【最新】2021.10「日本語教育の推進のための仕組みについて(報告)」パブコメまとめ

令和3年8月20日に、日本語教師の資格に関する調査研究協力者会議(長い)から「日本語教育の推進のための仕組みについて(報告) ~日本語教師の資格及び日本語教育機関評価制度~(もっと長い)」が発表されました。

いわゆる「公認日本語教師」の資格や既存の日本語教育機関の評価制度等について、さまざまな案が盛り込まれており、文化庁はこれについて2021年9月17日まで、パブリックコメントを募集していました。

その結果が文化庁ウェブサイトにて先日発表されました(リンク先ページ下部「4. 結果」参照)。

団体、個人から、1707項目について、合計855件の意見が集まったそうです。

この中で、我々日本語教師に最も関わりの深い「日本語教師の資格について」の部分に寄せられたパブリックコメントの内容(具体的に語られているもののみ)を簡単にまとめましたので、参考にしてもらえればと思います。

さらっと読みたい人用です

しっかり読みたい方は文化庁ウェブサイトからどうぞ。

■日本語教師の資格の目的について・資格取得要件

・日本語教師の「量」の確保も目的にするべき。

・新たな資格取得のメリットが不明瞭なため、資格が就職、待遇改善、雇用の安定とどのように結びつくかを明言するべき。

海外の日本語教育機関においても公認日本語教師の配置を求めるべき。

・日本語教育は多岐にわたるので、1つの資格でカバーするのは困難。複数の資格を創設するべき。

■試験の内容及び実施体制等

・試験は日本語教育能力検定試験と異なる部分があるのか。ないのであれば統一するべき。

・暗記型ではなく、授業実践力養成についても評価できる内容であるべき。

オンライン授業に対応できる資質も測れる試験にするべき。

・試験は年1回以上ではなく、2回以上やるべき。

・試験は全都道府県、また海外でも受けられるようにするべき。

オンライン申し込みやCBT試験等に対応するべき。

■指定試験実施機関及び指定登録機関に求められる役割

・試験委員の適性も審査するべき。

・試験が机上の知識を問うだけのものにならないよう、現場経験の豊富な者が試験に関わることを定めるべき。

・経験年数だけで試験委員の適性を測るべきではない。

■教育実習

オンラインでの実習受講も可能にするべき。

・教育実習の中で、基本コースに加え、途中から「留学」、「就労」、「生活」など多様な現場に分かれての実習を可能にするべき。

・クラス授業だけではなく、一人一人に合ったプライベートレッスンやオンライン等を想定した実習を検討していくべ き。

・教育実習の指導者の質を担保するため、経験年数だけでなく知識や技能も測るべき。

・教育実習の質を担保するため、基本的な方針・方法等のガイドラインを策定するべき。

実習費用の助成制度等についても検討するべき。

・大学等からの教育実習を受け入れる機関の整備や、実習を受け入れる日本語学校等にメリットがあるような措置を講ずるべき。

■指定日本語教師養成機関

海外でも公認日本語教師が目指せるよう、在外指定日本語教師養成機関やオンラインで全て受講が可能な指定日本語教師養成機関を設立するべき。

・指定日本語教師養成機関には、定期的な点検・評価を課し、受講者が適切な機関を選択できるようにするべき。

■試験の一部免除及び教育実習の免除・更新講習

日本語教育能力検定試験もしくは全養協日本語教師検定の合格者の免除についても検討するべき。

・日本語教育能力検定試験合格者は、筆記試験に関しては、試験①も②も免除するべき。

・日本語教師養成機関の質の不均衡を是正するため、筆記試験に関しては、全員一律に受験とするべき。

45単位以上(主専攻)と 26単位以上(副専攻)との差別化を図り、主専攻のメリットを明確にするべき。

・教員免許更新制も廃止となるため、日本語教師においても更新講習を制度化しない方針に賛同する。

・現状でも採用後に現職者研修を行っている日本語学校は一定数存在するので、そのような機関が研修を行う際にも何らかの支援がなされるべき。

・研修内容の質の担保を文化庁が保証し、オンラインやオンデマンド等、受講形態に柔軟性を持たせるべき。

・居住地域による受講機会の格差が小さくなるような制度設計がなされるべき。

■学士以上の学位

高等学校卒業ないしそれに相当する程度の資格が必要。

学位に応じて待遇が良くなるという構造は必要。

・国際的なキャリア形成の観点からも、大卒は必要最低限の要件である。

・学士が必須ではなくても、大学卒業程度の試験であること、学士力相当の力を求められる事を明示するべき。

・学士以上の学位を資格取得要件とすることを原則とし、この要件を有しない方を「準資格」として認定するべき。

■現職日本語教師の資格取得方法

・「現職」の定義は、現在、法務省告示基準の教員要件を満たした上で日本語教育を行っている者に限るのか、もしくは現在日本語教育を行っていない場合でも、法務省告示基準の教員要件を満たしている者は含まれるのか。

・法務省告示基準の教員要件を満たし、すでに日本語教育に従事している日本語教師に関しては、試験ではなく、日本語教育の最新の情報等に関する研修を課すこと、もしくは実績を確認すること等を義務付けるべき。

現行の法務省告示の教員要件を満たす者は、全員公認日本語教師に移行するべき。

・現職者の公認日本語教師への移行期間は一定年数を定め、その間に研修・筆記試験合格を課すべき。

・法務省告示校でなくとも継続的に経営を続けている優良な日本語教育機関は多く、判断基準については検討が必要。また、フリーランスの日本語教師やボランティアで日本語教育を行っているなど物理的に証明が難しいケースもあるため、検討に当たっては配慮が必要。

・日本語教師としての経験は、年数ではなく授業時間数や業績なども加味し、常勤・非常勤等の区別なく総合的な判断がなされるべき。

■その他

・地域の日本語教室などではボランティア講師が多く、それが専門性を有した日本語教師の待遇の悪さを引き起こしている一因となっている。公認日本語教師を妥当な対価を支払って採用した機関は国からの支援を受けられる等、専門性のある人材を雇用することの必要性が広く認識されるような仕組みを作るべき。

個人で日本語を教える教師も公認日本語教師の資格を活かせるような制度を検討するべき。

・日本語学校に経営や運営等で携わる者も、公認日本語教師の資格を有することを義務化するべき。

■まとめ

本当は全セクションの抜粋版を作ろうと思いましたが長くなるので、最も我々「日本語教師」に関わりの深い「日本語教師の資格について」の部分のみ、まとめました。

なるほどなー、確かに

と思うものもあり

「何言ってるの?

と思うものもあり

それって試験がめんどくさいから言ってるだけじゃない?

と思うものもあり

文化庁と法務省は今後どう関わっていくのかなあ

と思ったりもしながら。

セクションによって意見がかなり割れているところもありましたが、意見が割れればそれだけ活発な議論が生まれ、より良い制度になっていくと思います。

文化庁や調査研究協力者会議の動向を見守りながら、公認日本語教師が価値のある資格となるよう、今後も積極的に現場の声を届けていきたいですね。

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