【これはダメ…】日本語教師がやりがちな5つのNG説明

文法や語彙の説明をするときに、気を付けておくべきことや、NGな説明フレーズって何かありますか?

外国人相手に日本語の文法や語彙の説明をするときに、どんな言葉が伝わりやすいのか

は、自分がもし “外国語で、外国語を” 学ぶなら、とイメージしてみるといいです。

日本人に日本語を説明しているときと同じ感覚で、特に深く考えずに説明していると、なかなか思ったように伝わらないし、学習者も納得してくれません。

今回は、2つの類似表現の違いを説明するときに、日本語教師が使いがちだけど、実は外国人にはあまり言いたいことが伝わっていない説明フレーズを5つ紹介したいと思います。

*あくまで、「伝わりやすい説明をするために」
・メインの説明としてこのフレーズを使うのは×
・このフレーズを多用するのは×

という視点で書いています。最後にまとめて書きますが、このフレーズは絶対に使ったらダメ!という内容ではありません。

この記事のポイント
✔️2つの類似表現の違いを説明するときに日本語教師が使いがちなNGフレーズを紹介
✔️多用するとNGな文法・語彙の説明と、それがNGな理由が分かる
✔️NGフレーズを分かりやすく言い換えるコツをつかもう
✔️伝わりやすい説明を考えるきっかけに!

それではいきましょう!

1. こっちの方が○○気持ちが強いです

「気持ち」って何ですか?

これは日本人でも人によって感覚や程度が違うので、自分の「気持ち」と相手の「気持ち」にはズレが生じます。

相手が外国人の場合、日本語レベルがよほど高くない限り、そのズレはさらに大きくなります。

たとえば

Aの方がお願いする気持ちが強いです

と説明したとして、仮に

Aはお願いレベル90■■■■■■■■■
Bはお願いレベル60■■■■■■

なら、その違いが使い分けられますか?

「お願いの気持ち」って曖昧なものなので、ニュアンスは伝わったとしても、その後学習者が使い分けられたり、試験問題で正答を選べたりするかというと、疑問が残ります。

この例の「お願い」の場合だと、

依頼内容が相手にとって嬉しいことか嬉しくないことか

家族や友人に使うか、上司や距離のある人に使うか

などの違いによって表現が使い分けできる場合があります。

「気持ちの強さ」が違うという感覚が日本人としてあるなら、その違いがどのような原因から来ているのかを考えてみると、明確に伝えられる違いが見えてくると思います。

類義表現の使い分けについてはこちら↓

2. こっちは○○の強調です

1の「気持ち」と似ていますが、「強調」というのは逃げワードとしては結構便利なので、使いたくなってしまいます。

たとえば

Aの文法は「私は怒っています」ということの強調です

Bの文法は「私」の強調です

このような説明は学習者からすると、「言いたいことは分かるが結局分からん」という印象です。

「強調されている」だけなら、意味用法は同じで程度だけ違うということになるので、これだけだと、1と同じように、結局使い分けができません。

1のように程度の違いや「強調している」と感じる理由がどのような意味用法から来ているかを考えることが大切です。

「強調している」という違いをネイティブ感覚で感じるということは、使用場面の違いがあるということです。

たとえば上述の

Bの文法は「私」の強調です

というところなら、どのような場面で「私」を強調したいのかを考えたら見えてくると思います。

たとえば自分の手柄だと示したいとき、自分の地位や立場を主張したいときなどは、自然と「私」を強調する話し方になりますよね。

3. こっちの方が堅い言い方です

「堅い」のか「くだけている」かは外国人には伝わりにくい感覚です。

どんな場面が「堅い」か「くだけている」かは、国や習慣・文化、もちろん人によっても異なるからです。

この違いを生むのは「使用場面」、そして「聞き手」です。

誰に対して、どのような場所・状況で話しているか(または書いているか)を考えると、この「堅い」という曖昧な言い方の成分が見えてくるはず。

場所は 会社・家・病院・お店…
状況は 感謝・依頼・謝罪・文句・相談…
相手は 家族・年上/年下・上司・部下・友達・知らない人…

などです。この3要素を分析して、伝わりやすい違いを見つけましょう。

4. こっちは○○に焦点が当たっています

文法を分析していると、たとえば以下のような説明を参考書で目にしたり、自分でこのような答えに行き着いたりすることがあります。

・動作の起点・プロセス・着点のどこに焦点が当たっているか
・Aの文法は動作主を強調しているがBは動作そのものにフォーカスされている

実際にこのような違いを持つ類似表現は結構あって、読むと

「あーなるほど、まあ確かに」

とは思うんですけど、学習者にそのままこれを説明してもあまり伝わらないことがほとんどです。

「で、じゃあどうやって使い分けるんですか?」

というところが学習者の知りたいところなので、この説明はこの説明として理解しておいて、学習者に伝わりやすい「使用場面・相手・前後件制限」などの違いをそこから導き出していくことが必要です。

これも1〜3と同じで、どこからその「焦点の違い」が来ているかを考えていく必要があります。

5. こっちは日本人があまり使わない言い方です

この説明は必要ですよ。

日本人が使わない言葉や文法を覚えても、日常会話ではあまり意味がないですからね。

でも、「AとBの違いは?」と質問されて、

Aはよく使う、Bはあまり使わない

という答えでは、違いの説明になっていません。

ここはしっかり使用場面・相手・前後件制限・コロケーションの違いを説明したうえで

「でもBは最近あまり使われなくなりました」

ということを伝えるのが◎です。

類義語・文法の違いを考えるコツはこちら↓

いかがでしたか。

これらの言い方は補足情報としてはもちろんアリですが、このフレーズだけで説明を終わらせてしまうと、学習者は「ちゃんと説明してくれない」と感じることが多いようです。

学習者が納得していないときは、教師の説明を聞いた後、無言になったり、納得できない表情をしていたり、しばらく間をおいてから「…分かりました」と答えたりします。

そういう学習者からのサインを、見逃さないようにしてください。

そうすれば、どんな説明がまずかったのかが、すぐに分かるようになるはずです。

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