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ウィズコロナにおけるオンライン日本語教育実証事業に関する説明会(12/22)の要旨

オンライン日本語教育実証事業の説明会の要旨

文化庁国語課の方を招いて日本語教育機関関係6団体が本日(12/22)開催した、「ウィズコロナにおけるオンライン日本語教育実証事業に関する説明会」の要旨をまとめました。

15時から17時前までやっていましたが、最初の30分は、これまでの入国制限等の説明、この実証事業を実施する経緯と背景などが話されていたのでその辺りはカットしています。

一応URLは「限定公開」で配布されていたのでここには載せませんが、Youtubeで動画がアーカイブされています。フルバージョンが見たい方はそちらをどうぞ。

3/29、3/31の日本語教育機関向け2回目の説明会の内容はこちらの記事にまとめています↓

文化庁「ウィズコロナにおけるオンライン日本語教育実証事業」の補足画像。
文化庁HPより

説明会ではこの事業について、PDF資料等を用い、概要説明やQAなどが行われました。

1. 入国前の留学生の日本語環境整備が主旨

・これまでコロナの影響に対する学校への支援等はいろいろ行ってきたが、日本語教育に特化した支援はあまりなかった。

・日本語教育機関は経営母体も民間企業から公的なものまで様々で、色々な障壁や制限等がある中で、何とか支援できるものを探してこの事業が生み出された。

・この事業のポイントとして最も重視しているのは、入国前の留学生の日本語環境を整えること。

・日本語学校への給付金や補助金はないのか?という話もあったが、補助金の場合だと補助率等の関係で、事業の全部を賄うことはできないので、それよりは全額負担できるこの事業の方がいいというところに行き着いた。
国の実証・調査・研究的なこの事業を担ってもらうことで、その代わりに全額国が負担するというものになっている。

国(文化庁)→民間団体→日本語学校という形のスキームで進めていく。

・間に民間団体が入っている理由は以下の通り。

✔️国から日本語学校に委託するというのも可能性としてはあるが、実証や調査研究の部分も担ってもらうことになる。間に民間団体が入ることによって、実証の部分を担ってもらうことが可能。
✔️国からの支払いは基本的に清算払い(まずは自分たちで負担してから、事業が完了してから払ってもらう)形になっているのですぐに日本語学校にお金を払うことは難しい。間に民間団体が入ることによって、立替払いをしてもらうこともできる。そうすれば日本語教育機関への支払いが割とすぐに行える。

・文化庁と契約するのは、間に入る民間団体となる。民間団体は実務的な能力と、金銭的なポテンシャルを持ったところ。そして少なくとも30以上の日本語教育機関と連携できるところ。

2. 法務省告示校が対象

・法務省告示校のうち

①令和3年度適正校
②新設校(すでに開校している)
③令和2年度は適正校だったが、コロナの影響で3年度は適正校から外れた学校

が対象。

・これは在籍管理や、本当にしっかりオンライン授業が実施されているか、など、様々な要素を適切に管理できるかという点を考え、適正校なら、それができるだろうという判断。

・今回の事業は、大学の留学生別科は対象外になる。大学への支援はほかにも様々なものが展開されているので、そちらを検討してほしい。

3. 多様なオンライン日本語教育を

・41億円とこれまでの事業よりかなり規模の大きいものになっている。実証事業として行うからには、ある程度多くの数(の実証場所)を確保したいのでこの額が設定されている。

・初級・中級などのレベル別、進学・就職・生活などの目的別、4技能別など、様々なものを組み合わせて、色々な学校に実施してほしい。

・形式もハイブリッド、オンライン、ハイフレックスなど多様なものを想定しているし、逆にいろいろな工夫した形を提案してほしい。

・できるだけ多くの形のものを提供してもらい、それを検証しながら、今後オンライン授業をどのような場合に役立てることができるのかを見極めていきたい。

・条件としては、必ず入国前の外国人留学生が参加していること。裏を返せば、入国前の外国人留学生が参加していれば、在校生やその他の在留外国人、入学予定ではない人が混ざっていてもOK。

4. 授業は無償提供で、最低1か月以上の継続実施が必要

・国からの事業のため、基本的には無償で授業を実施すること。もし受講料を集め収益が上がった場合は、清算時に相殺されることになる。委託事業という性質上そうなる。

・実証事業ということになっているので、ある程度ロングスパンでの授業を想定している。日本語学校は入国制限が緩和されれば、徐々に人が入ってきて通常の授業に戻ることになると思う。そのため、場合によっては、1か月だけとか3か月とか、色々あるのは理解できる。だから柔軟に手をあげてもらえるよう、下限を1か月としている

・外国人がコロナ前と同じようにフリーに日本に入って来られるようになったら、この事業は終了する。その場合は民間団体による実証部分のみ継続することになる。

5. 機材関係はリースかサブスクで

・この事業は無償で行うことになっているので、ハード(機材や設備)の設置は対象外になる。授業で使う機材はリースかサブスクで対応すれば、それは対象になる。ただし、リースやサブスクはこの事業の実施期間内の使用のみ対象として認められる。

・カリキュラム作成も対象にはなるが、作るだけではダメ。作ったら実際にそれを実施する必要がある。

・オンラインのコンテンツ作成は対象になるが、作成物は(委託事業なので)国の帰属になる。だからのちのちは誰でも使える状態にする必要あり(それを売って収益を得るのは×ということ)。

・人件費は適正単価なら対象の範囲内。民間団体に積算してもらって対応する予定。

・オンライン日本語教育がしっかり実施されているかどうかは、民間団体に管理してもらうことになる。民間団体は、管理方法等を提出してもらうことになる。多くの学校が参加できるように、民間団体は1つの方法だけでなく、複数の選択肢を用意し、日本語教育機関が選べるような形の事業にするのが理想。

・民間団体は、実証・その報告書の作成を担うことになるが、有識者会議を開いてどうだったか検証するとか、コンサルのようなところにデータ分析をしてもらってその結果を報告するなどの形が想定される。その結果は公開して共有する必要がある。

6. 今後の流れは?

・まず文化庁が年明け1月〜3月ごろに民間団体を公募し、審査・採択・契約を行う。ここはある程度時間がかかることが見込まれる。

・その後は4月ごろから民間団体が日本語教育機関を公募する形。この部分については、告示校かどうか、適正校かどうか、在籍管理等がしっかりできる学校か、入国前の外国人がいるのか等の形式的なチェックになるので、あまり時間はかからないと想定している。

・オンライン教育については、民間団体が日本語学校にまるごとお願いする形もあるし、民間団体でまとめて準備して、それを日本語学校に実施してもらう形もあると思う。それは民間団体に企画してもらい、文化庁と詰めていく形になる。

・モデル事業をどこかの日本語学校と連携して提案していくというのも可能性としてはあるが、多くの日本語学校をとりまとめするのが主なので、基本的には公募してほしい。

・400件ぐらいの日本語学校に、各校400万〜1000万程度の規模感を期待している。ただしこれは、400校選抜という意図ではなく、告示校が800校程度、その中で適正校が8割程度、その中で参加率は7割ぐらい、だから400校という想定。

・たとえば1か月のみ実施の場合などは、400万よりもっと少ない場合もある。逆に、1機関は1事業、1000万円が原則だが、場合によっては2つ以上OKが出る場合もあるかもしれない。

・様々な形を検証したいので、多くの学校が参加してくれそうな形を提案してくれた民間団体を選びたいと考えている。民間団体は、1桁ぐらいの数と考えている。

その他QA

Q:申込方法は?

民間団体については、文化庁が1月中に公募要領を出す予定。メール等で電子データを提出してもらうことになる。

事業内公募(日本語学校)は、各民間団体に公募してもらう。その場合は文化庁もHP等で同じ内容を掲示する。団体によってある程度時期のズレはあるのではないか。

Q:対象の期間、支払い時期は誰が決めるのか。

民間団体への支払いは清算払いなので、事業が終了してからになる。日本語教育機関への支払いについては、民間団体が立替払いをするなどで対応してほしい。

Q:現地でポケットWiFiを貸し出すのはこの事業の対象になるのか。

海外でのリース等も対象になる。ただし購入したり、譲渡するのはダメ。

Q:学習者の募集にかかる費用は対象になるのか。学習者は誰が募集するのか。

あくまで入学予定者が対象なので、広報費用はあまり必要ないと考えている。ただし、この事業に係るアナウンスや周知などのコストは対象になる。他の外国人(入国前の留学生以外)の募集に係る費用は、この事業の主旨からズレるため、要相談。

募集についても入学前の留学生が対象なので、あまりやる必要はないと思う。

Q:過去に実施したものや、今現在実施しているオンライン授業は対象にならないのか。

なりません(のちの質問と矛盾点あり)。

Q:学校が入学を許可した人のみが対象になるのか。

いずれ来る予定の人なら対象になる。入学許可を出していなければダメということではない。COE取得の段階等でも問題ない。

Q:来日後、14日間の待機期間中のオンライン授業実施も対象になるのか。

はい。

Q:来日が予定されている留学生がいない学校は、この事業に申し込むことはできないのか。

他校の入学予定者が対象ということもあり得る。あくまでも海外にいて、日本に来る予定の留学生ならOK。民間団体は、複数の日本語教育機関と関わることになるので、その辺りは、うまくとりまとめてやってほしい。

Q:1教育機関あたりの対象学習者人数の上限は?

特にない。

Q:待機学生の人数と、支払われる金額に関係はあるのか。

委託事業にかかったコストが支払い対象になるので、基本的には関係ない。ただし、人数がコストに関わる場合は、人数が多ければ自ずと増える。

Q:実証はどのように行うのか。

それは民間団体に提案してほしい。例えば、民間団体がオンライン授業環境を作って、学習者のログを残して管理するなどの方法が考えられる。

Q:告示基準で定められている授業時間数と関係があるか。(ある訳ない)

それとこの事業とは関係がない。

Q:新たに作られたものは、誰に帰属するものになるのか。(さっき説明してた)

文化庁。ただし文化庁に提出を求めるということではなく、誰でも使えるように共有できる状態にしておくということ。

ウェブ上でよく使えるものなどの場合は、文化庁に出してもらって文化庁が紹介するなどの場合も考えられる。

Q:授業をするのは有資格者?

それは特に求めない。法務省告示校が対象なので、それはその資格に従ってやってもらえると想定している。(つまり告示基準の条件を満たしている人がやれということですね)

Q:交流会や文化体験なども対象として認められるのか。

問題ない。ただし、日本語教育と全く関係ないのはダメ。

Q:短期生は対象なのか。

学校に入ってくることが想定されている人なら、短期生でも問題ない。

(ここは疑問が残ります。留学生は基本的に中長期滞在なので、最初の方で言っている「入国前の留学生」というのと合わない。そもそも「留学生」というのが言い間違いなのか、短期生というのが6か月とかを想定して言っているのか、旅行ビザも対象なのか)

Q:この事業を実施するということは、今後も入国制限が続くということではないのか。

そんなことは全く考えていません。

Q:問い合わせ先は?

6団体が質問をまとめてもらって、このような形で答えるのでもいいし、文化庁に個別に直接でもいい。

6団体:6団体のGメールを公開しているので、まずそちらに連絡してほしい。

Q:団体に所属してない学校でも申し込めるのか。

問題ない。公平にやってもらえる民間団体でないと、採択しない。

Q:進学予備教育で数学とか理科のみの実施でも対象なのか。(そんな学校ある?)

日本語学校として日本語教育の観点を駆使しながらやってるならOK。

Q:日本語教育機関は、複数の民間団体の事業に申し込めるのか。

特に問題はないが、最終的に支払う金額は整理・調整させてもらうことになる。

Q:入国制限緩和後に合流することを見越して、在校生とハイブリッドで現在オンライン授業を実施している。そのカリキュラム作成や機器のリース代等も対象になるのか。

なる。

Q:同時に受けてる在校生は、学費が発生しているが…?

それなら、収益が出ていることになるので、問題がある。無償でやるか、分けて実施するか、収益分は相殺するか選んでもらうことになる。

Q:現在待ってる学生に今実施しているサポートは、対象外なのか。

無償でやってるなら、これも対象になる。そういう形で工夫してもらえれば嬉しい。

Q:日本語教育機関は民間団体になれるのか。

なれる。でも最初に説明したようなポテンシャルが必要。

Q:6団体は民間団体の部分に申し込むのか。

6団体:いまのところないですね… 民間団体と連携してまあいろいろな… なんというか…

うーん… まあ、いろいろな提案をしていったりとか、募集の面で協力したりとか、そのような形態が考えられるかもしれません。

文:基本法人格が対象だが、任意団体もOK。6団体もやってもいいよ?

おわり

3/29、3/31の日本語教育機関向け2回目の説明会の内容はこちらの記事にまとめています↓

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