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【日本語教員試験】登録日本語教員を目指す人のための最新情報!

国家資格「登録日本語教員」になるための日本語教員試験

日本語教員試験ってどんな試験なんですか?

日本語教師の新たな国家資格「登録日本語教員」が2024年4月に創設され、この資格を取得するための新しい国家試験となる「日本語教員試験」の第1回が、2024年11月17日(日)に行われます。

この記事では、この試験に関する最新情報をお届けします。

※この記事の内容は、下記の資料に基づいて作成した更新日時点での最新情報です。
詳細な資料は、文科省・文化庁の日本語教育日本語教育小委員会のページをご覧ください。

・「日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律」(日本語教育機関認定法)
・「日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律施行令、施行規則」
・「日本語教育機関認定法よくある質問集」 ・「日本語教育機関認定法 今後のスケジュール(予定)」
・その他文化庁文化審議会国語分科会日本語教育小委員会、ワーキンググループの各資料
 「認定日本語教育機関に関する省令等の案について」
 「登録実践研修機関・登録日本語教員養成機関に関する省令等の案について」
 「令和5年度日本語教員試験試行試験実施概要」
 「令和6年度以降の日本語教員試験の実施について」など

こんな人にオススメ!

✔️登録日本語教員の国家資格が取りたい!
✔️日本語教員試験を受験したい!
✔️日本語教師の新試験について詳しく知りたい!

1. 日本語教員試験ってどんな試験?

日本語教員試験とは、新しく創設される日本語教師の国家資格「登録日本語教員」を取得するために受験・合格がほぼ必須となる試験です。

2024年4月に施行された「日本語教育機関認定法」に基づき、日本語教育機関を認定する新たな制度が始まっています。それに伴い新しく文科省に認定された「認定日本語教育機関」で働くためには、「登録日本語教員」の資格が必須となります。

その資格取得のために必要なのが、この「日本語教員試験」です。

「登録日本語教員」の資格取得フローや要件等については、こちら↓の記事をご覧ください。

日本語教員試験は、筆記試験①(基礎試験、以下「試験①」)と筆記試験②(応用試験、以下「試験②」)の2つの試験で構成されています。

試験の内容は以下の通りです。

・試験①… 日本語教育を行うために必要な基礎的な知識や技能の有無を確認する試験
・試験②… その知識や技能を応用する力(課題解決や現場対応力)の有無を確認する試験

試験①に合格した人、または試験①の免除を受けた人が、試験②を受験できるようになっています。

この日本語教員試験は、日本語教師(登録日本語教員)として、合格者が一定の専門性を持っていることを証明するための試験と位置付けられています。

ちなみに、現行の法務省告示校で日本語教師として働くための資格の1つである「日本語教育能力検定試験」は、1年に1回、毎年10月に行われていますが、日本語教員試験はこれとは全く別の試験です。

2. 日本語教員試験の日程、会場、試験時間

第1回の日本語教員試験は、2024年11月17日(日)に行われます。

日本語教員試験は、1年に1回以上、全国各地で実施されることになっていますが、2024年の実施は1回のみです。

早い段階で、複数回の実施、また、全都道府県での実施の実現を期待したいところです。

なお、文科省が指定する要件を満たした機関は「指定試験機関」となり、文科省の代わりに試験を行うことができます。指定試験機関の指定は、2024年春ごろに予定されていますが、2024年の第1回の試験は、国が直接実施します。

また、1回目の試験は紙ベースで行われますが、今後の検討課題として、試験のCBT化(パソコンで試験を受ける形)も挙げられています。

試験の詳細な時間等は、2024年4月以降に公開される予定です。

ちなみに、12/10(日)には、全国5か所でこの試験の試行試験が行われました。この試行試験の構成と時間配分は、下表の通りでした。

試験の種類試験時間問題数配点・満点
試験①(基礎試験)120分100問1問1点・100点
試験②(応用試験)音声45分
文章題120分
音声50問
文章題60問
1問2点・220点
※試験②は間に45分の休憩あり

本試験もこの試行試験を参考に作られるとのことなので、これに近い形になる可能性が高そうです。

3. 日本語教員試験の受験料、申込方法、受験資格

日本語教員試験の受験料は、以下の通りです。

区分受験料
試験①と②を受験する場合18,900円
いずれかだけ受験する(1つ免除の)場合17,300円
両方とも免除になる場合5,900円

受ける試験の数によって、金額が異なります。

ちなみに、試験①と試験②の両方が免除となる場合でも、受験料を支払い、合格証を取得する必要があります。

この試験の受験資格は、特段設けられないことになっています。
学歴や年齢、国籍等の要件もなく、外国人も含めた幅広い層がチャレンジできることになりそうです。

申し込みの方法やフロー詳細が出るのは2024年の4月以降ですが、夏ごろに申し込みが始まる予定になっています。

申し込みはオンラインでできるようにしてほしいですね。

免除については、セクション6をご覧ください。

4. 日本語教員試験の形式、出題範囲

試験の出題範囲は、平成31年の「日本語教育人材の養成・研修の在り方について(報告)改定版」で規定されている50項目の「必須の教育内容」(以下「必須の教育内容50項目」)に基づくとされています(下記画像)。

文化庁HPより

日本語教育に関わる分野からその周辺知識まで広範囲に渡っているので、独学で合格するにはかなりの努力が必要となるでしょう。

ただし、あくまで日本語教師養成課程の修了者が合格できるレベルでの出題であり、分野別や対象者別(留学生・生活者・就労者など)に必要な細かな知識や、より高度な知識について問うような試験ではない、と文化庁の担当者は述べていました。

出題形式は、試験①、試験②とも、多肢選択(マーク)式です。

現時点では記述式問題の出題は明記されていません

しかし、「問題解決能力を測る記述式問題」については今後検討していくとされているため、応用知識を問う試験②の方には、今後記述式問題が設定される可能性はあります。

ただ、登録日本語教員になるためには試験とは別に教育実習(実践研修)を受ける必要があること、日本語教師不足の現状があること等、記述問題の導入に対してやや消極的な内容が会議で報告されているため、記述式問題が設定される可能性はあまり高くなさそうです。

そのほかには、

・質を維持するために継続的に問題を検証、蓄積すること
・指定された日本語教師養成機関を適切に修了した者が合格できる内容にすること

などが試験作成・運営における必要事項として挙げられています。

5. 日本語教員試験に出題される内容

このセクションでは、日本語教員試験に出題される内容について、試験①と試験②に分けて解説します。

(1)試験①(基礎試験)の試験内容

前述の「必須の教育内容50項目」に基づいて、日本語教育を行うための基礎的な知識・技能を問う問題が出題されます。

試験①は原則として、「出題範囲の5区分ごとの設問により、日本語教育の実践につながる基礎的な知識及び技能を測定するもの」となっています。

5区分というのはセクション4で引用した画像にある

①「社会・文化・地域」
②「言語と社会」
③「言語と心理」
④「言語と教育」
⑤「言語」

のことです。

12月の試行試験では、その項目から、以下のような割合で出題されました。

区分出題割合
社会・文化・地域 約1割 
言語と社会 約1割 
言語と心理 約1割 
言語と教育
(教育実習除く)
 約4割 
言語 約3割 

概ね必須の教育内容50項目の量に沿った出題割合となっています。

本試験もこれに近い形になることはほぼ間違い無いでしょう。

(2)試験②(応用試験)の試験内容

「必須の教育内容50項目」に基づいて、日本語教育を行うための基礎的な知識・技能を応用する力を問う問題が出題されます。

以前の報告では、「現場対応や問題解決能力を測る」旨の記述がありました。

試験②では、出題範囲が必須の教育内容50項目の複数の領域にまたがる問題が出題されます。

また、基礎的な知識及び技能を活用した問題解決能力(応用)について、音声を媒体とした問題も出題されます。

試行試験では、日本語学習者の発話や教室での教師とのやりとりなどの音声を用いて、実際の教育現場に即した実践問題が出題されました。

本試験でもおそらく同様に、日本語の音声、発音、学習者の誤用等に関する問題が出題されるでしょう。

6. 日本語教員試験の受験が免除される条件は?

このセクションでは、日本語教員試験の免除について解説します。

最初に述べたとおり、国家資格である登録日本語教員を取得するためには、基本的にこの日本語教員試験の受験と合格が必須です。

ただし、以下の条件を満たす人は、この試験の一部または全部の免除を受けることができます。

(1)文科省が指定する日本語教員養成課程を修了→試験①が免除

文科省が指定する日本語教員養成課程を修了した人は、試験①が免除されます。

大学の主専攻や副専攻、民間の日本語教師養成講座がこれに当たります。

ただし、課程によって免除の条件が異なるので注意が必要です。

【A】文科省に(新制度開始後)新たに指定される「登録日本語教員養成機関」の課程を修了
→無条件で免除
【B】必須の教育内容50項目を踏まえた現行課程を修了
→経過措置期間中(制度開始の2024年4月から9年間)であれば、無条件で免除
【C】必須の教育内容50項目を踏まえていない現行課程を修了
→経過措置期間中(同5年間)のみ、講習の受講及び講習修了認定試験の合格を以って免除

【A】はこれから文科省により認定されることになる正規の日本語教師養成課程(「登録日本語教員養成機関」と言います)を修了した場合です。

この申請は2024年の夏ごろから始まる予定です。そのため、受講できるのは早くても2025年からになるでしょう。

【B】は現行の日本語教師養成課程のうち、必須の教育内容50項目に対応している課程を修了した場合です。

この対象となる課程は、2024年3月に文化庁から発表されています。なお、この【B】の場合は、学士以上の学位が必要になります。

【C】はそれ以外の現行課程を修了した場合です。

こちらは無条件で免除されるわけではなく、講習の受講と、その講習の修了を認定する試験の合格が必要になります。

また、この【C】の場合は、学士以上の学位に加えて、日本語学校(法務省告示校)や国内の大学で日本語教師として1年以上働いた経験も必要になります(詳しくはこちら)。

また、経過措置期間も2029年3月までと【B】の場合より短くなっています。

新制度における日本語教師養成講座について詳しく知りたい方はこちら↓

この(1)の場合は、試験①は免除になりますが、試験②は受験・合格が必須となります。

(2)現職日本語教師で、2023年までの日本語教育能力検定試験に合格している人

日本語教育能力検定試験に合格している人は、上記【C】と同様に講習を受けることで試験①と試験②の両方が免除されます

ただし、対象となるのは、昭和62(1987)年~令和5(2023)年の間に行われた日本語教育能力検定試験に合格し、日本語学校(法務省告示校)や国内の大学で1年以上日本語教師経験を積んだ人です。

なお、この期間内の受験の場合でも、年度によって経過措置の内容が異なるので注意してください。
また、この場合に関しても、試験の免除が認められるのは経過措置期間中(5年間)のみになります。

経過措置の内容や条件について詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。

7. 日本語教員試験の結果発表、合格基準、合格率は?

結果発表の日程は、現時点では未定です。

ただし、1回目の試験が2024年11月17日、登録日本語教員の登録が2024年度内となっているため、2024年の12月~1月ごろになることが予測できます。

新試験の合否判定は、試験①、試験②のそれぞれで行われ、試験①の合格者(と免除者)のみが試験②を受けられます。

なお、試験①の合格は、次年度以降にも持ち越せます。

つまり「今年試験①に合格したが、試験②に落ちたため、来年試験②だけ再挑戦する」ということが可能であるということです。

合格基準や点数に関しても、現時点では発表されていません

ただし、12月に行われた試行試験では、以下のような合格基準が設けられています。

試験区分条件①条件②
試験①
(基礎試験)
出題範囲5区分で
それぞれ7割程度以上
総合得点が
8割程度以上
試験②
(応用試験)
総合得点が
6割程度以上

本試験の合格基準は、この試行試験の結果を参考に、有識者の意見等を交えながら新たに検討されます。

なお、試行試験の結果発表は、試験が行われた1か月半後に行われました。

8. 日本語教員試験試行試験の感想は?

2023年の12月10日に行われた試行試験について、X(旧Twitter)等で呟かれていた感想や報告内容をまとめました。

全体について

・試験時間はかなり余裕があった。
・マークシートは表面1枚だけで、すべて4択問題だった。
・基本的には日本語教育能力検定試験を踏襲した問題だったが、難易度は低かった。
・留学生、法務省告示校向けの内容が多かった。
・日本語教師の経験がある人は、文章をしっかり読んでいけば、用語が分からなくても推測できる問題が多かった。
・設問の意図が曖昧、また複数の選択肢が正答になり得る問題があった。
・全体的によく練られた問題ではなく、質の低い問題が多かった。
・事後アンケートは簡易なもので、試験問題について言及できる設問がなかった。

試験①(基礎試験)について

・日本語教育能力検定試験よりも基礎的な問題が多かった。
・問題文自体も表現が全体的に分かりやすく書かれていた。
・養成講座修了者が免除というのにちょうどいいレベルだった。
・授業中の練習、学習者の試験解答などからの出題が多かった。

試験②(応用試験)の聴解問題について

・学習者と教師との会話から出題される問題だった。
・音声は全て1度だけ流れた。5問に1回小休憩があった。
・学習者の誤用を聞き取って、それを指摘するスキルが求められる問題が多かった。
・イントネーションやアクセントだけでなく、文法・語彙的な誤用を指摘する問題も含まれていた。
・日本語教師経験者は解きやすく、学習者と未接触、または接触機会の少ない人には解きにくい問題が多かった。

試験②(応用試験)の文章問題について

・基本的には日本語教育能力検定試験を踏襲した長文文章+設問形式。
・難易度は検定より低く、時間にも余裕があった。
・日本語教育の現場で行われるロールプレイを取り上げた問題もあった。

試行試験感想のまとめ

全体的に、日本語教育能力検定試験よりも難易度の低下がみられ、試験時間にはかなり余裕があるものになっていたようです。

また、出題傾向として、留学生向けの日本語教育(告示校)に大きく比重がかかっていたという感想も多くみられました。

文化庁によると、細かい知識を問う試験ではなく、日本語教育を取り巻く幅広い事情の基本が理解できているかを問う試験という位置付けだということなので、本試験もこれに近い難易度のものになることが予想されます。

とはいえこちらはあくまで試行試験で、もともとは日本語教師養成講座受講生や、日本語教師経験3年以下の方が受講対象になっていたので、現職教師の意見だけで「簡単だ」と言い切るのは危険だと思います。

今回のアンケートやFBが本試験にどの程度取り入れられるかを含めて、動向を注視していく必要があります。

結果発表後の追記

現職日本語教師で試行試験を受験した人は、全体で7割~8割程度の点数は取得できたという人が多かったようです。
ただ、これはあくまでネット上でそう言っている人が多かったというだけなので、そうじゃない人がどの程度いたかというのは未知数です。
また、養成講座受講中の方の点数についてはデータが不足しているため、楽観視はできません。

なお、試行試験受験者のアンケート結果については、こちらのページに掲載されています(文化庁HPにジャンプします。資料4を参照)。

9. 試験対策、勉強にオススメの問題集、過去問は?

日本語教員試験の出題範囲は、基本的に日本語教育能力検定試験と類似のものになっています。

そのため、「必須の教育内容50項目」に対応済のものであれば、日本語教育能力検定試験の過去問や問題集、”赤本”などで十分対策ができると思います(最新のものはほとんどが対応しています)。

下のアルクのもののように、「日本語教員試験対策」のセットやテキストも徐々に出始めています。

今すぐにでも勉強を始めたいという方は、日本語教員試験用にアレンジされたセットや、これまでの日本語教育能力検定試験の過去問、問題集などを使って準備を始めてみてください。

それと、試行試験の問題の一部は、セクション8で紹介したアンケート結果とともに公開されています。こちらもある程度は参考になりそうです。

まとめ

いかがでしたか。

日本語教員試験について、現時点での最新情報をまとめて紹介しました。

まだまだ本試験については文化庁や文科省も協議中の部分が多く、今後の協議で変わっていく可能性もあると思います。

この試験については、今後も最新情報をこのページでお知らせしていきます

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コメント

  1. クラレ より:

    コメント失礼いたします。
    本試験の日程情報などはどこから得られたものなのでしょうか。文化庁のサイトを探してもどこに記載があるのかわかりません。私の見落としかもしれませんが、よろしければお教え願えませんでしょうか。

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