授業で使う教材を作っているときに、ちょうどいいイラストや写真が見つからず、時間がかかってしまいます…
画像が集めやすい便利なウェブサイトが知りたいです。
日本語教師の中には、授業で使う教材を自分で作っている人も多いと思います。
特に初級の語彙や文法の導入・説明の際には、イラストや写真を効果的に使うと、学習者も理解しやすく、授業もスムーズになりますよね。
でも、いざ画像を探してみても、状況に合い、画質が良く、分かりやすい画像はなかなか見つからないし、
「いらすとや」しか知らない…
という経験をしている方も少なくないはず。
そこで今回は、日本語教師の教材作成の強い味方になってくれる
イラストや写真などのフリー画像が無料でダウンロードできるウェブサイト
を、厳選して紹介します。
授業準備に困っている人は、ぜひ参考にしてみてください。
画像の使用方法や使用範囲は、各サイトの規約・ポリシーに従ってください。
✔️授業準備を効率化したい!
✔️授業の内容や状況に合う画像がなかなか見つからない…
✔️自分でイラストを描いているけど、時間がかかるのでやめたい…
✔️おしゃれなイラストや写真が無料で使えるサイトが知りたい!
1. オールマイティ部門
まずは多くの便利機能を備えているオールマイティ部門から。
ここで紹介する2つのウェブサイトは、日本語の授業だけでなく、ウェブ制作やプレゼンテーションなど、あらゆる場面で活躍してくれる心強い味方です。
①画像探しも編集も教材作成もこれ1つ!生成AIも無料の「Canva」
言わずと知れたデザインツールCanvaですが、その中に用意されている「プレゼンテーション(パワポのようなもの)」を使えば、テンプレの選択、画像探し、画像編集、教材作成、そして授業まで、全てを1つのツールで完結させることが可能です。
写真とイラストだけでなく、GIF画像や動画なども使用することができ、画像の編集も直感的に行えます。
また、生成AIによる画像生成もできるので、プロンプトがしっかり書ける人は、理想的なシチュエーションのイラストがものの数秒で作れます。
もちろん他で手に入れた画像をアップロードして活用することもできます。
色々なテンプレートも用意されているので、授業教材に統一感を持たせたり、華やかさをプラスしたりしたい人にもオススメです。
無料でも十分な機能や画像等が使えますが、有料プラン(1,180円/月)にすれば、使えるテンプレートや画像の種類が爆発的に増えます。
【Canva】
②当ブログも愛用!イラストも写真も探せる万能サイト「Pixabay」
このウェブサイトは、写真とイラスト、ベクター画像が一度に検索できる便利なフリー画像サイトです。
メディアタイプによる絞り込みももちろんできるし、ダウンロード時に画像サイズも選べます。
このサイトはとにかく写真の数が豊富です。
より細かい指示(「○○している△△」)になると弱くなりますが、一般的な検索ワードであれば、全てをチェックしきるのは難しいほど、たくさんの量の画像が出てきます。
日本語でも検索できます。
また、上で紹介したCanvaにそのまま画像を送って編集に移ることができる点も、非常に便利です。
ちなみにこのブログの記事中(見出しの下)で使っている画像の多くは、このPixabayから拝借したものです。
【Pixabay】
2. 写真部門
続いて、「写真」の検索・収集に便利なウェブサイトを3つ紹介します。
個人的には実際の場所や人物、文化などを伝えるときはイラストより写真の方が優れていると思います。
①圧倒的保有点数!じっくり見ていると時間が溶ける「Pexels」
写真の数がかなり多いフリー画像サイトです。
日本語検索も可能で、Pixabayと同様、ダウンロード時にサイズも選べるので便利です。
オリジナルサイズだと、画質は良いですが、かなりサイズが大きいので注意が必要です。
こちらもそのままCanvaに画像を転送して、編集に移ることもできます。日本語検索も可能です。
タグやトピックでの検索、ランキング検索もできるので、画像も探しやすいです。
【Pexels】
②オシャレな写真が充実!豊富なストックを誇る「Unsplash」
こちらも写真の数がかなり多いサイトで、メジャーな検索ワードだと、全ての候補を見きるのは正直言って困難なほどの量の画像が用意されています。
おしゃれな写真が多いのも特徴で、iPhoneの壁紙なんかもあったりします。
PexelsやPixabayと同様、日本語検索ができ、ダウンロード時にサイズも選べます。
上記2つのウェブサイトより、縦型の写真が多い印象です。
【Unsplash】
③日本人による、日本のリアルを伝える画像が充実!「ぱくたそ」
日本人が写っている写真や、日本で撮られたリアルな写真が使いたい方にオススメの画像サイトです。
ここまでに紹介したものは、元が海外サイトのため、日本文化や日本人に関する写真は、やや怪しい(現実とはちょっと違う)ものが結構あります。
でも、このサイトは日本で作られたもので、日本人の写真家によって撮られた写真がほとんどなので、特に日本文化や日本の土地に関する写真は、より現実に即したものが多くなっています。
また、人物系はかなり細かい状況設定のものが多いので、うまくハマれば、どのサイトよりも授業にピッタリの写真が見つかるはずです。
検索も、ランキング、タグ、カテゴリなどからできるので使いやすいです。
【ぱくたそ】
3. イラスト部門
次にご紹介するのは、「イラスト」が無料でダウンロードできるサイトです。
導入や練習、説明などでは、写真よりイラストを使う人の方が多いはず。
もちろん不動の人気を誇る「いらすとや」もいいですが、実はほかにもイラストがフリーで使えるサイトはたくさんあります。
授業で使うスライドやプリントなどにサッと入れ込むことで、授業に活力を与え、進行をスムーズにするイラストや、統一感のある教材づくりを可能にするイラストが提供されているウェブサイトを集めました。
①一度は見たことある?シンプルでクセのないイラストが特徴の「ソコスト」
「ソコソコ使えるイラスト素材集」というユニークなテーマのフリー画像ダウンロードサイトです。
キーワード(カテゴリ)やタグで、様々なシチュエーションのイラストが検索できます。
シンプルな線で描かれ、色も使いすぎていないクセのないイラストが特徴です。
人物系のイラストが最も充実していて、次いでビジネス関係が多くなっています。
ただ、その他にも生活や建物など、日本語教師が活用できるものが豊富に取り揃えられています。
【ソコスト】
②日本語教育にもちょうどいい?「ちょうどいいイラスト」
その名の通り、ちょうどいい感じのシンプルなイラストが提供されているウェブサイトです。
カテゴリごとにイラストが探せるようになっていて使いやすいです。
また、それぞれの画像に、「色なし(白黒)」「単色(青)」「色あり」の3種類が用意されていて、用途に合わせて使い分けが可能です。
そこまで画像の数が多い訳ではありませんが、生活・人物・仕事関連のイラストが充実しています。
「ソコスト」と同様、クセのないイラストなので、日本語教師も活用しやすいと思います。
【ちょうどいいイラスト】
③オシャレな画像がいっぱい!「ベクターシェルフ」
カテゴリは限られますが、オシャレなタッチのイラストがたくさんあるサイトです。
数が多いのは食べ物、飲み物、植物、犬・猫系の画像です。
カフェとかパン屋さんのフライヤーやメニューなんかに載ってそうなイラストが多いです(主観)。
インスタ投稿などにも使えそうですね。
授業にどう生かすかはアイデアが試されるところだと思います。
【ベクターシェルフ】
④他とは一線を画すシンプルイラスト!「Linustock」
統一されたタッチで描かれたシンプルなイラストがダウンロードできるサイトです。
モノクロ(線のみ)とカラーの両方がダウンロードできます。
イラストの種類や数は他サイトに軍配が上がりますが、カラフルでごちゃごちゃした感じがあまり好きではない人には刺さるんじゃないかなと思います。
【Linustock】
4. ウェブ・広告・デザイン部門
ここで少し寄り道して、ウェブサイト作成やチラシ作成、広報業務、プレゼン等の仕事が多い人にお勧めのフリー画像サイトをいくつかご紹介します。
授業で使うにはアイデアが必要… でもデザイン系には使いやすい!という画像サイトを集めました。
①シンプルなアイコンで統一感を「ICOOON MONO」
アイコンスタイルの画像がたくさんあるサイトです。
ブログやチラシ、ウェブサイトなどのデザイン関係に使いやすいと思います。
アイデア次第で日本語教師も活用できそうです。
学校での注意書きとか、お知らせなどに使うと良いかもしれません。
【ICOOON MONO】
②なんかどこかで見たことあるイラスト「unDraw」
ウェブサイトのアイキャッチや、プレゼン資料の片隅に配置するとオシャレに仕上がるイラストサイトです。
このサイトの面白いところは、全てのイラストに対して色の変更を施すことができること。
例えば赤を基調にした資料を作りたい場合は、全ての画像を赤ベースの色調に変更できます。
欠点は日本語検索ができない点と、カテゴリごとにイラスト一覧が見られない点です。
【unDraw】
③こだわり設定のシンプルイラスト「shigureni free illust」
素朴な女の子が主役のシンプルなイラストが特徴のウェブサイトです。
ソコストやちょうどいいイラストとテイストは似ていますが、
「オンライン会議に入ったら自分以外ビデオオフだった時のイラスト」とか
「いつの間にか調味料が机の上に溜まっているイラスト」
のような、こだわりテーマのイラストが集められています。
授業でも特定のcan doとか文型にピッタリ当てはまるものがあれば、バッチリ使えるかもしれません(笑)
【shigureni free illust】
5. 日本語教育部門
最後に、日本語教育に特化したというか、日本語教師が授業で使うために作られたイラストサイトを紹介します。
ここで紹介するものは、何よりも授業で使うことを想定して作られているところが一番の強みでしょう。
①色んな方法で検索可能!「日本語の絵」
Twitter(X)でも活躍されている「日本語の絵」さんのサイトです。
カテゴリ検索のほかに、文型や機能、場面、品詞による検索が可能です。
普通のイラストサイトではまずない検索方法です。
それぞれの項目ごとのイラストの数はあまり多くありませんが、かなりの数の文型や機能ごとにイラストが用意されています。
日本語教育の経験者によって、日本語教師の視点を理解した上で作られているサイトです。
授業でも使いやすいものが多いと思います。
【日本語の絵】
②豊富な機能と検索方法!「みんなの日本語教材サイト」
国際交流基金が運営している教材サイトです。
写真とイラストの両方が検索可能なのが便利です。
また、種類やキーワードによる検索だけでなく、文型ごとに必要なものをまとめて見られたり、JFの日本語教育スタンダードに準拠したトピックごとの検索もできたりと、様々な探し方ができるのも良い点です。
ユーザー登録をすると、自分の教材を投稿したり、他の人の素材が見られたりと、できることが広がります。
登録不要で利用できる画像と、ユーザー登録後に見られる画像があります。
【みんなの日本語教材サイト】
教材作成はほどほどに
いかがでしたか。
日本語教師の授業準備の役に立つフリー画像サイトを紹介しました。
イラスト集め以外の授業準備に時間がかかってお悩みの方は、こちら↓の記事も併せて読んでみてください。
語彙・文法分析や、授業のアイデア集めに便利なサイトを紹介しています。
ここで一つ日本語教師の皆さんに言っておきたいことがあります。
教材作成や授業準備は、こだわり始めると終わりがありません。だから、適度な所で妥協することが大切です。
どこで妥協するかは人それぞれですが、あまりイラストやデザインにこだわりすぎないようにしてください。
いくらそれが楽しくても、授業準備は基本的に無給です。
そこにあまり時間を割きすぎると、実質的な時給がかなり低くなったり、自分の自由な時間がなくなったりしてしまいます。
まずは効率化の方法を考える、それが十分にできていても準備時間が長くなってしまう場合は、妥協できるところを適度に妥協する。
これが授業準備が苦にならないようにするコツだと思います。
ご参考まで!
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新人日本語教師におすすめの本はこちら↓
日本語教師×ICTに特化した本はこちら↓
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