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外国人が受ける日本語能力試験(JLPT)ってどんな試験?【公式より分かりやすく解説!】

basic and efficient information about JLPT

日本語能力試験(JLPT)ってどんな試験なのでしょうか。

この記事では、日本語能力試験(JLPT)について、以下のような情報をまとめています。

  • 試験日程、会場、申し込み方法、受験料
  • 試験のレベル、問題形式、試験時間
  • 合格率、結果発表の時期、結果の活用方法
  • 過去問の情報、試験対策にオススメの本

JLPTについて知りたい方に、必要な情報を、公式サイトより分かりやすくお伝えします。
ぜひ参考にしてみてください。

なお、この記事にある各データ(受験者数、合格率、試験時間等の数値)については、日本語能力試験公式サイト(https://www.jlpt.jp/)よりお借りしています。

こんな人にオススメ!

・日本語能力試験(JLPT)のレベルや内容について知りたい!
・JLPTの日程や受験料などの情報をまとめて手に入れたい!
・知り合いの外国人がJLPTを受けるので、サポートしたい!
・試験の情報を把握して、外国人への日本語指導に活かしたい!

1.日本語能力試験(JLPT)ってどんな試験?

日本語能力試験とは、日本語を母語としない人を対象とした、日本語レベルの測定・認定を行う試験です。

基本的には日本人ではなく、外国人を対象とした試験で、その結果は就職や進学、国家試験の受験資格など、様々な場面で日本語能力を証明する際の資格として活用できます。

受験者数は2022年7月実績で国内は約14万人、海外は約22万人、合計で約36万人ほど。

ただ、コロナ禍前の2019年までは年々受験者数が増加を続けていました。

2019年12月の試験では、国内約24万人、海外約38万人の合計約62万人が受験していました。

いずれにしても、様々な目的・環境の日本語学習者がいて、様々な試験がある中で、最も知名度が高く、受験者数も多いのがこの日本語能力試験(JLPT)だと言えます。

2.試験の日程・会場・申し込み方法は?

このセクションでは、JLPTの開催日程や受験方法、試験時間等の基本情報を紹介します。

(1)試験日程、会場

JLPTは7月と12月の年2回開催されます。毎年7月と12月の第1日曜日が試験日となります。

2023年は、7/2(日)と12/3(日)の予定です。

日本国内においては、47都道府県全てで開催されており、住む場所に関わらず受験することができます。試験会場は毎回変わりますが、大抵の場合大学等の教室が会場として設定されます。

なお、同じ都道府県の中でも、複数の会場が設定されています。
たまに不便な(というか都市部から時間がかかる)会場が設定されていることもあるので、下見はするに越したことはありません。

試験会場は、受験票への記載で知らされます。

海外では中国や韓国などを中心に、52の国・地域、141都市で実施されています(2022年7月実績)。

(2)申し込み方法・受験料

インターネットで申し込みができます。

2019年までは郵送での申し込みができましたが、2020年からはインターネット受付のみになっています。

日本国際教育支援協会(JEES)のウェブサイトから、「My JLPT ID」とマイページの作成を行い、名前や受験レベル等必要事項の入力を行い、受験料を支払うだけです。

ここで登録作業を行っておけば、結果もインターネットですぐに照会できるし、2回目以降の受験の際にも、個人情報の入力等が省略できるので便利です。

この試験は、最も基礎的なN5から、応用レベルのN1まで5つのレベルがありますが、受験料は各レベル共通で7,500円です。

なお、日本語学校等でまとめて申し込む場合は、団体申し込みもできます。

団体受験について詳しくはこちら(外部サイト)を参考にしてみてください。

(3)試験時間

試験時間はレベルによって異なります

また、高レベルなN1・N2と、それ以外のN3〜N5では、試験のセクション構成自体は同じですが、試験時間の割り振り方が異なります。

【N1・N2】(各セクションの間に休憩40分)

レベル言語知識(文字語彙・
文法)・読解
聴解合計
N1110分55分165分
N2105分50分155分

【N3〜N5】(各セクションの間に休憩30分)

レベル言語知識
(文字語彙)
言語知識
(文法)・読解
聴解合計
N330分70分40分140分
N425分55分35分115分
N520分40分30分90分

なお、2022年12月の試験から、N1・N4・N5の問題数が若干変わり、試験時間が短くなった(表内は反映済)ので、注意しましょう。

変更について詳しく知りたい方は、こちら(外部サイト)を参考にしてみてください。

3.試験のレベルは?

2のセクションでも書いた通り、この試験には、最も基礎的な「N5」から、応用レベルの「N1」まで、5つのレベルの試験があります。それぞれが完全に独立した試験です。

N5 N4  N3  N2 N1
易しい難しい

各レベルの認定の目安について、公式サイト(https://www.jlpt.jp/)では、以下のように定義されています(一部抜粋)。

N5(最も易しい)

基本的な日本語をある程度理解できる
・ひらがなやカタカナ、日常で使われる基本的な漢字で書かれた日本語が理解できる。
・教室や身の回りなど、日常生活でよく出会う場面で、ゆっくり話される短い会話であれば、必要な情報が聞き取れる。
HAIBARA
HAIBARA

自己紹介をしたり、最低限の要求を伝えたりできるのがこのレベルです。

単純な事実(いつ、だれが、どこで、何をしたとか)は伝えられる/理解できる能力があります。

N4(2番目に易しい)

基本的な日本語を理解することができる
・基本的な語彙や漢字を使って書かれた身近な話題の文章が、読んで理解できる。
・日常的な場面でゆっくり話される会話であれば、内容がほぼ理解できる。
HAIBARA
HAIBARA

N5より理解できる場面や言葉の種類が増えます。

最低限の日常生活でのコミュニケーションは、大体支障なくこなせるようになります。

N3(真ん中のレベル)

日常的な場面で使われる日本語をある程度理解できる
・日常的な話題について書かれた具体的な内容を表す文章が、読んで理解できる。
・新聞の見出しなどから、情報の概要が掴める。
・日常的な場面でやや自然に近いスピードのまとまりのある会話を聞いて、話の具体的な内容や登場人物の関係などがほぼ理解できる。
HAIBARA
HAIBARA

この辺りから日本語レベルが大きく上がってきます。

話したり聞いたりできるスピードが速くなり、理解できる内容も増えます。

このぐらいのレベルから、コミュニケーションがうまい学習者はコンビニや居酒屋などでアルバイトをしています。

N2(2番目に難しい)

日常的な日本語に加えて、より幅広い場面で使われる日本語がある程度理解できる
・幅広い話題について書かれた新聞や雑誌の記事、解説、平易な評論など、論旨が明快な文章が理解できる。
・幅広い場面で、自然に近いスピードのまとまりのある会話やニュースを聞いて、話の流れや内容、登場人物の関係や要旨が理解できる。
HAIBARA
HAIBARA

このレベルから、「幅広い場面で…」という文言が入ってきます。

日常的な場面だけでなく、ある程度専門的な内容の文章を読んだり、話を聞いたりできる能力が想定されています。

あまり専門的すぎない内容であれば、特に日本語→母語への通訳ぐらいはこなせるようになります。ある程度レベルの高い大学への進学も視野に入ってきます。

N1(最も難しい)

幅広い場面で使われる日本語が理解できる
・幅広い話題について書かれた新聞の論説、評論など、やや複雑な文章や抽象度の高い文章が理解できる。
・幅広い場面で、自然なスピードのまとまりのある会話やニュース、講義を聞いて、詳細や要旨が理解できる。
HAIBARA
HAIBARA

現時点でこのN1が最高レベルです。

読解や聴解の文章の内容も、専門性の高いものや、抽象度の高いものへと変わってきます。

上位の大学や大学院などは、このN1の取得を受験資格にしているところがたくさんあります(ただし大学は多くの場合、EJU「日本留学試験」の点数の方が重要になります)。

このレベルだと、極度に専門的な内容でなければ、日本人と対等に近いレベルで話せる人もたくさんいます。

4.問題形式は?

このセクションでは、試験の内容や問題形式について解説します。

ちなみに、日本語能力試験は、すべて4択または3択のマーク式になっています。

(1)言語知識(文字・語彙)

漢字の読み書きや、語彙の使い方について問われるのがこのセクションです。

漢字読み

全てのレベルで出題される問題です。
線が引かれた漢字の、文中での読み方を答える問題です。

Q:日本の人口は減ってきています。
1.にんこう 2.じんこう
3.にんくち 4.じんくち

表記

N1以外のレベルで出題されます。
線が引かれたひらがなの言葉にあたる漢字を選ぶ問題です。

Q:毎日1時間ぐらいうんどうしています。
1.運働 2.軍動
3.運動 4.軍働

語形成

N2レベルだけで出題される問題です。
( )に漢字やカタカナなどを入れて、1つの言葉を作ります。

Q:(  )品質な商品を輸入する。
1.真 2.強
3.本 4.高

文脈規定

全てのレベルで出題される問題です。
文中の(  )に入れるのに適当な言葉を選びます。

Q:ジョンさんは、お兄さんに(  )だ。
1.そっくり 2.ぐっすり
3.ぴったり 4.しっかり

言い換え類義

全てのレベルで出題される問題です。
線が引かれた言葉と最も意味が近い言葉を選ぶ問題です。

Q:日本人と話す機会が少なくて、困っている。
1.アイデア 2.コース
3.ステージ 4.チャンス

用法

N5以外のレベルで出題される問題です。
指定された言葉の、正しい使い方を答える問題です。

Q:接続
1.スマホがあれば簡単に友達と接続できる。
2.詳しい情報は、こちらの接続をご覧ください。
3.パソコンがインターネットに接続できなくて困っている。
4.日本語の練習のために、国際交流のグループに接続してみた。

(2)言語知識(文法)

文法表現の使い方や、正しい接続などの知識を問われるセクションです。
このセクションの問題は、全てのレベルで出題されます。

文法形式の判断

文中の(  )に入れるのに最も適当な文法表現を選ぶ問題です。

Q:先生(  )、大学に合格できました。
1.のために 2.だから
3.のせいで 4.のおかげで

文の組み立て

4つの選択肢を並べ替えて、★部分に入るものを選ぶ問題です。

Q:このボタンを押せば、自動的に ___ _★_ ___ ___ います。
1.ように 2.開く
3.ドアが 4.なって

文章の文法

まとまった文章の中に設置された5つの(  )に入る接続詞や文法表現を、それぞれ選ぶ問題です。
読解のようにも見えますが、あくまで文章の中での文法表現の使い方を問われる問題です。

ここからは、長さの都合上、問題例は省略します。詳しく知りたい方は公式ページをご覧ください。

(3)読解

読解セクションは、その名の通り、文章を読んで、その内容や筆者の主張などを読み解く問題です。

このセクションでは、大まかな問題形式を紹介します。

内容理解(短文)

短い文章を読んで、1つの質問に答える問題です。

全てのレベルで出題されます。

筆者の主張や、文章全体のテーマ、下線部の意味や理由などが問われます。

内容理解(中文)

中ぐらいの長さの文章を読んで、複数の質問(基本的には1つの文章に3問)に答える問題です。

こちらも全てのレベル共通の問題です。

本文中の下線が指している内容や、その意味、理由、筆者の言いたいことなど、様々なことが問われます。

内容理解(長文)

こちらはN3とN1のみ出題されます。

長い文章を1つ読んで、複数の質問(基本的には4つ)に答えます。

内容理解(中文)と同様、様々な質問があります。

統合理解

1つのテーマについて、AとBの意見を読み、その共通点や相違点などについて答える問題です。

N1とN2で出題されます。

「Aはあるテーマに反対意見を持っているが、対してBは賛成意見を持っている」とか
「それぞれが部分的に賛成しているがその理由は異なる」など

それぞれの立場や意見の内容には、様々なバリエーションがあります。

主張理解

こちらもN1とN2のみ出題される問題です。1つの長い文章を読み、その名の通り筆者の主張に関連する複数の問いに答える問題です。

情報検索

全レベル共通で、読解セクションの最後に設置されている問題です。

この問題では、広告やイベント案内、手紙などの内容を読み、必要な情報を探し出す能力が問われます。

設問は基本的に2つで、それぞれある人物のシチュエーションや希望、条件、予算などが提示されます。
その条件を広告等と照合していき、最適なプランや行動を選ぶ問題です。

(4)聴解

最後に、聴解セクションの問題を紹介します。

課題理解

2人の会話を聞き、「この後何をするか」を答える問題です。

会話を聞きながら、やらないといけないことや、その順番を聞き取る力が求められます。

全レベルで出題されます。

ポイント理解

こちらも2人の会話を聞く問題ですが、問われる内容は様々です。
どちらかの人物の行動の理由や、「どのように…するか」などがよく聞かれる印象です。

この問題も、全てのレベルで出題されます。

概要理解

こちらはN1〜N3でのみ出題される問題です。

講義や教室での説明、アナウンスなど、1人の人物が何かを説明したり、意見を話したりする場合が多く、「話のテーマ」や「最も言いたいこと」が問われます。

即時応答

まず、Aの発話を聞いて、それに対するBの返事を選ぶ問題です。

A:この資料、明日までに作ってもらえるとありがたいんだけど…
B:(  )。
1.はい、ありがとうございます
2.そうですね。よろしくお願いします
3.わかりました。頑張ります

ちなみに、この問題と、次に紹介する「発話表現」だけは、選択肢が4つではなく、3つになっています。

この問題も全てのレベルで出題されます。

発話表現

こちらはN3〜N5で出題される問題です。

複数人の人物が描かれている絵を見て、1人の人物(矢印の人)がその場面で何と言うのが適切かを答える問題です。


Q:知り合いの人の家に行きました。何と言いますか?
1.いらっしゃいませ。
2.おじゃまします。
3.おせわになりました。

統合理解

聴解の最後の問題は、長めの話を聞いて質問に答える問題で、2つの形式があります。
この問題は、N1とN2だけで出題されます。

1つは、長めの話を聞いて、理由やその後の行動、言いたいことなどを答える問題です。

質問の内容は様々で、課題理解、ポイント理解、概要理解が組み合わさったような問題です。

もう1つは、4つのプランや商品などに関する説明を聞いて、2人の人物がどれを選ぶかを答える問題です。

こちらは4つのものが順番に紹介されていくので、まずその特徴や長所短所をメモしながら聞き、その後2人の人物の好みや意向と照合しながら、どのプランや商品が適当か選ぶ必要があるので、なかなか難易度の高い問題です。

(5)問題形式のまとめ

以上が問題形式の簡単な解説です。

より詳しい情報がほしい方は、下のセクション7で紹介する問題集等を実際に購入してみることをお勧めします。

5.合格率は?結果はいつ発表される?

このセクションでは、各レベルの合格点や、結果発表について解説します。

(1)合格点は?

日本語能力試験(JLPT)は、全てのレベルで合否判定があります。当然のことながら、合格しなければ、認定を受けることができません。

各レベルの合格点は以下の通りです。

 レベル  満点  合格点 
N1180100
N218090
N318095
N418090
N518080

上記の通り、どのレベルも大体50%前後の得点を取れば、合格できます

ただし、どのレベルにも「足切り点」(正式には「基準点」)が設定されています。

✔️N1〜N3…
各セクション(言語知識・読解・聴解)が60点ずつの配点になっている。
各セクションで19点以上が基準点。

✔️N4〜N5…
言語知識・読解は合計120点が満点で、基準点は38点以上。
聴解は60点満点で、基準点は19点以上。

つまり、それぞれのセクションで基準点が取れなければ、他のセクションで満点を取っていたとしても、結果としては不合格になるということです。

過去にも実際に、言語知識と読解は満点に近かったのに、聴解が15点しか取れず、N2に不合格になった学習者もいました。

バランスよく勉強することが大切ですね。

(2)合格率は?

合格率は、公式サイトで公開されている過去の試験実績からみることができます。

2022年7月の実績は、以下の通りとなっています(国内と海外の合計)。

レベル受験者数認定者数認定率
N190,29927,24630.2%
N2103,09338,50537.3%
N375,21035,33247.0%
N455,54425,32345.6%
N532,35917,49954.1%

N1が約30%と最も低く、N5が約54%と最も高くなっています。

概ねレベルが上がるにつれて合格率が下がるといった傾向があるようです。

なお、国内より海外の方が合格率が高いことの方が多くなっています。

年度や実施時期等により毎回合格率は異なりますが、大体N1〜N2は25〜35%、N3〜N5は45〜55%ぐらいの間で推移していると言えるでしょう。

詳細が知りたい方は公式ページをご確認ください。

(3)結果はいつ、どのように発表される?

結果は大体各試験の1ヶ月半後に、まずインターネットで発表されます。

申し込み方法のセクションで紹介した、「My JLPT」のサイトのマイページから結果を確認できます。

その後、試験の大体2か月後に、合否結果通知書が郵送で届きます。

まとめると、

✔️7月試験…
8月25日前後にインターネット発表。
9月初旬ごろに結果通知発送。

✔️12月試験…
1月25日前後にインターネット発表。
2月初旬ごろに結果通知発送。

という感じです。

また、試験の結果発表後には、1通1,000円で、正式な成績証明書(正式名称:日本語能力試験認定結果及び成績に関する証明書)の作成が依頼できます。

「合否結果通知書」は1枚しかもらえないので、就活や進学等の際には「合否結果通知書」のコピーか、正式な成績証明書を使いましょう。

なお、出願の際に、合否結果通知書のコピーではなく、成績証明書しか提出を認めない大学や大学院等もあるので、注意が必要です。

6.就職や進学に必要なレベルの目安はN1〜N2

まず、実際に進学の際に有効活用できるのは、N2合格以上の成績だと言えます。

多くの大学や大学院、専門学校が、出願資格としてN2以上の合格、またはN2合格に相当するレベル以上の日本語力を求めているからです。

上位の大学の場合は、EJU(日本留学試験)の点数を基準にしている学校が多いのですが、それ以外の大学や専門学校等には、能力試験の結果だけで出願できるところがたくさんあります。

最近では、N3レベルを受験基準として設定する学校も増えてきましたが、N2があるかないかで、受験できる大学や専門学校の数は大きく変わってきます

就職に関しても、最低限の基準として、N2以上の日本語能力を求める企業は多いです。

そのため、日本語学習者(特に日本語学校に来て、大学進学や就職を目指す留学生)の中には、当面の目標として、N2以上の取得を掲げる人が多くいます。

7.過去問はあるの?オススメの問題集は?

では、日本語能力試験の合格のために、どのような問題集や参考書を使うのが最適なのでしょうか。

このセクションでは、過去問の存在についてと、おすすめのJLPT対策本について解説します。

(1)過去問は存在するの?

実は日本語能力試験は、毎回の試験の公式の過去問は発行されていません

試験主催団体の1つである国際交流基金(JF)からは、各レベルの「公式問題集(2012年)」と「公式問題集 第二集(2018年)」が発行されています。

これらは過去問ではありませんが、2010年に試験が今の形式になった後に、実際の試験で出題された試験問題の中から、各レベルとも試験1回分に相当する数の問題が掲載されています。

「実際の試験問題を見てみたい」という方は、まずはこちらの2冊を購入してみると、全ての問題形式に触れることができるので、おすすめです(以下リンク先から各レベルの教材を検索してください。関連教材にも出てきます)。

【2012年発行】の無印版↓

【2018年発行】の第二集↓

実は海外では、試験の過去問が流通していることもあるのですが、恐らく無許可で作成したものであり、内容の信頼性も低いので、過去問から傾向や雰囲気を掴みたい方には、公式問題集をお勧めします。

(2)オススメの問題集は?

公式問題集の他にも、様々な試験対策教材が出版されています。以下にその一例を紹介します。

模擬試験形式のもの

2〜3回分の試験に相当する量の問題が収録されている問題集です。

定期的に実力を確かめたり、最後の仕上げや時間配分の確認をしたりするのにお勧めです。

こちらの「合格模試」シリーズは、模擬試験3回分が収録されていて、解説も詳しく読みやすい本。

出版も2020年と新しく、英・中・ベトナム語訳もついていて使いやすいです。

ドリル形式のもの

各セクションの問題形式ごとに、ドリル形式で演習を行える本です。

何よりのメリットは、多くの問題に触れ、練習量を確保できること。

1冊で全部まとめられている本もありますが、大抵の場合解説が少ないので、問題セクションごとに本が分かれているシリーズの方がオススメです。

「ドリル&ドリル」シリーズは、問題数も多く、解説も別冊(同梱)になっており、解説が丁寧です。

読解や聴解は、内容の解説だけでなく、文中に出てきたキーフレーズの解説もあったりするので、「読んで納得して終わり」になりにくい。

「聴解・読解」と「文法」「文字語彙」の三冊で揃い、負担もそこまで大きくないのでオススメ。

ちなみにN4の「文字語彙・文法・読解」は、Kindle Unlimitedなら無料で読めます

語彙や文法を学んでいくタイプのもの

問題形式ではなく、語彙や文法の知識をどんどん身につけていくタイプの本です。

独学でも使えますが、授業で解説したり練習したりしながら使うのに向いている本です。

こちらは2022年10月に出たばかりの新しい本です。

以前から日本語教師や学習者に支持のあった「総まとめ語彙」シリーズに復習問題や模擬試験を追加して出版されたものです。

イラストも多く、課ごとに練習問題もあるので、学習者と楽しく語彙を学んでいけます

ロールプレイなども入れながら進めると、盛り上がること請け合いです。

まとめ

いかがでしたか。

日本語能力試験について、知っていただくことができたでしょうか。

外国人学習者は、将来の進学や就職を思い描きながら、この試験への合格を目指して日本語を勉強しています。

もちろん試験が全てではありませんが、この試験への合格は、自分の夢に近づく重要な一歩となります。

私たちも、試験についてしっかり知った上で、彼/彼女らを全力でサポートしてあげたいものですね!

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