日本語教師になったものの、なかなか授業が上手くなっている気がしません…
毎回の授業をこなすので精一杯で…
日本語教師になりたてのころは、だれでもそうだと思います。
私も最初は週2回から授業を始めましたが、それでも教案を作ったり導入を考えたり文法を調べたり、授業準備に忙殺される日々でした。
特に練習や導入のアイデアを考えるのにはかなり悩んで、良いアイデアが浮かばないまま1日が過ぎてしまうことも時々ありました。
そこで、この記事では、同じような悩みを抱えている日本語教師の皆さんへ、授業のアイデアを増やすために私がやったことを紹介したいと思います。
1. 他の先生の授業を積極的に見せてもらう
結局アイデアを短期間で一気に増やすのに最強なのはこれです。
日本語教師としての採用が決まって、まず最初にやったことは、先輩の先生の授業見学でした。
私は養成講座を修了したばかりで、まともな日本語の授業はやったことがなかったので、この採用が決まったときは、嬉しいと同時に、授業があまりイメージできずかなり不安を感じていました。
でも、この時はたまたま自分の授業が始まる前に、複数の先生の授業を見せてもらうことができ、
実際の授業を見たことで、自分が教壇に立って授業をするイメージが急に明確になり、初めての授業も何とかこなすことができました。
先輩の先生の授業を見せてもらうことのメリットは、何といっても多くのアイデアに触れられることです。
最初のころは、
「こんなやり方があるんだ」
「そういう練習の発想はなかったなあ」
という気づきの連続です。
自分で考えているだけでは、何時間経ってもアイデアが出てこないのに、授業見学をすれば数十分の間にたくさんのアイデアに気づくことができます。
だから、ベテランの先生や自分の年齢に近い先生など、多くの先生に授業見学をお願いしてみてください。授業が上手い先生は、よほど特殊な授業カリキュラムでない日なら、見学を断ることはほとんどないと思います。ただし直前とか当日に言うのは良くないですね。
学校やクラスの雰囲気なども分かるので、自分の働く学校で授業をしている先生の授業を見学するのがベストです。
一番早く、一番多くのアイデアを手に入れることができるのが、授業見学だと思います。
【授業見学のポイント】
- 初授業の前に授業見学をしよう
- 複数の先生の授業を見学しよう
- 自分が働く学校の先生の授業を見学しよう
- 新しいアイデアや、上手いと感じた言動は必ず書き留めよう
2. 教案や自分の授業を他の先生に積極的に見てもらう
他の先生の授業を見てアイデアを得たら、今度は自分の授業を他の先生に見てもらうことをお勧めします。
これは多くの学校で制度としてある印象ですが、なくても先輩の先生や常勤の先生に依頼すればいいと思います。
私が最初に働いた学校では、常勤の先生が毎週教案をチェックしてアドバイスをくれていた(そういう制度があった)ので、そこで多くの疑問をぶつけて、ダメな部分は指摘を受けて、都度修正してから授業に臨むことができたので、不安も減らせたし、成長もできました。
教案チェックや授業見学をしてもらうメリットは大きく2つです。
1つは、もちろん自分のダメなところに気づけること、そしてもう1つは、自分の考えた練習や導入のアイデアに対して、別のパターンの方法を提示してもらえることです。「私だったらこうやる」とか。
もし自分のアイデアが上手くいかなかったら、次はそれを試すこともできるし、それを元に3つ目のアイデアを生み出すこともできます。
【教案チェックと授業見学をしてもらうときのポイント】
- 悩んでいる部分についてダイレクトにアドバイスをもらおう
- 指摘してもらったところを見て、自分の弱点に気付こう
- 自分の準備したものについて、新たなパターンのアイデアをもらおう
3. 文型辞典や類似表現辞典などを1冊買う
文型辞典や類似表現辞典には、「新人日本語教師に送る文法分析のススメ」で書いたような内容が一挙にまとめられているので、文法の性質や規則、制限などについて知るのにとても有効です。
すべての文法をカバーしているわけではもちろんありませんが、ここで得た前後件の制限や接続ルールなどは、他の文法にも当てはまることが多いので、そのパターンを知っておくことによって、文法や語彙の性質を理解したり、類似表現との違いを見つけたりするスピードが速くなること請け合いです。
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【文型辞典・類似表現辞典のポイント】
- 文型辞典・類似表現辞典を1冊買おう
- さまざまな表現の特徴、前後件制限などに触れよう
- 文法や語彙分析をするときのアイデアの引き出しを増やしておこう
4. 授業で失敗したところは教案やプリントをすぐ修正
せっかく頑張っていろいろ準備したのに、あまり学習者の反応が良くなくて、授業が失敗に終わりました…
それは、自分の成長のチャンスです。
どんなに授業がうまい日本語教師でも、思うように授業が進まなかったり、学習者が想定していたより理解してくれなかったりすることは必ずあります。
でも授業が上手くなる教師とそうでない教師の違いはその授業後の行動です。それは、
すぐに教案や教材を修正するかどうか
授業が終わったときは、失敗の前後の流れや学習者の反応、自分の言動などが頭の中に残っています。それがなくなっていく前に、修正することが、次回に繋がっていきます。
翌日とか、数日後になると、どこで失敗したかは分かっていても失敗したときの詳細な状況については記憶が曖昧になっていくため、修正の精度は確実に落ちます。
フレッシュなうちに修正することが重要です。
原因が分からない場合は、上手くいかなかったところを、先輩や常勤の先生に説明し、アドバイスをもらうのもいいでしょう。
【授業後の教案・教材修正のポイント】
- 授業で失敗した時は、終了後すぐに修正作業をしよう
- 現場の状況に関する記憶が鮮明なうちに修正することで精度を上げよう
- 失敗の場面を先輩に共有してアドバイスをもらおう
5. 説明が難しい文法や語彙は先輩教師に聞いてみる
語彙や文法表現などの説明についても、自分でいくら考えても、調べても、すっきりしないことが結構あります。googleで検索したり、文型辞典を調べたり、教科書のマニュアルやガイドを見たり…。
どれを見ても、肝心な、今知りたいことが書かれていない!
ということも少なくありません。
でも、ここまで読んだあなたはもう大丈夫ですね。
先輩に聞きましょう。
分かっていたら教えてくれるし、分からなかったら一緒に考えたり調べたりしてくれるはず。良い日本語教師は、日本語の質問をされたら自分も気になって、スッキリするまで終われません。
【授業後の教案・教材修正のポイント】
- 新人日本語教師に送る文法分析のススメを読もう
- 日本語教師の類義語の見分け方のポイントを読もう
- 文型辞典で調べたり、googleで検索したりしてみよう
- 分からなかったら先輩の先生に聞いてみよう
- 一緒に調べたり考えたりしてもらおう
6. まとめ
要するに、アイデアと考え方の引き出しを増やすことです。
新人と(まともな)ベテランの最も大きな違いは練習や説明、タスクなどの引き出しと知識の数です。
たくさん知っている人に聞いたり、その人の授業を見たりすることによって、一気にレベルアップするきっかけを掴めるなら、利用しない手はないでしょう。そうすることによって、早く新人から抜け出すための土台を築くことができるはずです。
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