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【日本語文法チェック】「日本語がめちゃくちゃ」な人によくある間違いと対処法を簡単解説!

日本語の文法をチェック

日本語の文法が苦手で、よく「文法がおかしい」と言われてしまいます…

「私の日本語はめちゃくちゃだ…」
「日本語の文法がおかしいとよく言われる…」
「日本語って難しくてよく分からない…」

日本人でも、このような悩みを抱えている人は意外と多いのではないでしょうか。

日本語の文法って、大人でも難しいですよね。

インターネット上にも「文法チェッカー」なるものが数多ありますが、文構造上の問題点や細かい類語の違い、丁寧さの違和感等を正確に指摘できるものはほとんどなく、困っている方も多いと思います。

そこで今回は、そのような方に向けて、日本人(の大人)でも間違えやすい文法のポイントを簡単に解説します。

日本語の文法が苦手な人も、この記事を読めば、不自然な日本語を使ってしまうのを避けるコツが掴めると思います。

また、最後のセクションでは、日本語文法の学び直しにおすすめの書籍も紹介するので、そのような本をお探しの方は、ぜひ最後のセクションをチェックしてみてください。

この記事で分かること

✔️日本語文法が苦手な人が間違えやすいところが分かる!
✔️文法がめちゃくちゃでおかしいと言われる原因が分かる!
✔️自然な日本語を書いたり話したりするコツが分かる!

1. 主語と述語の関係がおかしい

作文やスピーチ等で特によく見られるのは、文の中の主役である「主語」と、「何をする・どんな~だ」など、主語の性質や行動などを表す「述語」の組み合わせが一致していないという間違いです。

下の例文を見てください。

?(1)私の夢は、プロ野球選手になりたいです。

この文は不自然ですよね。

そう感じてしまうのは、主語である「私の夢」と、述語である「なりたい」の関係がおかしいからです。

「なりたい」の主語になれるのは、基本的には「人」、特に「この文を話している本人」です。

「私はプロ野球選手になりたいです」であれば、自然に感じます。

しかし、この文では、人ではない「夢」が主語になっているので、違和感が生じています。

このような文脈で「夢は…」が主語になっている場合、自然な文にするためには、最後に「夢」とイコール関係になる名詞を置く必要があります。

(1)’私の夢は、プロ野球選手になることです。
(1)’’私の夢は、プロ野球選手です。

もう一つ例文を見てみましょう。

?(2)ここで注意してほしいのは、一度支払ったお金は返金されません。

これも不自然に感じる文ですね。

この文脈で「のは…」が主語として使われる場合も、文を名詞で終わらせるのが基本です。

ただ、「のは…」を用いる場合、後件が単純な名詞ではなく、注意や発言、説明などの内容になることがよくあります。

その場合に良く使われるのが、「(という)こと」という形です。

(2)’ここで注意してほしいのは、一度支払ったお金は返金されないということです。

また、前に説明した内容の理由や原因を言いたい場合は、「から」で終わる形もあります。

(3)彼が学校に来なくなったのは、数か月前からいじめを受けていたからだ。
まとめ

・主語として現れる言葉に対応した述語を使わないと、不自然に感じる
・述語に名詞が求められる文脈で、文末が動詞や形容詞で終わる間違いが多い

2. 呼応する言葉がセットで使われていない

呼応する言葉というのは、例えば「まるで」を使ったら、そのあとに「ように」や「みたいに」を使う、というような、基本的にセットで使う言葉のことです。

学校教育で、「呼応の副詞」という言葉を聞いたことがある人も多いと思います。

このセットになる言葉が一緒に使われていないと、不自然に感じることがあります。

以下の例文を見てください。

?(1)大学で日本語教師の勉強をして、日本語がいかに難しいと思いました。

この文では、「いかに」という言葉が使われていますが、呼応する言葉が後ろにないので、違和感が生じています。「いかに」という言葉は、そのあとに「か」を伴うのが通常です。

そのため、私たち母語話者は、文中の「いかに」を見たときに、無意識にそのあとに「か」が来ることを期待して読んでいくので、最後までそれがないと不自然に感じてしまいます。

(1)’大学で日本語教師の勉強をして、日本語がいかに難しいが分かりました。

呼応する言葉には、そのほかにも以下のようなものがあります。

・ただ~だけ
・まるで~ように
・もし~たら
・たとえ~ても
・いかに~か

もちろん、この言葉と必ずセットで使わないといけない訳ではありません。

例えば「もし」の場合は、「たら」以外にも、「ば」「なら」なども使えます。

「たとえ」の場合は、「にせよ」「~だろうと」などもよく使われます。

呼応する言葉が分からない場合は、前半の言葉をGoogleなどで検索すれば、ヒットした例文に共通する言葉が見つかります。

もう1つ、呼応する言葉の欠落と似たような間違いの例として、言葉や文法の「前後の制限の無視」が挙げられます。

以下の例文を見てください。

?(2)もう10月か。これからだんだん寒いだろう。
?(3)A君の出席率は、11月からがくんと上がった。
?(4)そろそろ時間になりました。

どれも不自然に感じますよね。

これは、(2)は「だんだん」、(3)は「がくんと」、(4)は「そろそろ」が、後続する言葉に対する制限を持っていることが原因です。

まず、(2)の「だんだん」は、後ろに「変化」の言葉をとるのが通常です。

変化の言葉とは、「増える/減る」や「上がる/下がる」、「~なる」など、文字通り状態や数などが変わることを表す言葉です。

例文では、文末が「寒い」と現在の状態を表す言葉で終わっているので、不自然に感じてしまいます。

(2)’もう10月か。これからだんだん寒くなるだろう。

(3)の「がくんと」の場合、後続に変化を表す言葉が来るのは(2)と共通していますが、それに加えて、「マイナスの」変化という制限が加わります。

そのため、例文の「がくんと上がる」は違和感があります。

(3)’A君の出席率は、11月からがくんと下がった

(4)の「そろそろ」は、「何かの時間や目的地等が近づく」ことを表します。

そのため、過去や完了を表す「た」を伴うと、若干不自然に感じてしまいます。

基本的には、「~ましょう」や「~ます/です/だ」など、現在や未来を表す言葉が共起します。

(4)’そろそろ時間になります

このように、それぞれの言葉や文法表現には、一緒に使うのに相性が良い言葉があります

それらが分からないと、不自然な組み合わせで使ってしまい、相手に「おかしい」と言われてしまうこともあります。

日々の生活の中で、検索や本などを使いながらこれらの組み合わせを少しずつ身につけていくことが、「不自然な日本語」から抜け出すための第一歩です。

まとめ

・呼応する言葉が使われていないと、不自然に感じてしまう
・前後の言葉の組み合わせが間違っていると、違和感が生じる

文法の前後の制限についてもっと詳しく知りたい方はこちら↓

3. 目的語や修飾語が不足している

目的語とは、例えば「ご飯を食べる」の「ご飯」、「パソコンを買う」の「パソコン」など、後続する動作の対象となる言葉を指します。

以下の例文を見てください。

?(1)昨日は友達と新宿で食べました。
?(2)Aさんは数々の大会で受賞しています。

この文を見ると、「え?何を食べたの?」「受賞しました、って何を?」と思ってしまいますよね。

「食べる」や「受賞する」などの他動詞を使う場合、基本的には「何を?」の部分が分からないと、もの凄く気持ち悪く感じてしまいます

(1)’昨日は友達と新宿で中華料理を食べました。
(2)’Aさんは数々の大会で優秀賞等を受賞しています。

修飾語というのは、「いつ」「どこで」「だれと」「どうして」や「かわいい」「3か月前の」など、主語とや述語に関する様々な状況や様子を説明するために付け加える言葉のことを言います。

それがなくても文自体は成立しますが、修飾語がないと説明不足で誤解を生んだり、言いたいことが十分に伝わらなかったりします。

まとめ

・目的語(「~を…」の「~」に入る言葉)がないと、不自然になる動詞がある
・相手が求めている情報が足りないと、誤解が生じたり伝わらなかったりする

4. 類似表現の使い方を混同している

日本語には、似たような意味を持つ文法表現や言葉がたくさんあります

例として、「~するとすぐ」という共通の意味を持つ「~次第」と「~とたん」を紹介します。

以下の例文を見てください。

(1)空港につき次第、連絡してください。
?(2)空港に着いたとたん、連絡してください。
?(3)ドアが開き次第、大勢の客が一斉に降りてきた。
(4)ドアが開いたとたん、大勢の客が一斉に降りてきた。

どちらの文法も、「前件の出来事が起きたあとで、後件の出来事がすぐ起きる」という点は共通しています。

ただ、(1)の例文で「次第」を「とたん」に置き換えることはできず、また(4)の例文で「とたん」を「次第」に置き換えることはできません

これは、それぞれの文法項目に、前後の文脈制限があるからです。

「Aとたん、B」の後件Bには、話者が想定していなかった事態が続きます。
そのため、話者の意志で発している「~ください」などの命令・依頼や、話者自身が意志的に行うことがBに入ることはできません。

一方で、「A次第、B」は、後件Bには自分の意志行動や、相手への命令・依頼が入るのが通常です。

この2つの表現は、説明のために選んだ類似表現なので違いが明確で分かりやすいですね。

また、このような違いは、日本語母語話者であれば自然に身につけているところではあると思います。

しかし、もっと使い方が似ている表現や抽象的な表現の場合、文法や言葉の運用が苦手な人は、使い方が分からないこともあると思います。

類似表現の区別については、日本語教師や専門家でない人がすぐに判断するのは難しいですが、最後のセクションで紹介する本や、以下の記事などを参考にしてみてください。

まとめ

・類似の語彙や文法表現には、前後に共起する言葉や内容の違いがある
・不自然さを感じるのは、一緒に使う表現の選択ミスのせい

5. 一文が長すぎて構造がめちゃくちゃ

日本語が苦手な人は、丁寧に書こうとすればするほど、或いは自分の言いたいことを一生懸命伝えようとすればするほど、自分は何が言いたいのかが分からなくなってしまうことが多いはずです。

最も簡単な対処法は、1文を短くし、内容を伝えたい情報だけに絞ることです。

ブログの文章でもそうですが、逆接や言い換え、理由や詳細などを付け加えすぎると、文構造が怪しくなって、読む人(聞く人)に言いたいことが伝わらなくなってしまいます。

そうならないようにするには、言いたいことの順序を考えて、シンプルな文で書く/話すようにすることが大切です。

以下の例文を見てください。

?(1)父親からすれば、去年からなかなか会えない現状や普段電話でも話すことがない環境だからこそ、直接会えることを楽しみにしてきた印象だったのですが、娘からは楽しみという感情よりも、まるで初対面の人と話すかの如く「そちらはいかがですか?」みたいなノリで、悪気は全然ないのでしょうが、親子以前に「私別に会いたいって言ってないんですけど」みたいな雰囲気を感じる様子だったのです。

これはネット上で見つけた文章を、構造は変えずに内容だけ書き換えたものです。

一文が数行に渡り、何が言いたいのかパッと見で判断するのは難しいですよね。

(そもそも言葉や文法表現の使い方がおかしいことも原因ですが)

これを以下のように書き換えてみましょう。

(1)’父親は、去年から娘になかなか会えず、普段電話で話すこともないので、直接会えるのを楽しみにしてきたようでした。
しかし、娘は初対面の人と話すかのようによそよそしく、まるで「別に会いたいって言ってないんですけど」とでも言いたげな様子でした。

まず、文を2つにすることによって、文章が読みやすくなったと思います。

父と娘の2人の登場人物がいるので、それぞれに1文を充てました。

それを「しかし」を使って繋ぐことで、父と娘の対比が明確になります。

また、「だからこそ」や「みたいなノリで」「悪気は全然ないのでしょうが」「親子以前に」など、大した意味もないのに文構造を見えにくくする部分は削除しました。

小説を書くのでもない限り、このような表現は読み手を混乱させるだけなので、文章をカッコよくしようという目的だけで不必要にくっつける必要はありません。

まとめ

・文を簡潔に、短くする
・接続詞で前後の文の関係を見えやすくする
・不要な修飾は付加しない

6. 文法の学び直しを考えている人へ

このほかにも「日本語がおかしい」「何か違和感がある」と感じられてしまう原因はたくさんあります。

そこで「もっとしっかり日本語の文法を学び直したい!」「自分の苦手な所について、もう少し詳しく知りたい」という方に向けて、文法の勉強やチェックにおすすめの本をいくつか紹介します。

(1)問題な日本語―どこがおかしい?何がおかしい?

2004年に発売され、大ヒットした本です。

直接的に日本語文法の勉強ができる本ではないですが、人々が違和感を抱く表現がまとめられています。

どんな表現が「おかしい」と世間の人に感じられるかを知ることで、自分の日本語について考えてみるきっかけになると思います。

(2)24週日本語文法ツアー

日本語文法について、体系的に知りたい、でも難しい専門書はちょっと…」という人におすすめなのがこの本。

専門用語が分からない人でも読みやすいように、平易な文章で日本語文法の基本が説明されています。

その名の通り24週のツアーを模した構成になっており、1回のツアー(章)は6~8ページ程度なので、忙しい人が少しずつ読んでいくのにも最適だと思います。

(3)初級を教える人のための日本語文法ハンドブック

これは主に外国人に日本語を教える、いわゆる「日本語教師」のための本ですが、文法の基本事項が例文を交えながら分かりやすくまとめられています

解説が「これだけは」「もう少し」「もう一歩進んでみると」と3つの段階に分かれていて、知りたい内容を知りたいレベルまで学ぶことができます

日本語教師以外の人にもおすすめです。ぜひチェックしてみてください。

まとめ

いかがでしたか。

「日本語が苦手」という人が陥りやすい間違いについて解説しました。

まあ厳密に言えば、「正しい日本語」というものは存在しません。

「その日本語は間違っている」という人の言う「正しい日本語」は、「本来の使い方とされてきた意味や用法」というだけで、その使い方が未来永劫絶対的に正しいという訳ではないからです。

言葉は時代とともに廃れ、新たに生まれ、変化するものです。

ただ、この記事で挙げた”間違い”は、今も多くの日本人が違和感を抱き、不自然さを感じるものです。

これらを理解し、改善していくことで、自然で違和感のない、伝わりやすい日本語を書いたり話したりすることができるようになると思います。

「日本語が苦手だ」「文法がめちゃくちゃだ」という悩みを抱えている人は、ぜひ参考にしてみてください。

新人日本語教師におすすめの本はこちら↓

日本語教師×ICTに特化した本はこちら↓

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