いつも「授業時間が余ったらどうしよう」とドキドキしてしまいます…
私も日本語教師を始めたばかりのときは、同じような悩み(というか恐怖)を感じることが結構ありました。
時間が足りなくなることよりも、時間が余ることの方が怖かった。
やることがたくさんあることよりも、やることがなくなることの方を恐れていた気がします。
時間が足りなくなる原因はいろいろありますが、今回はそこは置いておいて、時間が余ったときに簡単にできる活動、その中でも言葉を使ったミニゲームを紹介したいと思います。
今回のポイントは
②日本語の練習になる
③ルールが理解しやすい
④どのレベルのクラス・学習者が相手でもできる
⑤10分〜15分程度の時間を使える
ということです。
基本的には、授業でやるべきことを全て終えて、最後に10分〜20分程度時間が余ったときに活用するのがオススメです。
こういうゲームで盛り上がりすぎて、本来やるべきことを圧迫してしまったら本末転倒なので、気をつけましょう。
まだ時間配分に慣れていなくて毎日の授業が不安な方や、授業項目が少なくてどうやって時間を使ったらいいか迷っている人は、ぜひ参考にしてみてください。
また、こちら↓の記事では、中級~上級用のミニゲーム・活動をまとめて紹介しているので、併せて読んでみてください。
・簡単な活動の引き出しを増やし、授業時間が余ることに対する不安を減らせる!
1. 言葉ゲームの王道、でも無限のやり方がある「しりとり」
しりとりは語彙の整理や復習、頭の体操などとして気軽にできる言葉ゲームですが、日本語のしりとりをやったことがある外国人はそんなに多くなくて、皆結構楽しんでやってくれます。
ただ単純にしりとりをするだけでは面白みがないので、例えば
②「3文字の言葉」「動物の言葉」「学校にあるもの」などの縛りを入れてしりとり
③制限時間を設けて緊張感のあるしりとり
④あらかじめ教師がしりとりを作っておいて、穴埋めクイズとして実施
⑤語彙のレベルを制限してしりとり(初級の語彙は除く、N1の本で出てきた語彙のみ使用とか)
などをやると盛り上がるし、日本語の語彙を考える練習にもなります。
2. 語彙の引き出しが整理できる「言葉集めゲーム」
ある条件に当てはまる言葉を、制限時間内でできるだけ多く考えるゲームです。
例えば
②「カ」で始まる言葉
③プラスの意味の形容詞
④「さんずい」の漢字
などなど。この条件は結構無限にあると思います。
頭文字、文字数、品詞、+/ー、漢字…などを組み合わせるとレベルに合わせて色々な条件が作れますね。
これは3人ぐらいのチームを作って、チーム戦で制限時間を設けてやるのがお勧め。時間が終わったら各チームの解答をWB等に板書してもらって、答え合わせをして1番多く正しい答えを考えたチームを勝ちとします。
3. 言葉の発想を鍛える「ひらがなで語彙作りゲーム」
このゲームのルールは
②チーム分けをする(クラス授業の場合)
③出してもらったひらがなを板書してクラスに共有
④そのひらがなを使って、制限時間内にできるだけ多くの言葉を作ってもらう
⑤2文字の言葉は1点、3文字の言葉は2点、4文字の言葉は3点…とポイント制にする
⑥制限時間が終わったら、各チームの解答をWB等に板書してもらう
⑦答え合わせと集計、優勝チームの決定
こんな感じです。
例えば①でひらがなを7文字と規定して、出てきたひらがなが「と か め せ も だ ち」だったら、この7文字を1回ずつ使ってできる言葉を考えてもらいます。例を挙げると…
・「と か め せ も だ ち」…ともだち(友達)…4文字なので3点
のようなものができますね。このようにしてできる言葉をできるだけたくさん考えてもらいます。
経験上、「い」や「ん」、「う」は出現頻度が高いので、初級等では入れておいた方が学習者から解答が出てきやすいです。
4. 日本語での想像力を育てる「私は誰でしょう?ゲーム」
出題者があるお題(名詞が◎、例えば動物とか)を決めて、それ以外の人が質問をして、お題を当てるゲームです。
1つは教師がお題を決めて出題者になって、学習者が質問をして答えを当ててもらうパターン。
この場合は質問の数を制限するとか、初級だったら「形容詞を使って質問する」とかテーマを決めるのがいいと思います。
こっちの方が流れは作りやすい。
もう1つは学習者が出題者になるパターン。これもやり方は基本的に同様ですが、テレビとかでよくあるように、グループで円になって、自分のお題をおでこに貼って(自分には見えないようにして)、自分のお題を当てられた人から抜けていけるルールにするのも面白いと思います。
ただしその場合だとお題のカードとかちょっと準備がいるかもしれません。
5. 口ならし、発音練習にもなる「早口言葉」
初級はちょっと難しいかもしれませんが、早口言葉も結構鉄板で盛り上がります。
レベルに合わせたものを選ぶのが大切ですね。
✔️それぞれ練習して、準備ができた人から言いにきて、言えたら帰れる/宿題やってもいい
✔️全員言えるまで帰れません
✔️早口言葉のディクテーション
上記のようなやり方があります。
また、既存の早口言葉だと意味が分かりにくいこともあるので(意味なんかあってないようなものだけど)、既習語彙で学習者が発音が苦手な語彙を集めて適当に文を作ってもいいと思います。
たとえば「病院」と「美容院」「おばさん」と「おばあさん」、「正直」と「掃除機」とかを入れた1文を作って早口言葉のように遊んでみると、結構盛り上がって熱心に取り組んでいる人が多かったです。
また、早口言葉をやるときは必ずと言っていいほど、学習者も母国の早口言葉を紹介してくれるので、それも面白いです(日本語の練習とは関係ないけどね)。
6. 学習者の考え方や価値観が見える「答えを合わせるゲーム」
このゲームの流れは以下のような感じです。
②教師か司会者が問題を出す(例えば「日本人が1番よく使う形容詞は?」とか)
③5人/5チームが解答を同時に出す
④答えが一致してたら次の回答者へ、一致しなかったら違う問題へ
⑤以下繰り返し
テレビとかでよくあるやつですね。
質問は、「日本の首都は?」みたいな事実・知識を問う問題よりも、主観的な問題の方が難易度も上がるし、面白いと思います。
例えば「日本で1番美しい場所は?」など。
国によって発想や感覚が違うので、その辺りを肌で感じるのにもいいゲームだと思います。
質問のレベルや種類を変えれば、初級〜上級までどのレベルでも楽しむことができるゲームです。
まとめ
いかがでしたか。言われてみれば子供の頃にやったような内容ばかりだった、という人もいるかもしれないですね。
でもこのような活動は授業時間が余ったときの応急措置としては万能です。
もちろん授業で勉強したことの復習をやるのもいいですが、たまにはこういう簡単な(でも頭は使う)練習を入れるのも、学習者にとっては息抜きになっていいのではないかと思います。
もちろんこれを多用しすぎるのは禁物です。
でも
日本語教師は、こういうアイデアの引き出しをたくさん持っておくことが大切だと思います。
それだけで、授業に臨む際の心の余裕が全く変わってくるからです。
時間が余ることに不安を感じている人は、ぜひ参考にしてみてください。
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