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日本語教師のお仕事大調査!【第2弾】集計結果を発表!

日本語教師の仕事や働き方についてのアンケート

2021年10月8日(金)まで実施したこちら↓のアンケート調査の集計結果が出たので、発表していきたいと思います!

今回の調査では、総勢95名の日本語教師の方にご回答いただきました。
ご回答いただいた皆さま、本当にありがとうございました。

それでは、項目ごとに結果を見ていきましょう!

0. 調査の概要

この調査の概要は以下のとおりです。

  • 調査対象:現役日本語教師の皆さん(ボランティア除く)
  • 回答方法:Googleフォームで作成したアンケート調査
  • 受付期間:2021年9月26日〜2021年10月8日
  • 調査目的:日本語教師の働き方や待遇、日本語教育機関や学習者の実態を知るため
  • 主な質問:勤務地、学習者の特徴、副業と待遇、初級の教材、日本語教師の志望動機など
  • その他①:1人1回答のみ(一部複数回答可の質問あり)

第1弾の調査はこちら↓

1. 調査回答者の構成

まとめ
[Q1][Q2]今回の調査に回答してくださった方の構成です。この2つの質問は回答必須としました。
前回の調査同様、日本語学校や専門学校で、常勤講師・非常勤講師として働いている方が多いですね。
非常勤・オンラインなど、複数を掛け持ちしている方がその次に来ています。この構成を頭に置いて、調査結果を見てもらえればと思います。
なおこれ以降の質問は対象者がそれぞれ限定されており、全て任意回答となっているので、質問によって回答数が異なります。

2. 日本語教師の勤務場所、年齢について

まとめ
[Q3-Q5]勤務地については日本国内では結構ばらつきがありますが、都市部に多く集まっているという結果になりました。求人等も日本語学校は特に都市部に集中していますよね。
海外の勤務地については東南アジアが多数を占め、次点に東アジアが入りました。中国や台湾、韓国などはもっと多いと予想していましたが、意外と少なかったです。ただ、海外勤務の方の回答が少なかったこともこの結果に影響していると思います。
年齢は、20代、30代、40代、50代でほぼ綺麗に四分されるという結果でした。60代の方はかなり少ないですが、これは主にツイッターで呼びかけを行ったことの影響を受けていると思います。実際は60代で活躍されている非常勤講師の方って結構いらっしゃる印象です。

3. 学習者の特徴と背景について

まとめ
[Q6-Q9]このセクションでは、学習者の、日本語学習や留学に対する考え方についての質問を集めました。
この4つの質問は、学習者1人1人ではなく「メイン層について」答えていただいていることに留意してください。
[Q6-Q7]から分かるように、多くは「日本語学校や専門学校に在籍していて、大学や専門学校等への進学を望んで日本に来ている、25歳以下の留学生」だということが分かります。
これは[Q1-Q2]から分かるように、日本語学校や専門学校で働いている先生方からの回答が多いため当然と言えます。
来日目的については進学に次いで就職や特定技能などが来ていて、仕事をしたいと考えている人も結構いることが分かりますね。
ただ、[Q9]で「明確な目標があって来日」が21%となっているように、最初からやりたい仕事や、行きたい大学・専門学校、勉強したいことがはっきり決まっている人はあまり多くないようです。
[Q8]学習意欲については、「やる気があって真剣に取り組んでいる」と「普通」で全体の8割を占める結果となりました。

4. 副業と給料、フリーランス集客方法について

まとめ
[Q10-Q12]このセクションでは、少し普通の日本語教師とは異なる働き方をしている方の給料事情についての質問を設定しました。
[Q10]は前回の調査の際にご要望があった質問です。
日本語学校や専門学校ではなく、一般企業で日本語教師として働いている方に、月収について質問しました。この質問の回答数は5件だったのでデータとしては弱いですが、日本語学校の常勤とあまり差はない数字となっています。
ただし、副業をされている方や、海外で働いている方の回答もあったので、一般企業正社員の日本語教師がこのぐらいの給料と結論づけてしまうのは早計かと思います。
[Q11-Q12]では、副業(または本業)も含めた全ての合計手取り月収について質問しています。
第1弾の常勤講師の給料と比較してみると、19万円以下の割合が減り、30万円以上の割合が多くなっています。20-29万円の部分の内訳は不明ですが、全体的に副業(または本業)を活かして、常勤講師のみの場合より高い収入を確保できていることが分かります。
[Q13]こちらも前回の調査でご要望が挙がっていた質問です。
オンラインPFへの登録と、SNSでのPRで7割を占める形となりました。
特に個人の場合では、LP広告等は活用しにくいのでしょうか。
クチコミも16%を占めており、無視できない数字となっています。

常勤講師・非常勤講師の一般的な給料事情を知りたい方は第1弾結果をご覧ください↓

こちらの記事も参考にどうぞ↓

5. 初級の使用教材とICTアクセスについて

まとめ
[Q14-Q16]初級での使用教材は日本語教育機関と、個人・フリーランスでは大きく割合が異なるのが面白いですね。
また、[Q15]個人・フリーランスでは「総合テキストは使用していない」が4番目に来ています。
[Q16]は、「自宅からでもフルアクセス可能」という方が思っていたよりずっと多かったので驚きました。ここ2年弱の間に急速にICT設備やウェブ授業環境を整えた学校も多いことでしょう。
その分日本語学校や専門学校が、教材データ等の扱いをどの程度しっかり管理しているのかは気になるところではありますが。
学校にICT教材はない、という答えをくださった方もいらっしゃいました…

6. 日本語教師の志望動機と語学スキル

まとめ
[Q17-Q18]やはり語学を教える仕事なだけあって、「外国・外国人に関する仕事がしたかった」「語学が好き・得意だから」という理由が多かったです。
それを表すように[Q18]でも「日常会話や意思疎通が不自由なくできる」外国語として多くの言語が挙がっていました。
ベトナム語ができる人が羨ましい…

7. 記述式質問…アドバイス・不満・コロナ禍の影響

【Q19】授業準備について(全員)
授業準備が辛くなった時、時間がかかるとき、うまくいかないときの対処方法があれば教えてください。

【回答】…

  • とりあえずやるしかない。やっているうちに何とかなる。
  • 寝ます…
  • 一旦やめて!他のことをする。少し寝かせてからもう一度やると、意外とスムーズに進むことが多いので。
  • 費用対効果を考える。また、どこまで何を伝えるかを決める。4時間授業に対して8時間~10時間かかっていた学校は辞めた。
  • 床の雑巾がけと水回りの掃除を徹底的にやる。他業種の人に問いかけてみる。
  • ネットなどで他の先生の準備方法を探る
  • 他の人のやり方を聞く
  • SNSを使う(質問を投稿、情報収集)
  • ない。やるしかないからやるだけです。
  • それを教えるのをやめる(教科書を変えるとか、違う方法で提示する仕方を考える)
  • 一旦諦めます。時間が迫ってくると、何故か気持ちが切り替わってます!
  • ひとまず準備から離れて、気分転換してからまた臨む。
  • 完璧を目指さない
  • ある程度過去の蓄積ができているので、過去の自分からの資産を活用してます。

これは前回の調査で「今後調査してほしいこと」に挙がっていた項目です。

みなさんいろいろ工夫されていて面白いですね。

とにかくやるしかない派と、一旦気分転換に他のことをやる派に分かれるのでしょうか…

「少し寝かせてからもう一度やると、意外とスムーズに進む」というのはすごく共感しました。

「雑巾掛けと水回りの掃除」は何故なんでしょうか… 気になる…

授業準備短縮のコツはこちらの記事にまとめてありますので、よければご参考に↓

【Q20】学校への不満(日本語教育機関)
今の勤務先の日本語教育機関に対する不満があれば書いてください。

【回答】…

  • 手書きの書類が多い(日誌・出席簿等)大手のわりに、ICT化が進んでいない。
  • 勤務態度がとても悪い先生がいる(常勤、非常勤ともに。)全く授業準備をしないで、適当に授業をしている先生がいる。
  • もう少し増やしたかったけど、授業コマが減りました。
  • アルバイト疲れで寝る学生が多い。
  • ベトナム人だけで決めて進める。要望がいつも急で計画性がない。
  • 時給が安い
  • 勤務先1には無し。勤務先2は学生ではなく学校の都合で決まることが時々あるのでそこに疑問を感じています。
  • 教え方に柔軟性がない
  • 持ち帰りの仕事があること。給料が割にあっていないこと。
  • 常勤教師のパワハラ
  • 要望したナレッジ共有システムの導入が却下された

給料、学校方針、教師の質…

日本語学校にはいろいろ問題がありますね。

周りを巻き込んで一つずつ変えていくしかないでしょう。

闇好きな方は、ついでにこちらもどうぞ↓

【Q21】コロナ禍の影響で変わったこと(全員)
あなたの日本語教師の仕事や、所属先の学校などについて、コロナ禍に入ってから、どんなことが変わりましたか。※「給料・勤務日数・在籍者数が減った」というのは除きます(自明なので)。その結果どうなったかや、逆にこういうやり方で仕事や収入が増えた、という事例は大歓迎。そのほかは例えば教室設備や授業形式、仕事のやり方、勤務体制、使用ソフトウェアや教科書、学校の方針等…。

【回答】…

  • 2021年春、勤務校(日本語学校)を雇い止めになりましたが、なんとか大手専門学校に転職。その他企業のオンラインレッスン等の仕事をみつけ、結果的に収入は増えました。オンラインに対応できるかが死活問題です。
  • 在宅勤務と時差出勤が認められるようになった。オンライン授業が導入され、ICTに強い先生と弱い先生で明暗が分かれた。
  • 入国できないので、クラス数が減りました。そのため授業コマが減りました。
  • 学生数の激減により、勤務日数が減った。また定住者支援コースは会場の利用制限によりコース不成立となった。真夏、教室は換気のため窓やドアを開放してエアコンを使用するので、熱中症になりかけた。
  • 5月から現在までフルオンライン授業。プレゼンテーション形式の授業になった。
  • オンラインに対応するようになった
  • 対面クラス途中でのオンライン対応切替に対する準備期間が短くなった。(講師も学習者も)
    非常勤登録の際に、zoom等の対応アンケートが必ずあって、対応が困難な講師は、オファーが減っている。
  • 学校の姿勢がよくも悪くもよく見えるようになった気がします。未入国の学生に対する姿勢や、オンライン授業での自由度など。pptに不慣れな先生がいるとき、一方では勉強会が開かれ、一方ではpptの使用が禁止になりました。
  • 完全リモートで仕事をすることに抵抗がなくなったと思う(自分も周りも)。
  • 学校としてのビジョンのなさが明白になった
  • そもそもコロナ禍に入社したため、あまり違いは分からないが、リモート授業により、テストができなくなったことや、自律学習ができる人と、そうでない人との学力の差が広がったことなど、マイナスに変わったことが多いのではないかと思う。
  • 生徒が来日出来ない。
  • 何も変わっていない
  • 学習者が来日出来ず待機している。学年があがり来日出来ない事が決定した学習者もいる。
  • ICTに忌避感のある講師にICT化を「強要」することができ、業務効率化に寄与していること。使うツールは何でもいいが、新しいものを毛嫌いする人に、とりあえずやってみる機会が与えられたこと。

やはり、オンライン、ICT関係に変化がみられた学校が多かったようです。

一方で動きが遅かった学校はどんどん置いていかれ、回答にもあったように明暗が分かれた形になったのではないでしょうか。

学習者の学習意欲や、学習効果・授業の質の維持についても、頭を悩ませていた方は多いはず。

記述式にもかかわらず、多くのご意見やアイデアをくださったみなさんに感謝です。

個人的にはこのセクションが1番面白かったです(いろんな意味で)。

8. 今後調査してほしいこと

長くなりましたが、最後です。今後調査してほしいことについて聞きました。

  • 「公認日本語教師の試験をみなさん受験されますか」について知りたいです。
  • 皆さん日本語教師としてのモチベーションが下った時はどうしていますか?授業準備や授業を楽しめず辛くなったらどうしていますか?
  • 日本語教師以前の職業。それを現在活かす場面があるか。
  • フリーランスの収入について
  • 学校以外の場所で働く人について、働き方や仕事の見つけ方など。
  • 高校へのアフリカ人留学生への日本語指導の実態
  • 非常勤講師でどれくらい稼いでいるか

今後の参考にさせていただきます。

授業準備については[Q19]が役に立つと思います。非常勤講師の給料は第1弾調査こちらの記事を参考にしてみてくださいね。

いかがでしたか。

今回も多くの先生方にご協力いただき、とても意味のある調査になったのではないかと思います。

ご回答いただいた皆様、そしてSNS等で拡散してくださった皆様、ありがとうございました。

またそのうち第3弾調査、そして新たな企画も計画中です!その際は応援いただければ嬉しいです。

仕事効率化はこちら ↓

日本語教育能力検定試験の勉強にオススメの本はこちら↓

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