日本語教師になりたいと考えているのですが、事前にやっておいた方がいいことって何かありますか?
日本語教師になろうと志したはいいものの、日本語教師養成講座に通う以外に、何をしたらいいか分からない…
という人は少なくないと思います。
そこで今回は、日本語教師として働く前に、やっておいた方がいいこと、気をつけておいた方がいいことなどを紹介したいと思います。
これから日本語教師を目指す方は、ぜひ参考にしてみてください。
★日本語教師になるまでに習慣づけておいた方がいいこと
★日本語教師になる人が気をつけた方がいいこと
1.養成講座は実習が多いところを選ぶ
日本語教師養成講座にこれから通おうと思っている人は
実習(模擬授業)がどれぐらいできるか
というのを1つの基準にして講座を選んでみてください。
養成講座によっては、ほとんど実習や模擬授業の機会がなく、15分ぐらいの模擬授業を1回か2回だけやって修了できるところもあります。
反対に、毎回の授業で模擬授業をするのは当たり前、というような講座もあります。
即戦力として働くためには、「模擬」とはいえ授業の回数をこなしておくことはとても大切です。
日本語学校等の就職面接でも、資格や経歴ももちろん大切ですが、模擬授業が上手い人の方が圧倒的に採用されやすい傾向にあります。
私も新人教師の採用面接に数年間関わってきましたが、やはり実習の多い養成講座を修了してきた人は、基礎ができていて、前向きに採用を検討したいと思える人が多かったです。
模擬授業の回数をこなしておくと、就職面接やその後の授業に必ず生きる!
2.普段から日本語に疑問を持つ
日本語教師をしていると
「この文法/語彙は、あの文法/語彙と何が違うの?」
「学習者が作ったこの文はなぜ不自然に感じるんだろう?」
という疑問にぶつかることが多々あります。
このような疑問を効率的に、そして正確に解決する力を身につけるためには、普段から(自分も含め)周りの人の使う日本語や、メディアの日本語表現にアンテナを張り、考えたり調べたりすることが大切です。
例えば
これって「延々と」じゃないのかな?
この「普通に」って言い方に何か違和感を感じたけど、なぜなんだろう?
その人は自然に話していたけど、私は聞いたことがない言い方だった。
もしかしてどこかの方言なのかな?
「めんどくさっ」
と思う人は、文型辞典などを読んで、類似表現の違いや、文法・語彙表現が持っている特徴を考えたり調べたりしてみるのもありです。
どちらにしても、準備も予想もしていない質問にその場で的確に答えたり、類似表現の違いを正確に、そして学習者に伝わりやすい形でまとめたりする為には、日頃から日本語について考えたり調べたりする習慣をつけることが不可欠です。
オススメの文型辞典はこちらで紹介しています↓
日本語教師が日本語について考えるときのポイントやコツはこちらの記事↓にまとめてあるので、併せて読んでみてください。
そうすることによって、授業準備を効率化したり、授業中の予想外の質問に即座に対応したりする力が身に付く!
3.積極的に外国語に触れる
日本語教師は、日本語を「外国語」として教える仕事です。
学習者の視点に立つために、ぜひ外国語に積極的に触れておいてください。
学習者の母語なら、なお◎です。
外国語をしっかり勉強したことがある人は、そうでない人では気づかない視点から日本語を考えたり、授業を組み立てたり、学習者からの質問に答えたりすることができます。
特に学習者の母語の発想や構造が分かっていると
・間違える原因
・日本語と似ている部分
・学習者がどんな質問をするか
・なぜその質問をするか
などが分かり、授業中の訂正の仕方や、助け舟の出し方、質問への答え方を、より学習者に寄り添ったものにすることができます。
これがあるかないかは、学習者にとってかなり大きな違いだと思いませんか?
また、語学の資格を取っていれば、就職活動の際にもアピール材料になります。
学習者の求めている授業や質問回答をするためには、学習者の母語の発想や構造の理解が不可欠!
4.キャリアプランを考えておく
日本語教師といっても、海外/国内、非常勤/常勤/フリーランス、日本語学校/大学/その他、オンライン…
と、その働き方は多岐に渡ります。
日本語教師になって、その後どう自分のキャリアを形成していくかを考えておかなければ、
非常勤で仕事を始めたものの、そのままダラダラと何年も過ごし、キャリアアップのチャンスを逃してしまったり(もちろん非常勤を続けることを自ら選んで、素晴らしい働き方をされている方もたくさんいます)、途中で嫌になってやめたものの、他のスキルもなく転職できなかったり…
ということにもなりかねません。
・続けるならどこで、どのような形で続けるか
・何年か経験を積んだ後、別の道に進むのか
・そもそも副業としてやるのか本業としてやるのか
・副業をやるならどんな副業をやるか
など、将来のプランをイメージしたうえで就職し、キャリアを積んでいかなければ、いつまで経っても低い水準で働き続けなければならないということになりかねないので、注意が必要です。
「日本語教師になりたい!」だけで就職してしまうのは危険。
充実した日本語教師生活を送るためには、日本語教師になって何がしたいか、その後どのようにキャリアを積んでいきたいかを明確にしておくことが大切!
5.日本語教育能力検定試験の勉強をする
日本語教育能力検定試験は、日本語教師になるために必要な条件の1つです。日本語教師になる前に取得する人も、なってから取得する人もいます。
Twitter上でも毎年多くの人が受験報告をしていますね。
資格について詳しくはこちら↓
日本語教師を目指す多くの人は、日本語教師養成講座(420時間)を修了し、その資格を使って就職先を探しますが、最近では早期にこの検定を取得する人もかなり多くなってきました。
だからこそ養成講座修了だけでは資格として弱いですし、模擬授業の評価や他の経歴等が同じレベルだったら、資格が養成講座修了だけの人より、検定にも合格している人の方が優先採用されるのは自明です。
この検定に合格するために必要な知識が、直接授業のレベルアップに繋がるかといえばそうでもないですが、授業の構成や練習を考えたり、常勤になってカリキュラムを考えたりする際など、「授業中」以外の部分で、基礎として自分をサポートしてくれる知識は多いと思います。
就職の際にも、日本語教師の業務中にも、検定を取得するメリットはしっかりある!
まとめ
いかがでしたか。
続きはPart2で書きたいと思います。
「日本語教師になるためには、とりあえず養成講座を修了すればOKでしょ」
と考えている人もいると思いますが、良い学校への就職を勝ち取り、その後の日本語教師としてのキャリア形成やスキルアップをしっかり進めていくためには、それ以外にもたくさんやるべきことがあります。
・日本語教師で生きていきたい
という人は、ぜひ実践してみてください。
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