日本語学校って色々な学校があるみたいですね。
自分に合った学校をどう選べばいいか分からなくて…。
一言で日本語学校といっても、規模の大きさや学校がある地域、経営母体、学校の方針、カリキュラムやコースデザイン、どんな国のどんな送り出し期間とパイプがあるかなどによって、学校の特徴はさまざまです。
この記事では、規模の大きい日本語学校で、常勤・非常勤日本語教師として働いたときのメリット・デメリットを紹介したいと思います。
反対に、規模の小さい日本語学校で働いたときのメリット・デメリットは、こちらの記事を読んでみてください。
①規模の大きい日本語学校… 定員200名(10クラス)以上の学校
②規模の小さい日本語学校…定員100名(5クラス)以下の学校
ぐらいの規模をイメージしてください。
また、この記事では、常勤・非常勤として働くときの一般的なメリット・デメリットや、日本語学校で働くときの一般的なメリット・デメリットについては解説していません。
一般的な日本語学校の仕事内容が知りたい方はこちらを参考にしてみてください↓
大きい日本語学校で働くメリット
常勤講師の場合
- 【1】制度・待遇が整っていて、働きやすい(昇給・賞与・育児休暇・新人研修など)
- 【2】事務・教務など部署分け・担当分けがしっかりされていて、教務の仕事に集中できる
- 【3】資金力がある場合が多く、規模の大きいプロジェクトや事業を始めやすい
- 【4】同僚の人数が多く、協力できる体制が整っているので、1人で悩むことが少ない
- 【5】外部からの委託事業や海外派遣など、様々な日本語教育に携わるチャンスがある
規模の大きい学校は職員数も多く、事務と教務などが部署として分かれていて、業務分担がある程度明確になっていることが多いと思います。
また、日本語教育機関に向けた法務省告示基準(学校運営のルールを定めたもの)では、定員数に対して最低限必要な常勤講師の人数が決められているので、定員が多い学校は、それだけ常勤日本語教師の数も多くなります。
そのため、教務の中でも業務分担が行いやすく、1人の教師に負担がかかりすぎることは少ないと言えます。
資金や人材面が充実していれば、職員をサポートする制度の構築や、授業環境の改善にも取り組みやすいです。
残業代が(普通に)支給されたり、賞与があったり、休暇制度がある程度整えられたりしているだけで、そうでない学校より、安心して働くことができますよね。
個人ではできないような大規模な事業や新しい取り組みも、(学校の賛同を得られれば)その資金力と人材を利用して進めることができます。
(ベースの給与が小規模学校より良いというわけではないですが、)働きやすい環境が整えられていることが多いのも、大規模な学校で働くメリットの1つです。
非常勤講師の場合
- 【1】制度・待遇が整っていて、働きやすい(昇給・手当・新人研修など)
- 【2】クラス数が多く、勤務日数を確保しやすい
- 【3】教材、システム、教室設備など、授業をしやすい環境が整っている
- 【4】授業以外に引き受けられる仕事も多いが、反対に授業のみに集中することもできる
- 【5】外部からの委託事業や海外派遣など、様々な日本語教育に携わるチャンスがある
定員数が多い学校の場合、当然クラス数も多いので、小規模学校と比べて、勤務日数が確保しやすいです(コロナ禍の現状では難しい場合も多い)。
教材や教室設備、各種手当や研修制度などがしっかり整えられていることが多いのも、非常勤講師として大規模学校で働く際の大きなメリットになると思います。
また、これは常勤・非常勤ともそうですが、海外派遣事業や、外部企業・公共団体などから依頼される日本語教育関連事業などに参加できるチャンスが多いのも大規模学校の特徴です。
私も非常勤講師2年目に、学校の事業の一環として行われたヨーロッパ某国への講師派遣事業に参加させてもらったことがありました。
そのような事業に参加したり、クラス担任を引き受けたりして、仕事の幅を広げて収入アップを図っていくこともできるし、とにかく授業だけに集中して、終わったらすぐ帰るという働き方もできます。
このように自分のスタイルに合わせて働き方を選べるのも、大きなメリットの1つではないかと思います。
大きい日本語学校で働くデメリット
常勤講師の場合
- 【1】在籍者数や非常勤講師数が多く、管理と運営の仕事に費やす時間が多く必要
- 【2】管理や運営の仕事を任されるようになると、学習者と直接関われる時間が減る
- 【3】管理体制や社内ルール等が整っていて、一教師の力では動かせないことも結構ある
- 【4】規模と利益の拡大を優先する経営者の場合、質の低い日本語教育の一端を担わされる
- 【5】同僚や上司が多く、昇進したり役職を任されたりするのに時間がかかる
大規模学校では在籍者・非常勤講師とも大人数になるので、常勤講師の管理業務は多岐に渡り、量も多いです。
在籍者の出席・成績、非常勤講師の出勤の管理だけでも結構時間を取られることが多いです。
進学指導や作文添削などはかなりの時間を要します。
また、ある程度規模が大きくなると、管理体制や指示系統などが整ってくるので、一教師の判断で何かを変えたり、新しいルールを決めたりすることが難しくなってくると思います。
非常勤講師の場合
- 【1】授業の内容や進め方、教材など、非常勤講師の裁量に任される部分が少ない
- 【2】学校や常勤講師の立場が強く、非常勤講師の意見が通らないことが多い
- 【3】担任や進路指導等を引き受けると、在籍者数が多く、かなりの負担になることもある
- 【4】人が多いので在校生・常勤講師・同僚との関係が築きにくいこともある
- 【5】急激な入学者数の減少が起きた場合のダメージとリスクが大きい
上のセクションでも述べたように、指示系統や管理体制が整ってくると、授業で使う教材やカリキュラム内容などを非常勤講師の一存で決めることは難しくなってきます。
小さい規模の学校では非常勤講師が好き勝手やりたいことをやっているというわけでは勿論ないですが、大規模校の方が進め方や使用教材などがガッチリ固められている印象がありますね。
あとは、メリットのところで「勤務日数が確保しやすい」という項目を挙げましたが、ここに依存しすぎると、今回のコロナ禍のような状況になった場合、一気に勤務日数が減り、生活に大きな影響が出る可能性があります。
まとめ
大規模校で働くときのメリット・デメリットがご理解いただけたでしょうか。
簡単にまとめておきましょう。
小規模な日本語学校で働くメリット・デメリットは、こちらの記事にまとめてあります↓
日本語教師を目指す方、また掛け持ちや学校を移ろうと考えている方は、併せて読んで、日本語学校選びの参考にしてもらえれば嬉しいです。
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