この記事はPart1⬇︎の続きです。
✔️もっと日本語教師としての収入を増やしたい!
✔️日本語教師として働きながら、余裕のある生活をしたい!
【Part1】では、
日本語教師としての収入を増やすには自分から行動を起こすことが不可欠
という考え方のもと、収入を増やすための準備段階で必要なことについて紹介しましたが、この【Part2】では、いよいよ実際に収入を増やすためにどのような行動を起こしていけばよいのかを説明していきたいと思います。
【実践編】です。
それではスタートです!
【Part1】のおさらい
まずは前回のおさらいをしておきましょう。【Part1】で紹介した項目はこちらです。
②自分の価値を上げる
③人脈を広げておく
④仕事の効率化・時間捻出のスキルを身につけておく
行動を起こすためにはそれなりのスキルと立場、環境構築が必要です。
そのために必要な行動、身につけておくべきスキルや知識について紹介しました。
より詳しく知りたい方はこちら↓
では、ここから実践編です。
1. 引き受ける仕事量を増やす
収入を増やす最も簡単な方法は、引き受ける仕事量を増やすことです。
分かりやすい例で言うと、勤務日数を+1日すればその分収入は増えますね。
当たり前ですが、収入を増やすための最も確実で簡単な方法です。
ただ、授業に入るコマ数を増やすだけでは、効率がいいとは言えません。
ここで重要なのは、
今いる環境で他に仕事がないか探すこと
です。授業日数を増やすのはその一例です。
日本語学校でもそれ以外でも、実は結構色々な仕事が転がっています。
✔️今の環境で与えられている仕事を積極的に引き受けて給料アップ
✔️日本語学校内でもそれ以外でも色々な仕事のチャンスがある
ここでその一部を紹介します。
(1)日本語学校
✔️進学指導(出願指導・志望理由書指導・面接練習・研究計画書指導(大学院)…)
✔️日本語以外の授業(理科、英語、総合科目、数学…)
✔️教材、試験作成
✔️派遣講師、海外出張
✔️通訳・翻訳
✔️ウェブコンテンツ作成(ホームページ、ブログ、SNS、Eラーニング…)
この辺りは非常勤講師でも結構やっている人が多い仕事です。
クラス担任は月ごとに固定手当がつく場合が多いですし、進学指導は出勤日の授業前後に1〜2時間程度入れると、そこまで負担なく収入を増やすことができます。
教材作成や書類の翻訳などを請け負うことができれば、自宅でもできるので、(締切はあるにしろ)好きな時間に仕事をすることができますね。
ここで覚えておいて欲しいことがあります。
このような仕事はオフィシャルに募集される場合もありますし、内部で適任者に直接オファーが来ることもありますが、
勤務先から依頼されるのを待っているだけでは、十分ではない
ということです。大切なのは、
依頼されないなら、自分から学校側に働きかけを行うことです。
私も非常勤講師時代に勤務校で翻訳・通訳の仕事をしたり、学校と現地提携先との交流事業に参加したりしていました。
これは常勤の先生にこのような仕事をしたいと常々話していたから得られた仕事だと思っています。
自分から「○○円でこの仕事できますけど、どうですか〜?」と学校に営業をかけるのがなかなか難しいという人は、自分がどんな仕事がしたいのか、またどんな仕事が得意なのかを学校側にアピールするのも有効だと思います。
そうすれば、学校側が仕事を依頼する人を探すときに候補に上がる可能性が高まるからです。
✔️自分の働き方にあった仕事を狙う
✔️待ってるだけじゃ始まらない
✔️自分から営業をかけるのが苦手なら、学校側にやりたい仕事や強みを常々伝えておく
(2)その他
✔️教材、ウェブコンテンツ作成
✔️派遣講師、オンライン講師
✔️プライベートレッスン
…フリーランスの方がよくやっていることも、日本語学校の非常勤や常勤でもやる気次第でできます(常勤の方は副業OKか確認してくださいね)。
オンライン講師は自分から動けばいつでもできますし、プライベートレッスンは外国人の知り合い(や外国人の知り合いが多い知人)が多ければ多いほど頼まれやすいですね。オンラインでも対面でもできるし、始めやすいのでオススメです。
セミナーや講習会は人数さえ集まれば、1対1の授業より効率的な収入アップが見込めます。
こちらは(1)よりももっと「待ってるだけじゃ始まらない」仕事だと思います。【Part1】で紹介した「人脈」や「スキル」を生かして仕事をもらえるように積極的に働きかけていきましょう。
2. 自分で仕事を作り出す
「私の環境ではそんな仕事のチャンスない…」
「今ある学校でオファーされてる仕事の中には、私にできそうなものがない…」
という方もいると思います。
そういう場合は簡単な方法があります。
自分で作り出すことです。
オファーがないというのは、既にそういう仕事の担当者がいる場合と、そもそもその学校ではそういう業務が存在しない場合と2つあると思いますが、後者の場合はチャンスです。
その学校では誰もやってないということは、始めれば先駆者になれるということです。
一例を紹介します。
✔️通訳・翻訳
✔️セミナーや講習会の実施
✔️新たな価値を持つ授業の提案(大学院指導・PCスキルなど)
✔️留学生の紹介
■教材・試験やウェブコンテンツ
自主制作した教材、試験やウェブコンテンツを学校側に売り込みます。
ウェブ上で日本語教師向けに販売している人もいますが、信頼とスキルがないと、見ず知らずの個人に買ってもらうのはなかなか難しいです。
ただし所属校への売り込みはそれほどハードルが高いものではありません。
自分の所属校の場合、足りないものやニーズが明確に分かるという大きなメリットがあるし、信頼も得やすいからです。
所属校に足りない部分を補填できるような教材を作成して売り込めば買ってくれるチャンスは十分あります。
それがうまくいけば他校への営業をしたり、SNS等を活用して個人向けに展開したりすることもできます。
■セミナー・講習会
セミナーや講習会は、所属の学校の教師向けにやると人数が集まりやすいです。みんな知り合いなので参加しやすいですしね。ここは学校との交渉次第になりますが、参加者からそれぞれ参加費をもらうか、学校側から講習の担当手当をもらうかです。常勤の場合は、手当は出せないと言われることもありそうですが、そこは交渉次第です。
うまくいけばこれも外部向けに展開していけます。
例えば2020年の4月ごろは、zoomの使い方講座などはかなり需要がありました。
■新たな価値を持つ授業の提案
学習者相手の授業についても、「所属校はやりたいと考えているけど適任者がいない」というニーズを捉えることが重要です。
…
通訳や翻訳、セミナーなどはSNSをうまく使えれば、より幅広い相手に売り込むことができますね。
外部向けをメインに展開していくなら、【Part1】で構築した人脈も生かしながら進めていくことが実現への近道です。
✔️オファーされている仕事がなければ自分で作ればいい
✔️形を完成させたうえで所属の日本語学校に売り込むのが1番
✔️常勤でも非常勤でもできる
✔️学校にニーズはあるが適任者がいない部分を探す
✔️SNSを使えばもっと幅広く売り込みが可能
3. 会社の収益を増やして給料アップ(常勤講師向け)
最後に紹介したいのは、常勤講師が副業をやらずに給料を上げる方法です。
常勤講師の給料はこちらの記事↓でも紹介していますが、大体月に20万円前後が普通で、30万円を超える人はあまりいません。
現状の常勤日本語教師の給料が低いのは以下のような理由があるからです(少なくとも私のこれまでの経験からはこう感じます)。
だからこそ日本語教師(常勤)の仕事だけで給料を上げるためには、会社に収益をもたらす仕事に積極的に取り組んでいくことが重要です。
「個人でやって自分の収益にした方がよくない?」
と思った人もいると思います。それももちろんあり。
でも、学校の事業としてやると、以下のようなメリットがあります。
✔️個人より外部の人に信頼してもらいやすい・人数が集まりやすい
✔️学校の設備や施設が使い放題なので大きいことがやりやすい
✔️無駄なコストがかからない
✔️一度うまくいけば「副業」ではなく「本業」の給料が上がる
以下に一例を示します。
✔️有料授業
✔️オンライン授業サービス
✔️地域向け外国語教室
✔️教材コンテンツの販売
✔️通訳・翻訳サービスの展開
■内部・外部向けセミナー・講習会・試験対策授業
内部・外部の日本語教師向けにセミナーや講習会を行います。内部向けは無料でやっている学校も多いです。外部向けは、例えば参加費を1回1人2,000円に設定して、毎回受講者を20人程度集めて実施できれば理想的ですね。
「試験対策授業」は、日本語教師や日本語教師を目指す人向けの検定対策講座です。外国人向けは次の項目で。
■有料特別授業
これは通常授業以外の授業を有料オプションとして追加する方法です。通常授業にさらにプラスでJLPT・EJU対策に特化した授業や、PCスキル・英語・その他の言語、関西弁の授業など…。ニーズさえあれば何でもいいと思います。
在籍者に対して有料で授業を行うことによって、収益を得ることができます。
外部向けに開放してもよいと思います。
また、オンラインなら地域、国などの制約もないので展開しやすいですね。
■地域向け外国語教室
外部の日本人向けに、外国語の授業を行う方法です。
在籍している留学生にアルバイトとして働いてもらってやるのがいいと思います。
語学スクールなどよりは価格帯を下げて、受講者が手軽にネイティブ講師と会話練習したり質問したりできるチャンスを作れば魅力があると思います。
留学生が講師でこちらは運営をやってもいいし、協力して講師を担当するのでももちろんいいと思います。多くの外国人が在籍しているのは日本語学校の強みなのでこれを生かさない手はないですね。
…
以上、日本語教師が日本語学校に直接的な収益を生み出す方法を紹介しましたが、もちろんこれで終わったら学校の収益が増えるだけなので、このような取り組みを成功させ、安定した収益を出せるようになったら、経営サイドと給与・手当・昇進などについて交渉してください。
経営者の性格にもよるとは思いますが、基本的にはビジネスの世界では結果が全てと言われる通り、実績がないと給料は上がりにくいです。
「こういう事業を頑張って展開しようと思うので給料を上げてください」より
「こういう実績を作ったので給料を上げてください」の方が経営者側からするとOKしやすいですよね。
僕は前者の方がモチベーションが上がりますけどね!
自信があるなら、「こういう事業で○円の収益が見込めます。実現できたら給料上げてください」っていうのもありですね。
このあたりは自分や経営者の性格に合った交渉法を選んでください。
✔️日本語教師の仕事は収益を直接生み出す部分が少ない
✔️収益を生む事業を作れば評価は上がるし、給与交渉もしやすくなる
✔️会社のシステムや資金、設備、ネームバリューなどを使えば大きいことがやりやすい
✔️実績が作れたら、経営側と交渉しよう
4. 番外編 ー教師が正当に評価される人事システムー
これは収入を増やす方法、というより、良い講師が良い待遇を受けられる環境を作るために常勤講師の人に取り組んでほしい項目です。
日本語学校には、まだまだ待遇がよくないところが多いですが、その原因の1つとして、教師の評価システムがしっかり確立されていないということがあります。
昇給の条件として、勤続年数(つまりは年1〜2回の定期昇給)しか設定されていないところも結構多いのではないでしょうか(それすらないところもあるようですが)。
僕は
勤続年数が同じだったら、努力も能力も学習者からの評価も関係なく同じ給料という考え方はおかしいと思います。
常勤でも非常勤でも同じことが言えます。
非常勤なら学習者/常勤講師からの授業評価がコマ給に、常勤ならそれに加えて6で紹介した項目の実行力、その他の業務量や処理能力などが給料に反映される制度を作るべきです。
やる気と向上心のある教師が正当に評価されて給料が上がっていくシステムを敷く学校が増えれば、良い教師は増え、適当にサボっている教師は駆逐されていきます。
そうなれば学校、ひいては日本語教育業界全体のレベルアップにも繋がると思います。
教務主任や教頭、校長の立場にいる人や、学校の中で自由に意見を言ったり制度を作ったりできる立場の人が、こういう制度を作るために積極的に動くことが必要だと思います。
✔️給料が経験や勤続年数だけで決められてはモチベーションが上がらない
✔️学習者満足度や学校への貢献度、業務量などが正当に評価される人事システムを作るべき
✔️教師の評価・査定制度を作れる/意見を言える立場の人が積極的に動くことが必要
ー
…いかがでしたか。
収入アップの糸口が見えてきましたか。
いずれにしても黙って働いているだけでは収入が上がりにくい業界です。嘆いているだけでは何も始まりません。積極的に行動を起こしていきましょう。
「そんなの誰もやってない…」「常識的に難しい…」と言ってる人の現状は変わらないです。
嘆いてる暇があったら、まずやってみて?
失敗したらそれを糧に次のステップへ行けばいいです。
ちなみに、この記事では日本語教師としての収入を増やす方法に重きを置いて説明しましたが、日本語教師以外の副業をやるのももちろんありです。
ー
【Part1】がまだの方はこちら↓
仕事の効率化はこちら↓
新人日本語教師にオススメの本はこちら↓
一般的な日本語学校の仕事内容はこちら↓
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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