日本にいる留学生ってアルバイトできるのですか?
どんなルールがあるのでしょうか。
最近では、コンビニや居酒屋で留学生の店員さんと出会うことも珍しくなくなりました。
コロナ禍で留学生の数は一時期減少しましたが、今は回復の傾向を見せ、政府は2033年までに留学生を40万人受け入れるという方針を打ち出しています。
今後もアルバイトをする留学生は増えてくるでしょう。
でも、留学生のアルバイトに関するルールがどうなっているのか知らないという人も多いと思います。
そこでこの記事では、アルバイトの募集や採用などで外国人と関わる機会がある人が知っておくべき、留学生のアルバイト事情を解説します。
日本語教師や日本語学校で働く人も、知っておいて損はないと思いますので、ぜひ参考にしてみてください。
✔️留学生のアルバイトに関するルールが知りたい!
✔️留学生がどんなアルバイトをしているのか知りたい!
1. 留学ビザでアルバイトはできるの?
「留学」の在留資格(ここでは便宜上「ビザ」と言います)で日本に在留している外国人(つまり留学生)の場合、基本的に日本で就労することはできません。
アルバイトであってもそれは同じです。
留学ビザとは、その名の通り、日本の大学や専門学校、日本語学校などで勉強するために発給されるものであり、アルバイトはその活動の範囲外であると考えられるからです。
そのため、留学ビザを持つ外国人の在留カードの表面には、「就労不可」とはっきり記載されています。
ただし、出入国在留管理庁が発行する「資格外活動許可」を得れば、本来の「留学」活動を妨げない範囲内で、留学生もアルバイトができます。
なお、資格外活動許可を得ずにアルバイトをしていた場合は、不法就労となってしまうので、注意が必要です。
2. 資格外活動許可ってどんなもの?
資格外活動許可とは、本来の在留資格(ビザ)の範囲外で収入を得る活動を行うために、出入国在留管理庁から与えられる許可です。
上述の通り、留学生の本来の活動とは、大学等での勉強のことを指し、アルバイトはその活動の範囲外であると考えられます。
そのため、留学生がアルバイトをするには、資格外活動許可が必要になります。
資格外活動許可には、「包括許可」と「個別許可」があります。
留学生が一般的なアルバイトをする場合に必要なのは包括許可です。
これは、居住地を管轄する出入国在留管理庁で申請書を提出すれば、簡単に取得できます。
資格外活動許可を得ている留学生は、在留カード裏面の「資格外活動許可欄」に「許可」の印が押されています。
これを見れば、アルバイトとして就労可能な留学生かどうかを確認できるようになっています。
留学生のアルバイトを募集する人は、必ず面接や採用等の際に、この許可があるかどうかを確認しましょう。
資格外活動許可について詳しく知りたい方はこちら(出入国在留管理庁ウェブサイト)↓
3. 留学生のアルバイトに職種の制限はある?
「包括許可」を得ていれば、留学生は勤務先や職種、時間帯などの制限を特に受けずにアルバイトができます。
ただし、風俗営業や性風俗関連特殊営業などに関わる職種や営業所(キャバクラやホスト・ホステス、パチンコ店等)でのアルバイトは禁止されています。
また、業務委託によって報酬を得るなど、アルバイトとしての稼働時間が客観的に確認できない活動は、基本的にこの包括許可では認められず、「個別許可」が必要になります。
4. 1週間28時間までの時間制限がある
留学生がアルバイトをする場合、通常時(所属する学校の授業期間)は、1週間の労働時間は28時間までという時間制限があります。
それを超えて働くと、不法就労となってしまいます。
アルバイトの時間は、1週間のどの時点から計算しても、28時間を超えないようにする必要があります。
複数のアルバイトをしている場合は、合計が28時間を超えてはいけません。
また、資格外活動許可は「現に有する在留資格(ビザ)に係る活動の遂行が妨げられるものでないこと」という条件のもとで発行されます。
そのため、出席すべき学校の授業に全く行かず、アルバイトだけをすることは認められません。
そのような状況が明らかになった場合は、資格外活動許可が取り消されたり、在留資格が更新できなかったりすることもあります。
なお、夏休みや春休みなど、所属する教育機関の長期休暇中は、例外的に時間制限が緩和され、1日8時間まで(1週間40時間まで)働けます。
これを利用して、夏休みだけアルバイトのシフトを増やしたり、複数のアルバイトを掛け持ちしたりする留学生もいます。
この期間は所属機関によって異なります。
アルバイト募集や採用の段階でこの期間の確認を怠ると、法律等で定められている時間を超えて労働させてしまうこともあるので、注意が必要です。
5. 留学生のアルバイトの給料に税金はかかる?
留学生のアルバイトの給料も、所得税の課税対象になります。
ただし、1年以上日本に住んでいる「居住者」の場合と、1年未満の「非居住者」の場合とで、税率が異なる点に注意が必要です。
「居住者」の場合は日本人と同様です。
「非居住者」の場合には、基本的に所得税の税率は給与の20.42%となります。
また、中国やタイ、インドなど、日本との間で租税条約が結ばれている国の留学生の場合は、所得税の免税措置が受けられます。
詳しい条件は国(条約の内容)によって異なるので、募集や採用の段階でしっかり確認しておく必要があります。 詳しく知りたい方はこちら(国税庁ウェブサイト)↓
6. 留学生に人気のアルバイト先は?
日本にいる留学生は、家族からの仕送りをもらっている人が多いにしろ、政府からの援助等はなく、自分で生活費や学費を賄う私費留学生がほとんどです。
そのため、大学や日本語学校に通う留学生の多くが、アルバイトをしながら生活しています。
留学生がよくアルバイトをしている場所は、
①コンビニや居酒屋、各国料理のレストランなどの接客業
②工場やライン作業、倉庫での仕分けなど
に二分されます。
ある程度日本語能力があり、コミュニケーションに問題のない人は①
来日したばかりの人や、日本語能力が低い人は②
に従事することが多いというのが個人的な感想です。
ちなみに、留学生もアルバイトの時給は特に日本人と変わらないので、時給の高い夜勤のアルバイトは結構人気があります。
ただ、そのせいで「工場で夜勤したあとそのまま登校…(そして寝る)」という留学生もときどきいます。
まとめ
いかがでしたか。
留学生のアルバイト事情について簡単に解説しました。 日本語学校で働く人や、留学生のアルバイトの採用を考えている人は、参考にしてみてください。
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