日本語の類語の違いの説明って難しいですよね…
調べているときに、類語の違いがよく分からず、授業準備が止まってしまうことがあります…
何とかならないでしょうか?
日本語教師といえども、普段無意識に使い分けている類似表現の違いを、学習者に分かるように簡潔に説明するのは難しいものです。
準備の段階でも、感覚的な部分から生じる違いの「発生源」が分からないことが原因で、モヤモヤしたまま時間だけが過ぎていく…ということもあると思います。
そこで今回は、類似表現の違いを見つけ出すときのヒントになりそうな6つ(6セット)の語彙表現を用意しました。
この6つの例に目を通すことで、語彙の違いの「発生源」にはどのようなものがあるのか?ということを少し知ってもらえるのではないかと思っています。
この「発生源」をいくつ知っているかで、語彙の違いを調べる作業の時間が大きく変わってくると思います。
この記事が好評であれば、他の例についてもどんどん紹介していきたいと思います!
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なお類語の違いの調べ方、考え方の基本はこちらの記事にまとめてあります↓
類似表現の違いの”発生源”を知るための言葉の種
1. 冷える・冷やす と 冷める・冷ます
✔️冷える・冷やす
- 冷たい状態で食べる/飲むことが想定されるものに使う
例○:ビールが冷えている。/スイカを冷やす。
例X:カレーが熱かったので、冷やしてから食べた。
✔️冷める・冷ます
- 温かい状態で食べる/飲むことが想定されるものに使う
例○:コーヒーが冷めてしまった。/スープを冷まして飲む。
例X:ビールは、冷ましてから飲んだ方がおいしい。
2. (場所に)寄る と (場所に)行く
✔️(場所に)寄る
- メインの目的地ではない時に使う(=メインの目的地の時には使わない)
例○:学校に行く途中で、コンビニに寄る。
例X:学校に寄る途中で、コンビニに行く。
✔️(場所に)行く
- メインの目的地のときもOK
例○:今日は図書館に行って、勉強する。
例X:ー
3. 嫌がる と 嫌う
✔️嫌がる
- その場での一時的な感情や態度などの様子に使う
例○:「ほら、嫌がってるでしょ、やめてあげて!」
例X:「意地悪な部長は、部下皆んなに嫌がられている」
✔️嫌う
- ある程度の期間続いている感情や態度などの様子に使う
例○:田中さんは鈴木さんのことを嫌っている。
例X:「ほら、嫌ってるでしょ、やめてあげて!」
(これが×なのは、次の4で挙げる「状態か一時的か」の影響の方が大きいかも)
4. 嫌だ と 嫌いだ
✔️嫌だ
- 一時的なこと、その場の出来事などについての感情や態度に使える
例○:「ねえ、今日カラオケ行こうよ」「嫌だよ」
例X:昔から勉強が嫌だ。
✔️嫌いだ
- 継続的な感情や態度などに使う。その場のことには使いにくい
例○:昔からカラオケは嫌いだ。
例X:「ねえ、今度ご飯行こうよ」「嫌いだよ」
5. 気に入る と 好む
✔️気に入る
- 具体的に対象が限定されている時に使う
例○:マリさんは、恋人にもらった青いマフラーをとても気に入っているみたい。
例X:マリさんは、いつも無地の服を気に入って着ている。
✔️好む
- 具体的に対象が限定されていない時も使える
例○:マリさんはいつも無地の服を好んで着ている。
例X:ー
6. (時間が)過ぎる と (時間が)経つ
✔️過ぎる
- その時間がゴールというときには使いにくい
例○:日本に来てから、1年が過ぎた。
例X:お湯を入れて、3分過ぎたら出来上がりです。
✔️経つ
- その時間がゴールというときにも使える
例○:お湯を入れて3分経ったら、出来上がりです。
例X:ー
まとめ
いかがでしたか。
今回は【Part1】と題し、N3レベルでよく違いが質問される語彙を6つ紹介しました。
今後もこのような類似表現の違いを見つけるための「言葉の種」を、皆さんに紹介していければと思っているので、よければ楽しみにしていてください。
まだまだ類似表現の違いを見つけるヒントはたくさんあります!
知れば知るほど、日本語教師として成長でき、授業準備も楽しくなってきますよ。
一緒に頑張りましょう📚
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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