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日本語教師が授業で学習者の発話を引き出すためのテーマ・話題70例

日本語授業でオススメの話題・テーマ

ツイートでも定期的に発信していますが、授業中の雑談や導入、練習、例文などで扱う話題やテーマは、学習者に身近なものにすることが大切です。

なるほど…。でも、学習者に身近な話題やテーマってどのようなものがあるのでしょうか。

今回は、学習者の興味をひきやすく、生活にも活きやすいテーマ・話題をまとめて紹介します。

授業中の雑談や授業前のウォーミングアップ、アイスブレイクだけでなく、練習や導入に使う例文を考えたり選定したりする際にも使えるので、ぜひ参考にしてみてください。

こんな人にオススメ!

・授業中に扱うのに最適なテーマや話題が知りたい!
・学習者の興味を引く導入や練習が展開したい!
・学習者の活発な発話や授業参加を促したい!

1. 学習者の趣味や特技、好きなものに関すること

【学習者の趣味や特技、好きなものに関する話題・テーマ】

(1)アニメ、マンガ
(2)映画、ドラマ
(3)音楽、歌手
(4)ファッション、髪型
(5)(日本の)食べ物、飲み物、お酒
(6)(母国の)食べ物、飲み物、お酒
(7)(苦手な)日本の食べ物、飲み物、お酒
(8)スポーツ
(9)得意料理
(10)動物、自然
など…

学習者の趣味や特技、好きなものに関するテーマは、雑談やウォーミングアップ、アイスブレイクに最適です。

例えば

・読解でアニメに関する教材を扱う… 授業の前に好きなアニメを聞いてみる
・日本の食文化に関する教材を扱う… 好きな/苦手な日本の食べ物を聞いてみる

などが基本的なやり方です。

私たちも、好きなものや趣味について聞かれると、話したい気持ちになりますよね。

それは日本語学習者も同じです。

また、好きなものについては皆ある程度知識や経験を持っているし、周辺語彙についても知っていることが多いので、質問の答えについてさらに説明してもらったり、オススメのものを紹介してもらったりしながら、このテーマをきっかけに話や練習を展開していくことができます。

また、すでに学習者の好きなものや趣味などを知っているなら、それを授業中に扱う例文や練習、タスクなどに取り入れていくのも学習者の興味をひくのに有効です。

2. 生活に関すること

【生活に関する話題・テーマ】

(11)睡眠の習慣(睡眠時間、電気をつけて寝るか、寝起きする時間等)
(12)食事の習慣(朝ご飯を食べるか、自炊するか等)
(13)アルバイトの仕事内容、人間関係
(14)日本でよく行く店
(15)部屋の間取り、家にある家具、家電
(16)引っ越しの経験
(17)日本と母国の生活の違い
(18)最近買ったもの、ほしいもの
(19)コンビニやスーパーでよく買うもの
(20)毎日続けていること、日本に来てから始めたこと/やめたこと
など…

学習者の普段の生活に関する話題は、ウォーミングアップや動機付けにも使えるし、例文や練習にも取り入れやすいのでオススメです。

冒頭で書いた「学習者に身近なもの」に最も通じるテーマでもあります。

日本語学習の最大の目的は、言うまでもなく「分かる・使えるようになること」です。

このテーマや話題を使いながら授業内の活動やタスクを進めることができると、学んだことが明日からの生活に直結するし、実際にその場面に遭遇するのを具体的にイメージしながら取り組めるので、できるようになることが明確になり、学習者のモチベーションも維持しやすいです。

インタビューやロールプレイ等の活動にも最適ですね。

3. 日本に関すること

【日本に関する話題・テーマ】

(21)知っている日本の有名人
(22)日本の観光地、知っている場所
(23)日本人の習慣、日本のルール
(24)交通機関や店のシステム、ルール
(25)日本の方言
(26)日本語の話し言葉、若者言葉
(27)便利な日本語、気になる日本語
(28)日本と母国の料理(味)の違い
(29)日本で行ったことのある場所・都道府県
(30)日本人の性格
など…

「日本について知っていることを聞く」質問は、学習者も積極的に答えてくれる傾向があります。

特に実際に体験した日本文化や、行ってみた場所などについては、学習者も楽しそうに話してくれることが多い印象です。

程度の差こそあれ、日本語を勉強している彼/彼女らは、何らかの形で日本や日本文化に興味を持っていたり、ルーツがあったりする人がほとんどです。

また、日本人の習慣や文化・考え方、外国との違い、日本語に関する疑問などのテーマは、日本語学習教材でも頻繁に扱われます。

上で紹介したテーマや話題は、そのような教材を使った学習に入る前の、ウォーミングアップや動機付けに最適です。

また、練習や活動の合間の雑談にも使いやすいので、ぜひ活用してみてください。

4. 母国に関すること

【母国に関する話題・テーマ】

(31)ふるさとの特徴、特産物、有名な所
(32)おすすめの観光地
(33)おすすめの食べ物
(34)国で人気のある歌手、スポーツ、遊び
(35)母語の特徴、方言
(36)母国でよくしていたこと
(37)母国で飼っていたことのあるペット
(38)国の家族や友達との連絡の頻度や話す内容
(39)母国の習慣、ルール
(40)母国の人の特徴
など…

学習者の母国に関する内容を話題にするときも、学習者は積極的に会話に参加してきてくれます。

教師が自分の国のことに興味を持って聞いてくれると、学習者も教えたい気持ちになるのだと思います。インタビュータスクでいろいろ聞いた後で発表してもらうとか、ウォーミングアップや雑談で全体に問いかけるのも良いと思います。

学習者のふるさとについていろいろ質問していると、

「ぜひ来てください!先生が来てくれたら、案内しますよ」

と言ってくれる人が必ずいます。

また、教師が学習者の母語を話せたり聞けたりすると、その教師への態度や授業中の積極性が変わります。

簡単な挨拶を知っているだけでも、「先生、○○語が上手ですね!」と嬉しそうな表情を見せてくれる人が多い印象です。

また、日本語や日本文化・日本人の習慣に関するテーマが出てきたときに、

「○○さんの国ではどうですか?」

比較しながら話を進めたり、母国にいたときと日本に来てからで変わったことなどを話してもらうのもオススメです。

5. 個人に関すること

【個人に関する話題・テーマ】

(41)血液型、星座、干支、占い
(42)名前の由来
(43)旅行で行った国や地域
(44)尊敬する人
(45)自分を色/動物に例えると
(46)好きなタイプ・性格
(47)ストレス解消法
(48)自分の癖、口癖
(49)行ってみたい国、これからやってみたいこと
(50)自分の宝物
など…

個人の経験や性格・考えなどに関する話題・テーマは、全体への問いかけ、個人で作業をするタスク、スピーチのテーマなどに最適です。

面白い経験をしたことがある人や、すごい経歴を持っている人が見つかってみんなで驚いたり、クラスメイト同士や、学習者と教師の思わぬ共通点が見つかって絆が深まったりすることもあります。

学習者が自分のことを話しているときは、練習問題等で指名されて答えているだけのときに比べて、他のクラスメイトも話をしっかり聞こうとすることが多い印象です。

6. 学校・勉強に関すること

【学校・勉強に関する話題・テーマ】

(51)母国の義務教育のシステム
(52)大学や高校で学んだこと
(53)学生時代に得意/苦手だった科目
(54)先生やクラスメイトの口癖
(55)面白い先輩・友達
(56)今まで出会った面白い先生
(57)おすすめの勉強法
(58)勉強に使っているアプリやサイト
(59)学校にあった面白い制度やサービス
(60)学生時代の思い出
など…

留学生の多くは日本語学校等で勉強しているし、ほとんどの人が小学校~高校(大学)までの学校教育を経験しているので、学校に関するテーマも、2の「生活に関すること」に次いで学習者に身近なものだと言えます。ロールプレイ等のタスクでも扱いやすいです。

外国の教育システム(義務教育の年数、大学の卒業要件、授業のやり方や学生の自由度など)は、日本の義務教育や日本語学校での授業とは異なる点が多々あり、そのような部分を日本と比較するようなテーマは、学習者も積極的に発言してくれます

ちなみに、チームティーチングの場合に個人的にオススメなのは、他の先生の口癖を聞いてみることです。

学習者が教師のことをよく見ているということも実感できるし、モノマネがうまい学習者がいるとクラスも盛り上がります。

7.「もしも」シリーズ

【「もしも」シリーズの話題・テーマ】

(61)もし100万円もらったら何をする?
(62)もしタイムマシンがあったらどうする?
(63)もし店/会社を作るならどんな店/会社を作りたい?
(64)もし明日が人生最後の日だったら、今日何をする?
(65)もし魔法が1つ使えるとしたら、どんな魔法を使う?
(66)もしドラえもんの道具が使えるなら何がほしい?
(67)もし今なくなったら一番困るものは何?
(68)もし生まれ変わったら、何になりたい?
(69)もし昔の人に会えるなら、誰に会いたい?
(70)もし新しい法律を作るなら、どんな法律を作る?
など…

「もし…なら、どうする?」というタイプの話題です。

このテーマは先に紹介した6つのテーマと比べるとやや特殊なので、例文や練習に使うには文型や場面、レベル等を選びます

でも、学習者は想像で思い思いの内容を話してくれるので、現実離れしたユニークなアイデアが出て盛り上がったり、学習者同士で議論が起きたりするので、合間の雑談等には適していると思います。

グループディスカッションやペアでの話し合いなどのタスクで使うのも、面白いです。

8.【番外編】扱いに注意が必要だが、うまく使うと盛り上がるもの

【扱いに注意が必要だが、盛り上がる話題・テーマ】

(71)恋愛事情、デート
(72)家族構成、家族の紹介
(73)お金のこと
など…

上記のテーマは、何の配慮もなく扱うと、学習者を傷つけたり、クラスメイト同士や、学習者と教師の間でトラブルに発展したりする可能性があるので注意が必要です。

ただ、うまく扱えば授業が盛り上がり、学習者との絆もより深まります。

これらの話題を扱うときに抑えておきたいポイントは、

・学習者との信頼関係をしっかり築くこと
・クラス内の(全ての)学習者の属性や考え方、文化背景、家庭の事情等を理解しておくこと
・クラス内の誰かが傷ついたり不満を持ったりする(可能性のある)内容は避けること

です。

この3つができていない状態で上記のテーマを不用意に扱うと、思わぬトラブルになってしまうこともあるので気をつけましょう。

恋愛や家族、お金の話は、どこの国でも仲の良い人同士の間では盛り上がる話題ですよね。

学習者との信頼関係を築き、うまくこれらのテーマを取り入れることによって、より活発な授業が展開できますよ!

入りとしてオススメなのは、学習者と関係のない架空の人物を設定して、例文や練習問題の中に、その人物の恋愛の駆け引きとか、家族との会話とか、お金に関するトラブル等を入れてみることです。

これだと学習者に直接質問して嫌な思いをさせることもないので、ハードルは低いです。

ただ、例文の中でも、学習者のマイナスな境遇に重なるような内容は避けるべきだし、度が過ぎる悪口や、セクハラだと感じられるような内容は勿論避けるようにしてくださいね!

ちなみに…

国のことや政治のことについては、知識が不十分な状態で扱うと、学習者を怒らせてしまったり、深く傷つけたりしてしまうこともあるので、更なる注意が必要です。
特に扱う必要がないのに、わざわざ教師からその話題を持ち出すことは避けた方が無難です。

まとめ

以上、授業中のウォーミングアップや動機づけ、練習や例文に使うと効果的な話題・テーマを8ジャンル、73個紹介しました

もちろんこれ以外にも学習者が話したくなるテーマ・話題はたくさんありますが、いずれにしても、学習者が積極的に参加してくれる話題や内容を選ぶために意識するべきことは、

・学習者が身近に感じられること
・学習者の今後の生活や勉強に活きると明確にイメージできること

です。

今教えている学習者の年齢、国籍、文化背景、生活環境などをしっかり理解した上で、それぞれの学習者に合った雑談や活動・練習の話題・テーマを選んでみてください。

授業中の話題やテーマが思いつかずに困っている人、導入や練習への学習者の参加意欲が低くて悩んでいる人に、少しでもこの記事を役立ててもらえれば幸いです。

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