十分に理解しないままPC等を使っていることが原因です。
オンライン授業で使うツールも含め、授業前にリハーサルをして、操作方法を予め覚えたりメモしたりしておくことで、未然に失敗を防ぎましょう。
✓PCの操作方法等を事前に確認し、実際の環境でリハーサルする
✓自分用の教材や教案などに、操作手順をメモする
✓困ったときの対処法ややり直しの方法をメモする
(8)誤った情報を教える
授業に慣れていない頃や、文法・語彙に関する知識が少ない頃は、文法分析がしっかりできていなかったり、学習者から鋭い質問が飛んできたりしたとき、意図的ではないにしろ、間違った説明をしてしまうこともあります。
「その場で気づいたけどうまく対処できずにそのまま進んでしまった」
「授業後によく考えてみるとあの説明はまずかった」
と後悔したことがある人もいるのではないでしょうか。
新人の頃は、ある程度授業に慣れるまで、特に不意の質問に対応するときは、客観的で冷静な判断ができないこともあります。ただ、こういうときにその場で考えた適当な答えで凌ぐ癖がつくと、学習者の信頼を失いかねません。
無理にその場で全ての質問に答える必要はないので、調べたり、他の先生に聞いたりして、あとでしっかり回答するようにしましょう。
✓分からない場合はその場で答えない
✓あとで調べて対応する
✓前日の先生が教えた内容を確認しておく
この失敗をやってしまいそうな人にオススメの記事はこちら↓
(9)学習者を怒らせる
教師も人間、学習者も人間です。
まして日本語教師と学習者は外国人同士なので、お互いに腹が立ったり言動が気に入らなかったりすることもよくあります。
学習者が怒ってしまう原因は、大きく分けて2つあります。
1つは教師の言動が学習者の文化や習慣、アイデンティティを傷つけてしまったときです。
日本語教師になる人は、どこかしらで「異文化理解」について学んでいると思います。
でも、学習者の文化を十分に理解していないと、(特に宗教や政治などに関わる内容で)教師が何気なく発した言葉が学習者の逆鱗に触れたり、学習者を深く傷つけたりしてしまいます。
ここまでに挙げた8つの失敗は、どの日本語教師でも1回は経験するし、そこまで大きな問題ではありません。
ただ、この失敗をしてしまうと、最悪学習者との関係が修復不可能になり、学習者の人生にも大きな悪影響を与えてしまう可能性があるので、注意が必要です。
もう1つの原因は、学習者に対する教師の威圧的な態度や執拗な説教などで、学習者が”キレて”しまうことです。これは学習者が遅刻や内職を繰り返したり、教師の話や指示を聞かなかったりした場合などによく起こるので、100%教師が悪いわけではないとは思います。
ただ、学習者の出席率や授業態度が悪い原因をしっかり理解・分析したうえで
・時には第三者を交えながら学習者の言い分を聞くこと
・感情的にならずに冷静に話すこと
を忘れないことが大切です。
この2つを教師が忘れてしまうと、大きなトラブルになることもあるので注意が必要です。
また、日本語教育は、(公教育の場で行う場合もあるにしろ)義務教育ではないし、教師の方が学習者より立場が上ということは決してないので、そのことも忘れないようにしましょう。
✓学習者の文化や習慣を理解する
✓威圧的にならないようにする
✓どうでもいいことでしつこく説教しない
2. 「えっ!もうこんな時間!?」時間配分に関する失敗
授業の時間配分も、日本語教師としての経験をある程度積むまでは、コントロールが難しい問題です。このセクションでは、それにまつわる失敗を見ていきましょう。
(10)時間が余る
私が新人の頃一番怖かったのは、この失敗でした。
経験を積めば、時間が余っても授業を進めながら調整したり、簡単な活動を最後に追加したりして時間を埋められるようになります。
でも、新人の頃は引き出しが少ないので、「やることが無くなる」のが最も怖いはずです。
だから、私は常に多めに準備をして授業に臨んでいました。
授業内の各活動に、深堀りしたり派生させたりできる部分を用意しておいて、その部分を使うか否かで時間調整をしたり、時間が余ったときにできる簡単な活動を準備したりすることによって、この不安を随分軽減することができました。
それ以外にも、以下のようなことを意識しておくと、この失敗は防げると思います。
✓各活動の時間配分をメモする
✓時計を見る癖をつける
✓予備の活動を準備する
この失敗をやってしまいそうな人にオススメの記事はこちら↓
(11)時間が足りなくなる
もちろん反対に、「時間内に授業項目が終わらない」という失敗も、よく起こります。
個人的な感覚では、時間が余る先生よりも、時間が足りなくなる先生の方が多いと思います。
この場合の主な原因は、以下のようなものが殆どだと思います。
①「全部説明しないといけない」「全員が分かってないからもう1回説明しなきゃ」と思ってしまう
②「この活動は絶対にやりたい」「せっかく準備したから全部出したい」と思ってしまう
③学習者との雑談が盛り上がり、そこに時間を割きすぎてしまう
④学習者の説教に時間を割きすぎてしまう
特に①のような考え方が原因で、説明や活動が長くなりすぎてしまう先生は多いのではないでしょうか。
とりわけ日本語学校は、限られた授業時間の中で指定の課や範囲をカバーすることが求められる場合が多いので、指定ページの指定項目を全部説明しようとすると、時間が足りなくなることもしばしばです。
この失敗を防ぐには、授業で扱う項目に優先順位をつけて、教える内容の濃さと割く時間の長さに強弱をつけることです。
個人的な意見ですが、優先順位が高いのは以下の2つです。
①学習者の日常生活で使用頻度が高いもの
②辞書で意味を調べただけでは使えないもの
この2つに当てはまらない項目に割く時間を減らすと、時間配分がかなり楽になると思います。
あとは勿論授業を進めながら時間を常に意識しておくことも大切です。
✓各活動の時間配分をメモする
✓時計を見る癖をつける
✓授業内容に優先度を設定する
この失敗をやってしまいそうな人にオススメの記事はこちら↓
3. 「分かりましたか?」「シーン…」説明や指示の失敗
授業中の説明を学習者が理解してくれなかったら、新人の頃はかなり焦ってしまいますよね。
この失敗が一番怖いという人も多いはず。
でも、これも日本語教師なら誰もが経験する失敗です。
このセクションでは、その原因と対処法を紹介します。
(12)導入が伝わらない
せっかく準備してきた”導入”が学習者に伝わらない、という失敗は、文型シラバスの教科書で授業をしたことがある人なら、一度は経験していると思います。
一生懸命準備したものを提示して、「うまくいった」と思って学習者の方を見ると
「ポカーン…」
初めて日本語教師として授業をする人にとって、これほど恐ろしいことはありませんね。
この失敗の原因は、大体以下の3つに分けられます。
①使っている場面や状況が、学習者に身近なものになっていない
②使っている言葉が難しくて、学習者が理解できていない
③文型の分析と整理が十分ではなく、そもそも教師が理解していない
こうならないようにするには、準備の段階でしっかり文法や語彙分析を行い、学習者にできるだけ身近な場面や状況を設定し、シンプルな言葉で導入することが大切です。
(13)指示が伝わらない
練習や活動を行う際の指示が学習者にうまく伝わらず、授業がグダグダになってしまったり、教師がイメージしていた通りに学習者が動いてくれなかったりすることもあります。
この失敗は、大体以下のようなことが原因で起こります。
①明確に指示ができていない/指示に使う言葉が難しい
②教師はよくある活動だと思っていても、学習者には馴染みがない
特に学習者に発話や行動を要求する際には、よりシンプルで明確な日本語で伝えることが大切です。
ゲームのルール、活動のゴール、作業の過程が伝わりやすいように、見せ方や話し方(特に文末表現)を工夫してみましょう。
✓導入や活動の場面・状況・内容が、学習者に身近なものになっているか確認する
✓自分の趣味ややりたいことを押し付けない
✓先輩や上司に内容を事前に見てもらう
✓指示に使う言葉は極力シンプルにする
✓番号やイラスト・図をつけて説明方法を工夫する
この失敗をやってしまいそうな人にオススメの記事はこちら↓
(14)文法や言葉がうまく説明できない
これはもう、どの日本語教師も間違いなく経験しています。
経験を積んでいても、このようなことは時々あります。
この原因は、以下のようなものが考えられます。
①文法や言葉の分析と整理が十分ではない
②文法の意味や用法を、感覚で教えようとしている
③自分の中で整理はできているが、説明に使う言葉の選択が間違っている
この失敗の対処法を一言で説明するのは難しいので、下で紹介する記事の中で、ご自身の悩みに合うものを読んでみてください。
(15)質問に答えられない
よく似た言葉や文法の違いは、新人の頃は即座に的確な答えを出すのは難しいですよね。
このような場合は、既習の文法や言葉の中で、授業で扱う文法や言葉と似た意味・用法を持っているものを事前に調べて、その違いについて整理しておくことが不可欠です。
また、教える文法や言葉が使えない場合と、その理由についても事前の調査が必要です。
類似表現によくある違いは、下で紹介する「文脈制限のヒント」の記事にまとめてあるので、良ければ見てみてください。
ただ、それ以外にも、学習者からはときに斜め上の発想から、予想もしていなかった質問が来るときもあります。そのようなときに冷静に対応する方法は、1の(8)で紹介した記事を読んでみてください。
(16)誤用がうまく訂正できない
(15)と並んでよくあるのが、「学習者が作ってきた文が間違っていることは分かるけど、その理由を説明できない」というものです。
「先生、どうしてこの文はダメですか?」というのは、授業の中でよくある質問です。
これもよくある文脈制限のルールを覚えておけば解決できることが多いので、下で紹介する記事を参考にしてみてください。
✓文法・語彙分析を事前にしっかり行う
✓既習文法・語彙の中で類似のものの違いをチェックして質問を予測する
✓どんな誤用があるか予測する/調べる
✓説明に使う言葉を吟味する
✓よく出てくる文脈制限のルールを覚える
この失敗をやってしまいそうな人にオススメの記事はこちら↓
4. まだまだある?その他の失敗
その他によくある失敗の事例を紹介します。
(17)学習者が話を聞いてくれない
この失敗には、2つのパターンがあります。
1つは教師の話をそもそも聞く気がない場合。
こちらの場合は、学習者がなぜ授業に取り組まないのか、他の先生の授業の時や他の活動をしている時もそうなのか、毎週一様にやる気がないのかなど、まずは状況をしっかり観察することが大切です。
勉強がキライなだけの人もいるし、その先生の授業は分かりにくいから聞く価値がないと思っている人もいるし、昨日失恋したから今日は勉強する気が怒らない人だっています。
話を聞かない理由をしっかり見極めることが大切です。
もう1つは、教師が言っていることを理解できていない場合や、理解はしているが指示されたことがその学習者にとっては難しい場合です。
これは話を聞いてくれないのではなく、指示や説明が伝わっていないから、その通りの発話や行動ができないだけなので、(12)や(13)の場合の対処法を実践できれば解決します。
(12)(13)のところで紹介している記事も併せて読んでみてください。
(18)学習者からの発話がない
学習者があまり話してくれない理由は、話を聞いてくれない理由よりも多様です。
以下に一例を挙げます。
・教師の質問や指示を理解していない
・教師の言ったことを理解しようと考えている途中
・理解はしているが回答が浮かばない
・理解はしているが考える気がない(面白くないから)
・回答は浮かんでいるが日本語で表現できない
・間違えるのが怖くて発言できない
・そもそも活発に発話するタイプではない
など…
これもそれぞれの理由や状況によって、対処法は異なります。
まずはなぜ発話がないのかをしっかり見極めましょう。
✓先輩や上司に授業見学に入ってもらう
✓内容が学習者に身近なものになっているか確認する
✓説明や指示が明確か確認する
✓状況と原因を観察してみる
この失敗をやってしまいそうな人にオススメの記事はこちら↓
(19)学習者の言うことが分からない
「学習者が頑張って発話しようとしていたけど、何が言いたいか分からなくて、結局流して次に進んでしまった…」という失敗です。
これはこちらから質問をプラスしたり、学習者に例文や写真などを提示してもらったりすることで、何が言いたいかを探ることができます。
具体的には、以下の対処法を参考にしてみてください。
また、学習者の母語を知っていると、こういうときにも活かせます。
もちろん頑張って日本語で伝えてもらった方がいいですが、時間がないときや、何回聞いても分からないときなどは、母語に頼った方が◎です。
時間も無駄にならないし、他の学習者のストレスも溜まらないし、発話の意図を誤解することも少なくなるからです。
✓Yes/No疑問文など、誤解が起きにくい形で質問する
✓質問の意図が分からない場合は、例文で状況や場面を挙げてもらう
✓学習者に書いてもらう/絵や写真を見せてもらう
✓他の言語で説明してもらう
✓クラスメイトの力を借りる
この失敗をやってしまいそうな人にオススメの記事はこちら↓
(20)教案通りに授業が進まない
これはもう、失敗じゃありません。
普通のことです。台本みたいな教案を作るのを今日から止めましょう。
✓これは普通。細かい教案を作るのを止める
この失敗をやってしまいそうな人にオススメの記事はこちら↓
まとめ
いかがでしたか。
ここまで全て読んでくださった方、ありがとうございます。
多くの学習者の前に立って一人で授業を回すのは、経験の少ない頃は誰にとっても難しいことです。
ここで紹介したもの以外にも、細かな失敗はたくさんあるでしょう。
でも、緊張して、様々な不安を抱えている今の気持ちを、経験を積んだ後も忘れないことが何より大切だと思います。
授業の主役は、学習者です。日本語教師じゃありません。
日本語教師は、学習者が中心となって授業を作っていくのをサポートする仕事です。
決して自分の思うように学習者をコントロールする仕事ではありません。
学習者に話をしてもらいながら、困ったときに登場するサポーターのような気持ちで授業や授業準備に臨む気持ちを忘れなければ、経験を積んでいくうちに自ずと不安は消えていくと思います。
私もまだまだ経験十数年の一日本語教師です。
日々の授業の中で、たくさんの失敗があります。
でも、失敗を恐れることが、自分の成長に繋がると思っています。
一緒に頑張っていきましょう。
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