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【留学生40万人計画】外国人留学生という生き方を知る【1】入国・受け入れ編

留学生の入国・受け入れ時の手続き

留学生の入国時や来日後の手続きって、どのようなことが必要なのでしょうか。

ビザや在留カード、マイナンバーカード、健康保険など、留学生が日本での留学生活を始める前にしなければならないことはたくさんあります。

この記事では、外国人留学生が入国してから来日後の生活をスタートさせるまでに必要な手続きについて、まとめて解説します。

こんな人にオススメ!

✔留学生の来日後に必要な手続きが知りたい!
✔知り合いの留学生をサポートしたい!
✔日本語学校で働くときに役立つ留学生関連の知識を身につけたい!

1. 留学生はどんなビザ(在留資格)で来日する?

留学生という名前のとおり、彼/彼女らが持っているビザ(在留資格)は「留学ビザ」と呼ばれます。ビザと在留資格は厳密には違うものなのですが、ここでは分かりやすくするためにまとめてビザと書いておきます。

ビザと在留資格(と在留資格認定証明書、通称COE)について詳しく知りたい方は、こちら↓の記事を参考にしてみてください。

(1)留学ビザ取得のための必要書類は?

「留学」ビザの(新規)申請は、留学先の学校(日本語学校や大学)が、本人の代わりに出入国在留管理庁に行うのが普通です。

基本的な必要書類は、以下の通りです。

①在留資格認定証明書交付申請書
②写真
③返信用封筒(404円切手貼付)
④その他必要書類…

その他必要書類と書いたのは、留学先機関の種類や、その学校が適正校であるか否か等によって必要書類が異なるからです。在席管理の優良な学校等であれば、提出書類が少なかったり、申請フローが簡素化されたりします。

母国での最終学歴の卒業証明書や、日本語能力の証明書、経費支弁書などが④の一例です。

ポイント

・「留学」の在留資格(認定証明書)の申請に必要な書類は、学校の種類や適正校か否かによって異なる

ちなみに留学ビザでは、基本的にはアルバイトを含め日本で働くことはできません

ただし「資格外活動許可」を申請し許可を得た場合は、一定の時間制限の中でアルバイトをすることができます。

詳しくはこちらの記事の「留学生は日本でアルバイトができる?」のセクションをご覧ください。

(2)ビザの更新はどうする?

「留学」の在留期間(ビザが有効で、日本にいられる期間)は、人によってまちまちです。

最大4年3か月の在留期間がもらえますが、収入・経費支弁の状況や所属する学校・コースの期間、更新の場合はこれまでの在留中の成績や出席率(、あるいは学校の質や在籍者管理状況)などによって、1年しか出ない人もいます。

問題もなく、優良だと認められれば、長期の在留期間がもらえます。

大学入学時に更新したら4年間のビザがもらえた、という人も実際にいました。

具体的に在留可能な期間の差がどこから生まれるかは、個人の状況によるのではっきりとは言えませんが、上記のような複数の要素が総合的に判断されるようです。

そのため、多くの留学生は日本語学校や大学等の在籍中に、何度かビザ更新をする必要があります

ビザ更新の必要書類は以下の通りです。

①在留期間更新許可申請書
②写真
③パスポート及び在留カード
④その他必要書類…

更新の場合も、所属機関や新たに進学する機関等によって④の書類が異なります。

詳しくはこのセクションの終わりに掲載している出入国在留管理庁のウェブサイトを見てみてください。

ポイント

・留学生の在留期間は人それぞれ
・留学生は日本語学校や大学等の在籍中に何度かビザを更新する

(3)ビザの変更はどうする?

留学生が日本語学校や大学等を卒業して就職する際には、適切なビザへの変更が必要になります。

就労する場合のビザは様々な種類がありますが、留学生の就職時によく使われるのは、「技人国」と呼ばれる「技術・人文知識・国際業務」や、「特定技能」「介護」などです。

中国人留学生などの中は、自分で起業する人もときどきいます。

ビザ変更の際の手続きや必要書類は、ビザの種類によって異なります(詳しくはセクション下部「就労や長期滞在を目的とする場合」参照)。

留学生が日本語学校や大学等の卒業時期を迎えたものの、就職先が見つからず継続して就職活動を行いたい場合は、一定の条件を満たせば「特定活動」というビザの取得が可能です。

留学生は、基本的には所属機関がないと日本に在留することができませんが、このビザがあれば卒業後も日本に滞在して就職活動を続けることができます

それと、短期滞在(旅行等)ビザで来日し、日本語学校で少しの間勉強して、その後留学ビザに切り替えて日本語学校等に正式に入学する人も結構います。

その場合の必要書類は以下の通りです。

①在留資格変更許可申請書
②写真
③パスポート
④その他必要書類…

ここもその他必要書類は、ビザ取得・更新の場合と同様です。

ポイント

・ビザ変更に必要な手続きや書類は、変更するビザの種類によって異なる

その他のビザ関係の情報は、下記の出入国在留管理庁のウェブサイトを参考にしてみてください。

【参考】
在留資格「留学」と取得手続き
https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/student.html

(就職活動の為の)特定活動ビザ
https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/designatedactivities14.html

就労や長期滞在を目的とする場合
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/visa/chouki/index.html

2. 留学生は在留カードをいつもらう?

出入国在留管理庁HPより

このセクションでは、留学生も含め、日本に住む外国人の多くが持つ在留カードについて解説します。

(1)在留カードとはどんなカード?

在留カードとは、中長期在留者(3か月以上日本に滞在する外国人)に交付される、身分証の代わりにもなるカードです。

在留カードには、顔写真に加え以下のような情報が記載されています。

・氏名、生年月日、性別、国籍や地域、住所
・在留資格、在留期間、許可の種類及び許可年月日
・在留カード番号、交付年月日及び有効期限
・就労制限の有無
・資格外活動許可(アルバイトの許可)の有無
など

留学生を含め、日本に在留する外国人は、基本的に在留カードを常時携帯することが義務付けられており、警察官等から提示を求められた場合は提示する必要があります(外交・公用ビザの場合等の例外あり)。

在留カードを持っていなかった場合は20万円以下の罰金、警察官等からの提示の指示に応じなかった場合は1年以下の懲役、又は20万円以下の罰金に処せられることがあります。

ただし、16歳以下の人は常時携帯の義務が免除されています。

なお、在留カードには就労制限の有無が記載されていて、事業者はこれを見れば、その外国人を雇ってもいいかどうかが分かるようになっています。

留学生のアルバイトの場合は、「資格外活動許可」の欄に許可する旨の記載があるかどうかを見れば、アルバイトとして雇ってもいいかが分かります。

ポイント

・在留カードは基本的に常時携帯義務がある
・在留カードを見れば、就労(アルバイト含む)が可能かどうかが一目で分かる

(2)在留カードはいつもらう?

在留カードは、基本的に新規入国時に空港で交付されます。

新規入国者は、入国時に空港で在留カードを受け取り、それを持って居住地の市区町村に住民登録に行くことになります。

ただし、空港以外から入国した場合や、新しく生まれた子供、3か月以下の滞在から中長期在留に変更した場合などは、郵送等の方法で在留カードが交付されます。

なお、外国人が日本での活動を終えて帰国するときは、在留カードは返納しなければなりません。

【参考】
在留カードはどういうカード?(出入国在留管理庁)
https://www.moj.go.jp/isa/publications/materials/newimmiact_4_point.html

知っておきたい在留管理制度あれこれ(出入国在留管理庁)
https://www.moj.go.jp/isa/publications/materials/newimmiact_4_q-and-a_page2.html

3. 留学生はマイナンバーカードが作れる?住民票はもらえる? 

このセクションでは、留学生のマイナンバーカードや住民票について解説します。

(1)留学生も住民登録が必要?住民票は取れる?

留学生は、来日後住所が決まった日から14日以内に、居住地の市区町村の役所で住民登録(転入届の提出)をする必要があります。その際には、空港で受け取った在留カードを持っていきます。

留学生も、住民登録が完了したら日本人と同様に住民票が取れるようになります。

日本語学校に在籍中に大学や大学院等を受験する留学生は、出願する際に住民票の提出を求められることもしばしばです。

ちなみに、外国人の住民票には、日本人と同様の記載事項に加えて、国籍や在留カード番号等も記載されます。

また、日本人と同じように、引っ越ししたときには転出・転入届の提出も必要になります。

(2)外国人もマイナンバーカードが作れる?いつから可能?

留学生などの新規入国した外国人の住民登録が完了すると、2、3週間程度で日本人と同様にマイナンバーの通知書が郵送で送られてきます

通知書にはQRコードが印刷されており、そこからオンラインでマイナンバーカードの申請ができるようになっています。

つまり、外国人もマイナンバーカードが作れるということです。

留学生の中にも、マイナンバーカードを作っている人は結構います。

ただし、外国人の場合は、パスポートなどで本人確認を行ったうえでカードが交付されることになっています。

また、マイナンバーカードがあれば、在留に係る手続きの一部がオンラインでできるなど、外国人ならではのメリットもあります。

ちなみに外国人は、一旦帰国後に再度来日して住民登録する際も、1回目と同じマイナンバーが使われます。

ポイント

・外国人も住民票の取得やマイナンバーカードが作成可能

【参考】
■外国人の住民登録(総務省)
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/c-gyousei/zairyu/move-in_move-out.html

■外国人の住民票(総務省)
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/c-gyousei/zairyu/resident_record.html

■留学生のマイナンバー(マイナンバーカード総合サイト)
https://www.kojinbango-card.go.jp/hpsv/wpmng/assets/pdf/download/pamphlet-jp.pdf

4. 留学生も健康保険の加入は必要?保険料はいくら?

日本に3か月以上在留する中長期在留者は、健康保険に加入する必要があります

留学生の場合は国民健康保険です。

健康保険の加入手続きは、市区町村の役所で住民登録をしたあとで行います。

基本的には本人負担30%で日本人と同様です。高額療養費制度も対象になります。

保険料は、前年度のアルバイトなどの収入によって決まります。

新規入国の場合は、来日前の収入状況や経費支弁の状況などによって変わりますが、収入がない場合などは減免を受けることが可能です。

保険料は市区町村によって異なりますが、日本での収入がない場合、減免の申請を行えば年間で約10,000~20,000円程度になるところが多いようです。

保険料の減免を受ける為には、収入の有無にかかわらず市区町村の役所への申告が必要になるので、申告漏れのないようにすることが重要です。申告は個人で行う場合や、アルバイト先がやる場合などがあります。日本語学校のサポートがある場合も多いですね。

ちなみに、大学等が健康保険料の補助を出していたり、日本語学校等の場合は学費に含め、まとめて支払っていたりするところもあります。

ポイント

・留学生も国民健康保険には加入する義務がある
・健康保険の減免は、申請を行わなければ適用されない

【参考】
留学生の健康保険(JASSO)
https://www.studyinjapan.go.jp/ja/life/insurance/

5. 留学生の賃貸は?保証人や緊急連絡先はどうなる?

日本にいる留学生が苦労することの1つが、住む場所の確保です。

来日してすぐの留学生が自力で賃貸物件を探すのはかなり難しいため、日本語学校や大学等には、寮が用意されているところが多くなっています。

寮以外で家を借りるとなると、特に来日したばかりの場合は契約に係る複雑な手続きができなかったり、印鑑がなかったり、保証人や緊急連絡先が見つからなかったりと、困ることが多々あります。

保証人は「日本人で、かつ定職についている人」などの条件がある場合が多いので、日本に来たばかりの留学生がそのような保証人になってくれる人を見つけるのはほぼほぼ不可能です。

そのため、保証人が要らない(代わりに保証会社を使える)部屋を借りるとか、先輩の部屋を引き継ぐとか、すでに日本にいる友人にルームシェアさせてもらうなどの方法を取っている人が多いです。

今は外国人向けの賃貸を検索できるサイト等もあるので、それらを活用してみるのも良いかもしれません。

ポイント

・保証人が要る物件を留学生が借りるのは難しい(保証人になってくれる人が見つからない)
・外国人向けの賃貸物件を探せるサイトがある(「留学生 賃貸」で検索)

6. 留学生の学費や生活費は援助があるの?国費留学生の割合は?

留学生には、国費留学生と私費留学生(と外国政府派遣留学生)がいますが、現在日本にいる留学生のほとんどは、自費で学費や生活費を払っている私費留学生です。

私立大学等には留学生対象の減免制度(学費30%減免など)があったり、様々な奨学金制度もあったりしますが、多くの留学生は、アルバイトの収入と仕送りで全てを賄いながら生活しています

留学生は自由にアルバイトができる訳ではないので、制限がある中でアルバイトをしながら勉強と両立するのは、なかなか大変なことですよね。

ちなみに日本語学校の学費(と諸経費)は年間70万円~80万円、国公立大学は50~60万円、私立大学は留学生の減免を受けても70~100万円ぐらいのところが多くなっています。

ポイント

・留学生のほとんどは私費留学生
・多くの留学生はアルバイトをしながら生活している

【参考】
国費外国人留学生制度(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/ryugaku/06032818.htm

留学生受け入れ制度(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/others/detail/1318577.htm

まとめ

飛行機、入国

いかがでしたか。

留学生の入国時~来日直後に必要な手続きや、知っておきたい知識をまとめて紹介しました。

日本という知らない国に来たばかりの留学生は、不安でいっぱいです。これを読んでいる日本人の皆さんが、ここで紹介した諸手続きに関する知識を身につけてサポートしてあげることで、不安を減らし、彼/彼女らが安心して日本での留学生活をスタートさせるための手助けができると思います。

留学生と関わる機会が多い人は、ぜひ参考にしてみてください。

なお、【2】の生活・進路編では、入国後の留学生の具体的な生活や進路についてまとめてあるので、併せて読んでみてください。

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