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【アルバイトは留学生ばかり?】外国人留学生という生き方を知る【2】生活・進路編

外国人の日本での生活・進路

日本にいる外国人留学生って、どんな生活を送っているのでしょうか。

また、留学先の学校を卒業したら、どんな道に進むのでしょうか。

この記事では、留学生の日本での生活や進路について、よく聞かれる点をまとめて解説します。

なお、入国や受け入れ時の手続き等については、【1】入国・受け入れ編で解説しているので、そちらも併せて読んでみてください。各種手続きの詳細が分かるウェブサイトのリンクもまとめて掲載しています。

こんな人にオススメ!

✔留学生の生活について、気になる疑問を解決したい!
✔留学生のアルバイト事情や進路等について知りたい!
✔日本語教師として、留学生と関わる上で必要な知識を身につけたい!

1. 留学生は日本でアルバイトができる?

このセクションでは、留学生のアルバイト事情について解説します。

(1)留学生のアルバイトの制限はある?許可は必要?

実は留学生(在留資格「留学」で日本にいる外国人)は、法律的にはアルバイトをすることができません

本来の日本滞在の目的が、アルバイトではなく「留学」だからです。

ただし、出入国在留管理庁に「資格外活動許可」を申請して許可を得ることで、留学生活中もアルバイトができるようになります

注意しておきたいのは、あくまでも「留学」が主目的であるため、労働時間は1週間に28時間までと制限されていることです(夏休みなどの長期休暇中は、1週間に40時間まで)。

また、職種についても制限があり、留学生はパチンコ店やキャバクラなどの風俗営業に当たる職種のアルバイトをすることができません。

時間や職種の制限に違反して働いていたことが発覚した場合は不法就労とみなされ、強制退去になったり、罪に問われたりすることもあります。アルバイトの採用に関わっている人は、このあたりの制限に注意しておく必要があります。

ポイント

・資格外活動許可の有無、職種・労働時間の制限に注意

(2)留学生のバイト先はどんなところが多い?

【1】の入国・受け入れ編でも書きましたが、日本にいる留学生は自費で生活費や学費を賄う私費留学生がほとんどで、多くの留学生がアルバイトをしながら生活しています。

留学生がよくアルバイトをしているのは、コンビニや居酒屋、各国料理のレストランなどの接客業と、工場やライン作業、倉庫での仕分けなどです。

コンビニ等で、中国人やベトナム人、バングラデシュ人などがアルバイトをしているのに出会ったことがある人も多いはず。

すぐ上で述べたとおり、仕送りが十分でない場合は、学費や生活費を賄うために、先輩や日本語学校からの紹介などを通じて、来日後すぐにアルバイトを始める人も少なくありません。

・午前中は日本語学校で授業を受けて午後はアルバイトをしている
・夜勤のアルバイトをして午前中に寝て、午後から授業に行く

このような生活をしている留学生は多くいます。

昨日は夜勤のバイトがあって…

と授業中に眠そうにしている学生も時々いたり。

留学生のアルバイトの時給は特に日本人と変わらないので、時給の高い夜勤のアルバイトの求人は、結構人気があります。

(3)留学生のアルバイトの給料にかかる税金は?

留学生のアルバイトの給料も、所得税の課税対象になります。

ただし、1年以上日本に住んでいる「居住者」の場合と、1年未満の「非居住者」の場合とで、税率が異なる点に注意が必要です。

「居住者」の場合は日本人と同様ですが、「非居住者」の場合には所得税の税率は給与の20.42%となります。

また、中国やタイ、インドなど、日本との間で租税条約が結ばれている国からの留学生の場合は、所得税の免税措置が受けられます。詳しい条件は国(条約の内容)によって異なるので、採用する場合はしっかり確認しておく必要があります。

ポイント

・所得税率等の留学生の収入に対する税金ルールは、国や居住期間によって異なる

【参考】
資格外活動許可(出入国在留管理庁)
https://www.moj.go.jp/isa/applications/guide/nyuukokukanri07_00045.html

学生のアルバイト代(国税庁)
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/gensen/06/62.htm

2. 留学生は英語が喋れる?

日本人の皆さんの中には、「外国人は大体英語が話せる」と思っている人もいるかもしれませんが、日本にいる留学生はアジア出身者が多いので、英語が喋れない人の方がむしろ多いです。

留学生の国籍等のデータはこちらの記事↓をご覧ください。

フィリピンや香港等の人はある程度英語ができますが、中国やベトナム等の留学生は、(問題なく意思疎通できるほどは)英語が喋れないことの方が普通です。

僕も留学生の受け入れ時に、ベトナムやネパールの人などと英語でやり取りをしようとしたものの、全く通じなくて困った経験が多々あります。

ただ、ベトナム語やネパール語などが(不自由なく使いこなせるほど)できる職員がいる学校はあまり多くありません。

そのため、留学生が来日したばかりで日本語が全くできないうちは、意思疎通に苦労した経験がある日本語学校職員の人も多いと思います。

一方で、欧米系の学習者の場合はもちろん英語ができる人が多く、母語話者でなくても、時々英語を教える家庭教師や英会話講師などのアルバイトをやっている人もいます。

また、英語が得意な人は、大学等で英会話や国際交流のサークルに入って活躍したり、英語だけで大学入試を受けて、大学でも英語で授業を受けたりしている人ももちろんいます。

中国、ベトナムなどの留学生でも、大学で英語を専攻していたり、留学経験があったりする人はもちろんいます。

ただ、日本にいる留学生全体で言えば、英語より日本語の方がうまく使える人の方が、圧倒的に多数派です。

ポイント

・留学生はアジア圏出身者が中心。英語が喋れない人も多い

3. 留学生は日本でクレジットカードが作れる?

留学生も、日本でクレジットカードを作る(ための申し込みをする)ことは可能です。

ただ、収入面等の問題もあり、結構審査に落ちるようです。

カード会社からのお祈りメールや手紙を受け取って、意味が分からず質問に来る留学生も定期的にいます。

クレジットカード作成時には収入の証明が必要な場合があったり、審査プロセス中の日本語での確認電話や窓口での会話に対応できなかったりすることもあるので、特に日本に来たばかりの留学生がクレジットカードを作るのは、かなりハードルが高いようです。

では、それでもクレジットカードが必要という場合には、どうすればいいのでしょうか。

実際に留学生に聞いてみると、以下のような方法がおすすめとのことでした。

(1)三井住友銀行で申し込む…
留学生でも審査に通ることがあるようです。特に何も聞かれなかったという人も過去にいました。

窓口等での日本語でのやり取りが問題ない人なら、やってみる価値はありそうです。

(2)PayPayカードや楽天カードなどのネット銀行系カードを申し込む…
これは多くの留学生がおすすめとして挙げていました。ネットで簡単に申し込みができるし、日本語が分からなくても他の人に手伝ってもらえるので、ハードルは低そうです。

(3)AMEXに申し込む…
審査には通りやすいという声がありました。ただ年会費が高いので、留学生には不向きとの声も。

(4)デビットカードを使う…
これなら留学生でも大丈夫なようです。
クレカの申請が通らなかった場合は、代わりにこの方法で対処している人が多いようです。

(5)海外で作ったものを持ってくる…
留学生は審査に落ちやすいことを知っている人や、すでに国で仕事をしていた人などは、自国で作ったカードを持って来ています。

ポイント

・留学生に対するクレジットカードの審査は厳しい
・ネット銀行系のクレジットカードやデビットカードは、留学生でも作りやすい

4. 留学生のサポートや交流ができるイベントはある?

日本にいる留学生には、様々なサポート制度や交流イベントなどが用意されています。

多くの場合は、留学生が在籍する日本語学校や大学等が提供しているものです。

以下にその一例を紹介します。

(1)チューター、言語パートナー制度

留学生と日本人がパートナーになり、お互いの言語学習をサポートしたり、生活をともにしたりします。

大学等でよく提供されている制度です。

留学生は日本の生活のことを教えてもらったり、日本語の勉強をサポートしてもらったりできるし、日本人はその留学生の母語の勉強をサポートしてもらえます。

(2)大学等の国際交流サークル

多くの大学には、国際交流サークルがあります。

日本人と留学生等が一緒に活動して、英会話の練習をしたり、各国の文化を学んだり、イベントを企画したりするサークルです。

学園祭等で、留学生の母国の料理の店が出されているのを見たことがある人も多いはず。

また、このようなサークルが一般の人も参加できるイベントを開催したり、日本語学校等と連携してイベントを催したりしていることもあります。

(3)日本語学校等の国際交流イベント

日本語学校の中には、学習者と一般の方の交流イベントを行っているところもあります。

普段の日本語の授業に、日本語教師養成講座を受講中の人を招いて交流授業を行ったり、学校内のスピーチコンテストや学園祭を一般開放したりするなど、様々なイベントがあります。

(4)地域の国際交流センターなどでの日本語ボランティア

これは留学生に限ったことではないですが、地域の国際交流センターなどの施設では、日本人のボランティアを集め、1対1等の無料の日本語レッスン(や言語交換)が提供されていることが多いです。

日本語学校に通う留学生の中にも、
「もっと会話が上手になりたい」
「先生の(外国人向けの)日本語だけじゃなくて、普通の日本人の生の日本語にも触れたい」
などの理由で、このような所に通っている人もいます。

(2)~(4)については、日本語学校や大学の職員等じゃなくても、参加するチャンスがあります。
興味がある方は、お住まいの地域の学校や国際交流センター等のウェブサイトを覗いてみてください。

5. 留学生はどんなところに進学する?

このセクションでは、留学生の主な進路について簡単に紹介します。

(1)日本語学校を卒業した後

日本語学校に通う留学生の多くは、日本の大学院、大学、専門学校に進学します。

日本語学校では、その名の通り「日本語の」勉強が主となりますが、卒業後はそれぞれの勉強したいことを「日本語で」学ぶことになります。

人気がある分野・専攻は、

■大学院、大学への進学者…
経済や経営、社会学やメディア・観光、理工学、芸術、文学、日本語など…

■専門学校への進学者…
自動車やアニメ、ITやゲーム、ファッションや芸術、調理や製菓など…

留学生の勉強したい学問・分野は人それぞれです。

日本語学校を卒業した後、就労系や特定技能のビザに切り替えて、そのまま就職する人や帰国する人ももちろんいます。

詳しくは下の6のセクションへ。

(2)大学・大学院・専門学校を卒業した後

大学等を卒業した後は、多くの留学生が就職を目指します

ただ、就職先は日本の会社の場合もあるし、国に帰って就職する人も少なくありません

中国等の場合は、自国で大学受験等に失敗して、日本の学歴ほしさに留学する人もいるし、両親の意向等を大事にする人もいるし、日本にとどまるか帰国するかは、それぞれの事情によって様々です。

留学生の来日動機について詳しく知りたい方は、こちら↓の記事も参考にしてみてください。

ポイント

・日本語学校卒業者の多くは、日本の大学や専門学校に進学する
・大学卒業後の留学生の進路は人それぞれ

6.留学生はどんなところに就職する?

日本で就職する場合、留学生が就く仕事として多いのは、看護・介護や翻訳・貿易会社、観光、外国人相手の接客が多い店舗スタッフなどです。

留学生が就職先を探す方法は様々です。

まず、留学生も日本人学生と同じように、就活サイトを使ったり、就職説明会などのイベントに参加したりすることができます。

また、留学生向けの就活サイトもあるし、東京、大阪などでは留学生向けの合同説明会などのイベントも開催されているので、就職を目指す留学生は、そのあたりを使いながら求人情報や就職先を探します。

大学等の場合は、学校が就職サポートに力を入れていることが多いので(就職率は受験生等へのPRに大事な数字)、そちらを頼る留学生も多いようです。

日本語学校の留学生の場合は、知り合いの会社で働いたり、すでに日本で働いている先輩から、上で述べた翻訳や観光、店舗スタッフのような仕事を紹介してもらったり、日本語学校の支援のもと、特定技能ビザに在留資格を変更したりして就職する方法が主となっています。

このような仲介者がいる場合は、面接だけで入社できるところが多い印象です。

日本語学校の場合、日本語教師に何度も面接練習をしてもらって、しっかり準備することもできます。

ちなみに、中国人やベトナム人の留学生の中には、自分(たち)で起業し、輸出入や日本語学校への留学生紹介、ウェブビジネス等の仕事を始める人も定期的にいます。

ポイント

・留学生向けの就活サイトや企業説明会もある
・日本語学校から就職の場合は、誰かを通じて仕事を紹介してもらうことが多い

ビザ変更の手続きについて詳しく知りたい方は【1】入国・受け入れ編の1-(3)「ビザの変更はどうする?」をご覧ください。

まとめ

いかがでしたか。

留学生の入国後の生活や進路について、よく聞かれる点を解説しました。

日本語教師の方や、留学生等の外国人と関わる機会の多い方は、参考にしてみてください。

なお、【1】の入国・受け入れ編では、入国~留学生活スタートまでに必要な手続きやよくある疑問についてまとめています。こちらも併せて読んでみてください。

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