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日本語教師の給料、働き方、授業準備!【お仕事大調査!第1弾】集計結果

日本語教師の仕事についてのアンケートの結果

6/27〜7/9まで実施したこちら↓のアンケート調査の集計結果が出ましたので、発表していきたいと思います。

今回の調査では、73名の日本語教師の方にご回答いただきました。
ご回答いただいた皆さま、本当にありがとうございました。

それでは、項目ごとに結果を見ていきましょう!

0. 調査の概要

この調査の概要は以下のとおりです。

  • 調査対象:現役日本語教師の皆さん(ボランティア除く)
  • 回答方法:Googleフォームで作成したアンケート調査
  • 受付期間:2021年6月27日〜2021年7月9日
  • 調査目的:日本語教師の待遇や日本語学校の業務等の実態を知るため
  • 主な質問:勤務形態、待遇、勤務状況、日本語学校の体制等
  • その他①:1人1回答のみ(一部複数回答可の質問あり)
  • その他②:基本的にはコロナ禍の影響は考慮せず回答

1. キャリア・資格・働き方・雇用形態について

[Q1]-[Q8] ここでは主にキャリア・働き方に関する質問を設定しました。


このあたりは、文化庁の日本語教育実態調査と併せて見ると、調査対象による違いが見えていいと思います(ただし、文化庁の調査はボランティアの方も含まれています)。

まとめ
[Q1][Q2]日本語学校や専門学校で、常勤講師・非常勤講師として働いている方が多いことが分かります。ただ、およそ半数は国内の日本語学校や専門学校以外の場所という回答で、オンライン講師や企業への派遣講師など、多様な働き方があることも見てとれます。

日本語学校の仕事について知りたい方はこちら↓

まとめ
[Q3]キャリアは10年以下の方が約75%を占めるという結果になりました。
[Q4]学歴については日本語学校で働いている方が多いこともあり、大卒以上という回答がほとんどでした。
修士以上の方は全体の約20%でした。これは後のコマ給の部分と併せて見てみましょう。

※日本語学校(告示校)で働く時の資格要件はこちらで詳しく解説しています↓

まとめ
[Q5]副業はしていないという方が多かったです。『「日本語の授業以外」の副業』という質問だったので、非常勤やフリーランスの場合、複数の日本語学校やプラットフォームを掛け持ちしている方が多いということだと思います。
[Q6]複数回答ですが、73名中50名の方が検定を取得していると回答しています。私の周りでも、以前は養成講座のみという人が多かったのですが、最近では検定も併せて取っている人が増えてきている印象です。
[Q7]年齢については現在の年齢ではなく、日本語教師を始めた年齢についてお聞きしました。40歳以上と、39歳以下がほぼ半々で分かれる結果になりました。

※ちなみに先述の文化庁の調査(「令和元年度国内の日本語教育の概要」の12ページ)では、現年齢60歳以上の日本語教師が33.4%となっています。この差は、
①文化庁の調査はボランティアも含まれていること
②今回の調査は主としてTwitter上で回答のお願いを行ったこと
が影響していると思います。

まとめ
[Q8]これは僕の個人的興味の質問だったのですが、雇用契約の方が多数派でした。この結果は、このあとの[Q16]でまた思い出してください。

2. 授業日数について

[Q9]-[Q10] ここでは、働き方別に、1週間の授業コマ数についてお聞きしました。

まとめ
[Q9][Q10]どの働き方でも1コマ45分換算で週16コマ以下の方が多かったです。日本語学校の標準的な「1日4コマ」基準で考えると、週2〜4日勤務されている方が多いようです。
ちなみに、法務省告示基準では、教員1人の1週間あたりの授業時間数(/1校)最大で25単位時間(=25コマ)を超えないようにと定められています。働きすぎにはご注意を。

■詳細はこちら(出入国在留管理庁HP)↓
日本語教育機関の告示基準
日本語教育機関の告示基準解釈指針

3. コマ給について

[Q11]-[Q15] ここでは常勤講師の月給や、その他の働き方の場合に授業の対価として支払われるお金(コマ給)についての質問を設定しました。

私の経験や、一般的な日本語教師の給料事情をまとめたこちらの記事↓と併せて見てもらえればと思います。

まとめ
[Q11][Q12]常勤講師の給料は、生活水準や物価などのこともあり、日本国内の方が金額自体は高めなことがほとんどです。
海外での勤務はアジア地域が多いということもその理由の1つだと思います。
ただし寮が完備されていたり色々と補助があったりするところもあるし、物価が安いので、一概に日本国内の方が良い生活ができるという訳ではありません。何より海外勤務は将来的に日本で働くとしても、貴重な経験になりますね。
国内の常勤講師の給与は、先程紹介した別記事でも書いているとおり、20万円前後という方が最も多く、〜29万円という回答が大半を占める形となりました。
まとめ
[Q13][Q14][Q15]ここでは常勤講師以外の方に授業給、いわゆるコマ給について伺いました。平均で言えばフリーランス>日本語学校非常勤>オンラインの順に高くなっています。[Q4]の学歴と照らし合わせて見ると、修士課程以上の学歴をお持ちの方のコマ給は大卒の方と比べると高めでしたが、オンラインに関してはあまり差がありませんでした。

もっと収入を増やしたい!という方はこちら↓

4. その他の手当・残業代等について

[Q16]-[Q22] ここではコマ給以外の手当や給与などについてお聞きしました。

まとめ
[Q16]ここで意外だったのは、[Q8]で雇用契約と回答して、この[Q16]で授業後の採点等には手当が出ないと回答した方が結構多かったことです。
契約形態は雇用契約であるものの、授業への支払い自体は請負契約のような形で前後の業務とまとめてコマ給で支払われているということなんでしょうか。
仮に授業は時給で支払われているのに付随業務に手当が出ないなら、ちょっと問題ですね。
この辺りはより詳しく調査していきたいところです。
ただ、「手当が出る」という回答が約30%もあったのも、意外でした。以前(10年前とか)と比べるとかなり改善してきたのではないでしょうか。日本語学校では、この後処理作業に負担がかかっていることも結構あるので、手当が出る学校が更に増えていってほしいところですね。

残業代と業務委託について知りたい方はこちら↓

まとめ
[Q17][Q18]常勤講師で残業代が出ないという回答が46%もありました。日本語学校の常勤は別記事でも紹介したとおり、かなり多岐にわたる業務をこなしていることが多いし、教務の仕事だけでも少人数ではなかなか回らない量があるので、この辺りは業界全体として変えていかなければならないと思います。
[Q19][Q20][Q21]常勤講師の昇給・ボーナスについては、[Q17]と対照的に制度がある学校が多いですね。
それでも、「残業代・ボーナス・昇給全てなし」という回答もありました。慢性的に人が足りていない日本語教育業界に常勤講師を増やすためには、この辺りの改善が急務です。

5. 授業準備について

[Q23]-[Q24] ここでは授業準備に関わる内容の質問を2つ設定しました。

まとめ
[Q23]4コマの授業準備にかける時間は、3時間以下という方が約64%でした。7時間以上かかっているという方は、下に紹介する記事や、このブログの他の記事を読んでみてください。短縮のヒントが見つかるかもしれません。
[Q24]一昔前は「就業時間中に授業準備はするな」という変な人もいましたがここはほぼ改善されたのでしょうか。ただ、認められていないと答えている方もいますね。何か特別な事情があるのでしょうか。

授業準備にお悩みの方はこちら↓

6. 使用している教科書について

[Q25-26] ここでは使用している教科書について、働き方別に質問を設定しました。

まとめ
[Q25][Q26]「総合テキストとして」どちらを使っているかという質問でした。ここは明らかに日本語学校の方が文型シラバスの教科書の使用率が高くなっています。
私は特にどちらの教科書派でもないですが、これは面白い結果が出ましたね。

7. 研修制度・ICTについて

[Q27-28] ここでは新人教師向けの研修やICT設備がどの程度整っているのかを調査しました。

まとめ
[Q27]研修制度については多くの学校で作られてはいますが、不十分だと考えている方が多いようです。
[Q28]ICT設備は約50%の方が「環境が整っている」と回答しています。これ、コロナ感染拡大が始まる前に聞いておいて、比較したかったですね。ここ1年半ぐらいの間にICT化を推し進めた学校は多いはず。

8. 今後調査してほしいこと

[Q29]今後さらに調査してほしいこと
※【第2弾】で調査してほしいことなどがあれば、自由にご記入ください。

  • オンライン日本語教師といわゆる日本語教師の資格について
  • 男女比、年齢比
  • 学校のICT教材は自宅からアクセス出来ますか。
  • 試験問題作りについて、どれくらいの頻度と密度でおこなわれているか
  • 新人・未経験者への研修内容
  • 学習者に関して
    ・大人、こども、中高生 (生活者、留学生、海外につながるこども、継承語など)
    ・レベル、学習目的(趣味、仕事、アニメ、留学など)
    ・ 授業内容(文法中心、会話中心、検定対策など)
    機会があれば、よろしくお願いします。
  • 授業準備を楽しめなくなった時、皆さんはどうしていますか。
  • 昨年養成講座卒業、日本語教育能力検定合格し、現在日本語学校就職浪人中なので地域別の就職率などがしりたいです。
  • 雇用保険について
  • 学校以外の組織、会社で正社員の日本語教師として働く場合の給料、業務内容
  • 学習者の国籍、勤務している国、副業も合わせた月収
  • フリーランス集客方法
  • 初級、中級のそれぞれの使用テキスト
  • 日本語教師の外国語能力や外国語学習経験について
  • 事務局と教務の仕事分担について
  • 学校と地域ボランティア以外の活動範囲
まとめ
たくさんのご意見ありがとうございます。こちらは次回【第2弾】の調査や、ブログ記事作成の際に参考にさせていただきます。赤字のものは私もすごく興味がありますがあまり詳しくないので、フリーランスや企業で日本語教師をしている方に是非詳しいことを教えていただきいですね📚

9. まとめとお礼

すごく長くなってしまいましたが、今回の調査を拡散いただいた方、集計にご協力いただいた方、そしてご回答いただいた73名の日本語教師の皆様、お忙しい中、本当にありがとうございました。

半分私の趣味みたいな質問もいくつか混ざってしまいましたが、日本語教師のみなさま、そしてこれから日本語教師を目指そうという方の参考になればと思い、今回の調査を行わせていただきました。

私が日本語教師を始めた10年ぐらい前と比べると、多くの部分で事情が変わったり、改善の兆しが見え始めたりしているところもたくさんあって、私たち日本語教師のこれからの働き方や勤め先の日本語教育機関・企業への働きかけ次第で、もっともっと環境や待遇を改善していけるんじゃないか?と思いました。

皆さん働き方は様々ですが、同じ「日本語教師」として、ともに働きやすい業界を作っていきましょう。

お時間のある方は、第2回の調査も併せてどうぞ。こちらは学習者、ICT、副業、日本語教師のお悩みへの回答等をテーマに調査を行っています。

仕事効率化はこちら ↓

新人日本語教師におすすめの本はこちら↓

日本語教師×ICTに特化した本はこちら↓

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